ついてるね☆ガスストーブ

３〜６日まで幻の滝見物と山菜採りに新潟の下田川内山塊に行って来た。

一緒に行ったMちゃんは昼まで釣りをする、と雨の一ノ又沢でイワナ釣り。雨が降ってなければ私は山越えをして幻の滝を目指す予定でいたが、この雨では意気消沈して留守番。

（竿を出すMちゃん）

Mちゃんの姿が見えなくなり、やる事が無くなったので採り頃のコシアブラとタラの芽がある林で採集し、その後で来る時に寄った入山料を徴収している番小屋に行き、本日の番人のSさんと話をしながら時間をつぶす。

昼前に一ノ又沢に戻ったらMちゃんも戻っていたので昼飯を食べに御神楽温泉に行き、ソバを食べているうちに雨が小降りになってきた。

そこで、これから山越えをして明日の午後１時までに戻って来るから、とMちゃんに伝えて登り口の一ノ又沢に行き、支度をして単独で出発したのが午後１時４０分。

雪解けと雨で増水した沢と今年も一番乗りなので薮が被っているゼンマイ道を辿り、午後４時に通称見晴し台下の雪渓に到着した。

例年だとこの雪渓には簡単に取り付けるのだが、今年は４月に急激な気温上昇があったためか雪渓の下部が切れ落ちているので、雪渓上に登るには小木を掴んで泥壁を上がらねばならない。

左手で小木を掴み、右手を雪の上において力を入れた瞬間にスリップして右胸を強打してしまい結構痛い。

（この雪渓の下部でスリップ。ちなみに写真の左下に見える滝が落差１５mほどの通称セミ滝。雪渓の長さ３００m、比高８０mぐらいかな。）

この滝を巻いて小尾根を少し登り、大きな岸壁の下をトラバースすると２本目の滝を越へ、後は鞍部越えの急登までは平坦な沢に至った。

ここに到着したのが午後５時１０分。

打った胸が痛いので行動を止め、藪の中でビバークすることにした。

（登って来た沢を振り返る。）

（何はともあれ先ずはたき火。１００円ショップで売っている小型バケツ２つと餅網で作ったウッドガスストーブ。計３００円也。＾＾；）。スリップした時に右足に付けていた軽アイゼンのゴムが切れていた。

これ以外に担いで行ったのは４食分の食料と非常食、１８０cm四方のブルーシート４枚、ツエルト代用の自転車カバー、アルミ蒸着の薄いマット、空気を入れる枕、天然水が入っていた潰れ易い５００mlのペットボトル６本それとLEDランプが二つ、と全て１００円ショップで買ったもの。＾＾；

それと防寒用に原発作業員御用達のタイベックの白いツナギ、ヒートテックの下着類だけでシュラフは持たなかった。

これで寝る前までにペットボトルに沸かした湯を入れて湯たんぽにしたら湯が冷める2時間は熟睡出来たので、朝までにもう一度ストーブを点けて湯を沸かしペットボトルが一杯になって寝た２時間の計４時間は熟睡が出来た。

夜が明け出した５時に起きたが咳をすると肋骨あたりが痛い。

ここから鞍部までは標高差で１３０mしかないから３０〜４０分もあれば到着するが、この痛さでは無理が出来ないので下る事にし、湯を沸かしてカップうどんを食べてから７時過ぎに出発した。

下りは右手を使うと胸が痛いので登りよりも時間をかけてゆっくり下った。

中間点を過ぎたところで右上の方から呼ぶ声が聞こえたので、見上げたらMちゃんが迎えに来ていた。

リュックを背負ってもらい、空身で下り昼前には車に到着した。

今夜は五泉市の矢筈山岳会の会長宅に行くことになっていたので御神楽温泉で風呂に入り、スーパーに寄って食材を購入したりして会長宅に向かった。

（宴会用の小屋で食材の下準備をしている会長のTさんとMちゃん。）

宴会には副会長のTさんとKさんも加わり１０時半過ぎまで続いたが、私は眠いので寝袋を借りて後ろに見える畳で横になった。

翌朝６時過ぎに目覚めたら民宿の朝食よりも豪華な食事を用意してくださり、恐縮して頂いた。

食事後、山菜採りに案内してくれるとのことで向かったのは早出川ダム。

（昨日行こうとした幻の滝があるのはこの川の源流。）

ここからボートを出して奥へ行くとの事で船外機を持参した。

（船外機を一輪車に積み、山ヒルの群生地帯を歩くMちゃんと会長。）

船着き場でボートを湖水に下ろし、船外機を付けて最初に向かったのは十三沢。しかし流木が多くてバックウォーターに近づけず。

続いては下田川内山塊では珍しく登山道のある金ケ谷。雪渓で埋まっていた。

そしてここは一度は行ってみたいと思っていた中杉川のバックウォーター。釣り師の皆さんはダムから４時間ほど歩いて到着するところ。ボートだと１５分？＾＾；

ここは早出川を遡行する人なら必ず知っているドゾウ淵。その昔、ゼンマイ採りで早出川に出入りしていた貝沼松二郎さんが精魂を傾けて切り開いたゼンマイ道が対岸に渡る場所で、最狭部上部に丸太橋をかけてあったところ。

1991年に豊野則夫氏等が早出川を遡行した時の記録を載せた雑誌の写真がある。丸太橋（丸子橋と呼ばれていた。）を渡る姿を上流側から撮ったものだが、当時の様子が分かると思う。

早出川には３０回以上入渓しているが、ダムから中流部にあるゼンマイ沢までの区間には行っていない。理由は山ヒル。＾＾；

ここを見学した後、山菜を採るために上陸した。

ここで採った山菜はワラビ、ワサビとシドケ。さらに帰りがけに湖水に流れ落ちる滝脇でウルイを採集した。

こうして会長宅に戻り再び宴会が開かれ、もう一晩やっかいになって翌朝早くに出発し、昼前には帰宅した。

と、５年も経つのに未だに幻の滝には行けていない。しかしその間に地元の室谷の人達とも知り合いになれたし、下田川内山塊をホームグランドにしている矢筈山岳会の会長等とも知遇を得れたので、これでも良しと思っている。

追）ここの近くの五頭で親子連れが遭難し、一週間近くたっても未だ見つかっていない。映像で見る限り五頭の方が下田川内よりも残雪量が少ないようなので、もし下山しようとして雪渓のある沢を下ると薄い雪渓を踏み抜いて落ちた可能性が
あると思う。

いずれにせよ早期の発見を祈るばかりです。