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ボーダーを超える、転売
なにやら、チケットの転売に関わる法案が通過したようです。
というわけで、今回は、かなり前に書いて放置していたネタに加筆したネタです。
書いていたのが今年の1月くらいだったので内容的に古いとは思いますが、ちょっとした暇つぶしに読んで頂ければと思います。
去年の全日本。
行かれた方は気づいたことと思いますが、4階スタンド席(いわゆるA席)に、何故か毎日、大量に空席になっている部分がありました。
暗幕をかけてはいなかったので、チケットとしては売れていた席なのでしょう。
全日本は完売していてチケットが買えない人達がたくさんいました。
にもかかわらず、大きな塊で席が空いていたのです。
あれを見て私は思ったのです。
「どこかがやらかしたな…」
と(笑)
その頃持ち上がっていたのがチケットキャンプ問題で、これは単純なようで実は大変複雑な問題のように私は思いました。
ここから先は、業界の人間でもなんでもない、ただのオバちゃんの推測です。
当たっているかもしれないし、外れているかもしれません。
そこを理解して読んで欲しいと思います。
まず、私がこの問題を複雑だと感じた理由は、警察がチケキャンに最初に手を出した時の理由が
「ジャニーズの名前を勝手に使った」
だったからでした。
チケキャン側がジャニーズのファンサイトを許可も得ずに運営し、そこからチケキャンに客が流れるように誘導していたのが商標法違反だと、確かそんな感じだったと理解しています。
でも、そんなことで警察が動くなんてちょっと弱いですよね?
商標法違反なら、ジャニーズが訴えを起こしサイトを閉鎖させ、場合によっては迷惑料なり使用料なりをとれば良かっただけのことなんです。
それなのに警察が入りました。
これはつまり、いわゆる「別件逮捕だな」と多くの方々が思ったのではないでしょうか。
チケキャンは、チケットに介入してきた会社としては新参です。
興行の黒い部分を知らない、半分シロートだったんですよ。
運営会社はmixiを運営しているフンザですが、フンザというのはパキスタンにある桃源郷の語源となった美しい町の名前です。
そのフンザを会社名に付けるあたり、かなり色々と、理想は高いがビジネスには疎いナチュラリストというイメージが私にはありました。
そんな会社ですから、捕まえて調べれば、もっと色々ゲロっちゃうんだろうな〜と思っていたら、案の定事態は動き、チケキャンは閉鎖となってしまいました。
チケキャン側が大口の転売屋の手数料を無料にし、優遇していたのが発覚したからです。
つまりチケキャン側は、売れる商品の品揃えを良くするため、大口の転売屋を抱えていたというわけです。
チケットサイトというのは売り手からも買い手側からも手数料を取っているため、売り手の手数料をゼロにしても、取り引きが増えれば買い手の手数料でチャラにできる仕組みです。
出品者の手数料は8.64%(税込)だったそうです。
※8,000円以下の場合は690円
※取引手数料8.64%は、チケット代金総額 (送料を含まない)にかかります。
他にも、振込依頼1回ごとに380円がかかっていたそうです。
つまり、10万で売り出したら8千円以上の手数料を取られるハズのところを0円にしていたというわけです。
買い手の手数料額は、送料を除くチケット代が10,000円以下の場合324円、10,001〜20,000円の場合540円、20001円以上の場合支払額の3.24%です。
2万より高く売れた方が手間は同じでも手数料は高くなるので、チケキャン的には高く売れるチケットを揃えていた方が売り上げが上がるというわけです。
そのため、高く売れるチケットを揃えている大口転売屋を優遇していたというのが事件の真相ということになっています。
でも、本当にそうだったのでしょうか。
そもそも、大口の転売屋はどのような入手ルートでチケットを大量に仕入れていたのでしょうか。
今まで言われていたのは、大量のドメインを取得し、自動で何千というアクセスをしてチケットを入手するということでした。
でも、これだと一般のお客の隙間に入る感じになるので、ブロック丸ごとというわけにはいきませんよね?
何せフィギュアのチケットはほぼ抽選です。
転売屋が大量に申し込みをしても、必ず当たるとは限らないのです。
チケット窓口に転売屋がバイトを並ばせるという話も聞きますが、それは余りにも非効率的です。
そもそもフィギュアの場合は窓口販売がないので、早くから並ぶことすら出来ません。
ここで、私が聞きかじったチケット業界の話をします。
これは、チケット窓口に並んでいる時に、長年チケ取りに並んでいる方々が話しているのを聞いたり、自分の取れたチケットから推測したりしたことなので確かな話ではありません。
ただ、長年チケ取りをしている人によると、チケットはブロックごとに各チケット業者に割り当てられるのだというのです。
それを聞いた当時は、まだe+は新興のチケットサイトで、興行主にとって重要な取り引き相手ではありませんでした。
その頃のチケット業者の最大手はやはり「ぴあ」です。
「ぴあ」は、イベンターにとって最も信頼できるチケット業者だったため、真ん中の1番いい席は「ぴあ」に割り当てられるというのです。
なので、チケ取りの猛者は、いい席が欲しかったらぴあで買えという話をしていました。
もちろん興行側にいい席を割り振って貰えた方が売り上げは上がるので、チケット業者はできるだけたくさんのチケットを売って実績を積み、自分達の「ランク」というか「ステータス」を上げていきます。
これは本屋さんも同じですよね?
売れる本をたくさん卸してもらうため、本屋さんは本に挟まっているしおりのようなカードを集め、実績を積むのです。
街の小さな本屋さんにとって、あれは良い本を配本してもらうための、自分のステータスを上げる為に大切なのだと教えてもらったことがあります。
全ては信用と実績です。
が、そこにインターネット専門のチケットサイトの「e+」が登場しました。
あくまで推測ですが、e+は新参者なので、最初の頃は良い席は古参のチケット業者に渡り、左右の見切れ席や後方の席がe+に割り当てられていたんじゃないかと思います。
当時、e+で取れた席の多くがそういう席
ったのです。
でもそんな席ばかりじゃe+の経営も成り立ちません。
そこで、いわゆる「先行発売」というのがe+に許されたのではないかと私は睨んでいます(笑)
最初の頃は、いつも「e+で独占先行発売!」ってな感じのイベントが多かったんですよね。
で、申し込むといつも左端や右端の見えにくい席や後列などのガッカリ席ばかり。
そこで初めて、チケ取りの猛者の方々が言っていた
「会社によってブロックで割り当てられているから、どのチケット会社で買ってもいい席があるわけでもない」
という意味がわかってきたわけです。
ある芝居の時など、窓口に行ったらどの日程でも同じ席しか売っていませんでした。
平日ならもっといい席があるかと思って平日を指定しても、同じ席が4席しかないと言われたのです。
つまり、その公演でその会社に割り当てられた席はそこだけということなのです。
空いていればどこで買っても同じ席が手に入るわけじゃないのです。
薄々皆さん「e+にいい席はない」ということに気付いてきましたが、それでも先行発売に必死で申し込みました。
一般的に、芝居の最前列は良い席ではありません。左右が見えにくいからです。
なのでたまにe+で最前列が出ることもあったため、芝居よりもイケメンが見たい人にはたまに最前列が当たれば大喜びでした。
人気のミュージカルなどは、席はどこでも、とにかくチケットを早く手に入れ安心したいですしね。
一般販売で手に入らなければアウトですし、もしも一般でもっといい席が手に入ったら、先行チケットを売ればいいのです。
そんなこんなで、普通なら売りにくい席を「どうしても、どんな席でも行きたい勢」に売って実績を積んだe+は、今ではぴあに並ぶチケット会社になりましたが、負けじと今では他社もネット売りや先行を始めました。
すっかりカオス状態になったのです。
そんな私の、チケット取りの経験が全く生きなかったのがフィギュアスケートです。
なんせ窓口販売がありません。
窓口販売さえあれば、どこの窓口がいい席を持っていてどこの窓口に朝何時から並べばチケットが取れるのか、数年にわたって経験を積んできたというのに、窓口販売がないんです!(笑)
でも、公演ごとに割り振りがあって、ブロックごとに販売されているのは変わっていないはずです。
そして、転売屋が一般の客と同じように抽選に潜り込んでいるのだとしたら、ブロック丸ごと押さえるというのは無理だと思うのです。
じゃあ何故、完売のはずの全日本であんなに、席が空いていたのか?
考えられるのはひとつ。
どこかのチケット会社が丸ごと転売会社に流していた、ということなんじゃないでしょうか。
もちろん、チケット会社がそのままチケキャンに流していたら犯罪になります。
でも「大口の転売屋」という存在を介せば合法になります。
転売は違法だと言う人もいますが、決して違法ではありません。
※法案が通ったことで、来年あたりからは違法になると思います。
転売目的でチケットを購入した場合は条例で罰せられることもありますが、行けなくなったチケットを買ってもらうことは違法じゃないのです。
でも、丸ごと横流ししていたら?
チケット会社は販売を転売屋に任せ、転売屋がチケキャンに出品をする。
チケット会社は販売にかかる手間が無くなり人権費も減らせ、転売屋はその手間を代行し利益を得、チケキャンは売れるチケットを大量に扱い手数料を得る。
誰も損をしないのです。
このようなチケットの流れがあったとしても、私は全く驚きません。
チケキャンの問題が顕在化してきた時、一部のファンの間で、あるチケット会社が電話でチケットを売っているという噂が流れました。
フモフモさんのブログにその顛末が書かれていましたが、あんな売り方は異常ですよね?
あれは、チケキャンで売れなくなるのが確実になったことで、少しでもチケットを売ろうとしたのかもしれませんが、電話窓口が1人では大した枚数はさばけなかったのかもしれません。
何にしても、毎日4階席が大量にあいているというのは、完売のはずの会場で異様な光景でした。
もちろんスケ連はチケットを販売会社に委託しているだけなので、チケット業界の実態は分からないと思いますが、チケットというのは「興行」なので、決して綺麗なものではないということです。
今回、警察が動いた理由として、東京オリンピックに向けてチケットが高騰するのを防ぐため、と言われていますが、それだけではないでしょう。
転売などで得る利益の一部は反社会勢力の資金源になっているため、まず新参で脇が甘いチケットキャンプから潰していったということではないでしょうか。
とはいえ、チケキャンが潰れても転売はなくなりません。
ヤフオク、チケット流通センター、チケットストリート、メルカリetc…。
転売先などいくらでもあるのです。
ヤ◯ザの資金源を断とうと、迷惑防止条例でダフ屋のつきまとい行為を禁止したら、今度はネットでさらに高いチケットを売る連中が現れ、もっと簡単にもっと高額でチケットが売られ始めました。
イタチごっこです。
ある意味、興行なんてヤ◯ザと紙一重なんですよ。
何かイベントが行われる時には、必ず地域の興行主が関わってきます。
地元の興行主を無視してイベントを企画するのは新参者のやることです。
何が起こっても知らんぞ、という世界です。
興行には地域差がありますが、これも地元の興行主の性格の違いからきています。
都会は地元企業を優先するなんてことはありませんが、地方は違います。
地方の興行主なんて、かつてはヤ◯ザと言われていた方々が多いわけですが、イベントというものが博打のようなものなので、そういった方々が興行権を独占していることは普通にあることなのです。
かなり前、宝塚だったかミュージカルだったか忘れましたが、名古屋は地域優遇が酷いと書いてあったブログをを目にしたことがあります。
つまり、前のいい席の大半が地元枠に押さえられ、自分達遠方のファンがチケットを取れないということです。
大量に押さえられるから売りに出されるチケットも少なくなり、申し込んでも当たらない。
しかし、毎度そんなことをやっていても決して名古屋市民が買うわけでもなく、
局は直前になって放出が始まる。
だから諦めずに直前を待てと、そんな感じの内容でした。
地方は地方で、遠方から来る客よりも、日々お世話になっているスポンサーの方が大切だったりします。
そういったスポンサーがなければ、そもそも興行が打てないからです。
チケットをさばいてくれるのも地元スポンサーなので、地方の公演は時に、一般のネット通販などでは理解できない売れ方をしているようなのです。
そこは全国一律の売れ方をするわけではないということです。
チケットを転売するのは何も転売屋だけじゃありません。
いわゆる白ダフ屋と言われる、一般人の転売屋もいます。
いくつかのチケット会社に申し込みをし、それをヤフオクなどで売っていた人達です。
ニュースでは猫のブリーダーの方や主婦の方などが、お小遣い稼ぎの気分でやっていたと出ていました。
フィギュアのチケットも白ダフは横行していたようですが、そういった人達は、チケキャンの時に何件か手入れが入ったことでかなり大人しくなったようです。
フィギュアの場合、ファン同士で定価でやり取りするサイトを運営するなど、利益を取らずに転売する方法も模索していたようですが、そういったサイトには嫌がらせもあるようで、個人で対処するのは難しいところもあったかと思います。
最近ではEMTGなど、音楽関係者が中心となり、チケットを販売、転売まで行う会社も現れました。
ぴあも、チケットを発券せずに定価でやり取りするクロークなどを始めました。
少しずつ、定価以上で転売してそれによって利益を得ることには厳しくなってきているのですが、多分、完全な根絶には至らないかと思います。
取りにくいチケットがあり、どうしても行きたいと思う人がいて、じゃあ余分な金を出せよと言われてホイホイ払う人がいる以上、これは絶対無くなることはないのです。
中には「自分は忙しい。数ヶ月先の予定なんかわからない。行ける時に行きたいチケットをヤフオクで買う。申し込んだり発券したりする手間を考えれば、倍の値段になるくらいはどうってことはない」という人もいたので、そこの価値観は人それぞれだということなんでしょう。
じゃあ、正規のチケットを当たりやすくするにはどうすればいいか。
それはもう、有料会員が一番だということはフィギュアファンにも知れ渡ったことだと思います。
とはいえ、有料会員になると絶対取れるかというとそうでもないんですよ。
私は、友人と同僚に有料会員がいるので、激戦になりそうな時は協力してもらうのですが、毎回取れてるわけではないんです。
確率的には30%くらいです。
でも、一般のアカウントだと激戦チケットは数%程度の確率に下がるので、絶対有料会員の方が確率は上がります。
でも、ライブやお芝居などでチケットをいっぱい取る人には有難い有料会員も、年に数回しか使わない人には勿体ないだけなのも確かです。
ぴあとローソンの有料会員になっていれば大体のチケットは網羅できますが、年に5千円ほどの金額がかかります。
それだけ払っても落ちる時は落ちるので(笑)有料会員になれば確実というわけでもありません。
先日、世界選手権のチケットを取ってもらった方にも毎年依頼をしていますが、これで2回目の当選です。
それほど確率が高いわけでもないのです。
また、取れない取れないと思わせて、意外と最後には取れるというチケットもあります。
韓流のチケットを購入しに来ていた人たちの話では、韓流タレントは毎回1回目の先行ではほんの少ししか出さないんだそうです。
それで、「当たらない!買えなかったらどうしよう!」という飢餓感を演出するんだそうです。
何度も小出しにするから買いにくいと思い込むけど、最終的にはそれほど難易度の高いチケットではないという話を聞いたこともあります。
チケットほど流れのわからないものはありません。
一次抽選で売って、売れ残ったものやキャンセルの戻りが二次になるわけではありません。
一次と二次では売っているブロックが違うそうです。
キャンセル分を売るのなら、一次の結果発表の翌日から二次を売ることはできません。
かつては先行より一般の方がいい席がありましたが、今はどうなっているかわかりません。
「ぴあ」の威光もかなり落ちてきているようです。
以前ジャパンオープンのチケットを、座席を見ながら選んで買おうと「ぴあ」に行ったことがあるのですが、「ぴあ」で窓口売りをしている席があまりに少なくて愕然としたこともありました。
舞台などではまだ「ぴあ」も強いかもしれませんが、少なくともフィギュアに関していえばほぼほぼネット抽選オンリーだと思います。
先着にしたら、転売業者の使う高速サーバと大量アカウントにかなわなくなるので、ここはあくまで抽選であるだけマシと思うしかありません。
というか、人気チケットは抽選にしないと全て転売屋に持って行かれると思わなければいけません。
ダフ屋を締め出したいのであれば、ソフトを使って大量購入するサーバを突き止めるところまでやらないと、なかなか転売は無くならないと思います。
とはいえ、すべてのフィギュアのチケットが人気というわけでもありません(笑)
ぶっちゃけると、結弦くんの出ない試合やアイスショーは完売しなくなってきているように思います。
二極化しているのです。
2年ほど前、ジャパンオープンとカーニバルの間の時、コンビニでモデルのような二人組の
「私、アイスショーって初めて!でも、チケット高いんでしょう?申し訳ないからチケット代を払うわ」
「あら、いいのよ。私ももらったんだから」
という会話を耳にしたことがあります(笑)
1万以上のチケットを買っている私と友人は、ちょっと耳がダンボになってしまいましたが、去年までのカーニバルは席が大量に残っていましたので、チケットは業界の方々に、かなりタダで配られていたんだと思います。
たとえ結弦くんが出る試合であっても、平日に試合のある国別対抗戦のチケットはそれほど売れ行きは良くありません。
なので、そういうところも見誤ると大量にダブらせることになってしまうのでチケットというのは恐ろしいのです(笑)
結弦くんが出る試合はこれからも入手困難でしょうが、海外の試合も絶対に出るとは限りません。
チケットは常に博打です。
それでも、少しずつ法外な値
で売られるチケットが減ってきているようにも思いますし、オリンピックに向けてそうあって欲しいと思います。
そして、なによりも
◆定価以上のチケットを買わない。
◆信用の無い相手に振り込みをしない。
◆ツイッターを介する場合は過去の記事などを読んで、信頼できるかどうかを確認する。
等々の自衛をして欲しいと思います。
フィギュアのチケットで、儲けたお金が反社勢力に渡ることが無いよう、お金をだまし取られることが無いよう、今後もまっとうな売り方でチケットが売られればいいなと切に思います。
興行主の利益は「定価」の中にあるのであって、転売で高くなった部分は全て反社に渡るのだと、そう考えて常に定価以下での転売を心がけていただきたいと思います。
以上
転売についてフランス人100人に訊いてみた
なにやら、チケットの転売に関わる法案が通過したようです。
というわけで、今回は、かなり前に書いて放置していたネタに加筆したネタです。
書いていたのが今年の1月くらいだったので内容的に古いとは思いますが、ちょっとした暇つぶしに読んで頂ければと思います。
去年の全日本。
行かれた方は気づいたことと思いますが、4階スタンド席(いわゆるA席)に、何故か毎日、大量に空席になっている部分がありました。
暗幕をかけてはいなかったので、チケットとしては売れていた席なのでしょう。
全日本は完売していてチケットが買えない人達がたくさんいました。
にもかかわらず、大きな塊で席が空いていたのです。
あれを見て私は思ったのです。
「どこかがやらかしたな…」
と(笑)
その頃持ち上がっていたのがチケットキャンプ問題で、これは単純なようで実は大変複雑な問題のように私は思いました。
ここから先は、業界の人間でもなんでもない、ただのオバちゃんの推測です。
当たっているかもしれないし、外れているかもしれません。
そこを理解して読んで欲しいと思います。
まず、私がこの問題を複雑だと感じた理由は、警察がチケキャンに最初に手を出した時の理由が
「ジャニーズの名前を勝手に使った」
だったからでした。
チケキャン側がジャニーズのファンサイトを許可も得ずに運営し、そこからチケキャンに客が流れるように誘導していたのが商標法違反だと、確かそんな感じだったと理解しています。
でも、そんなことで警察が動くなんてちょっと弱いですよね?
商標法違反なら、ジャニーズが訴えを起こしサイトを閉鎖させ、場合によっては迷惑料なり使用料なりをとれば良かっただけのことなんです。
それなのに警察が入りました。
これはつまり、いわゆる「別件逮捕だな」と多くの方々が思ったのではないでしょうか。
チケキャンは、チケットに介入してきた会社としては新参です。
興行の黒い部分を知らない、半分シロートだったんですよ。
運営会社はmixiを運営しているフンザですが、フンザというのはパキスタンにある桃源郷の語源となった美しい町の名前です。
そのフンザを会社名に付けるあたり、かなり色々と、理想は高いがビジネスには疎いナチュラリストというイメージが私にはありました。
そんな会社ですから、捕まえて調べれば、もっと色々ゲロっちゃうんだろうな〜と思っていたら、案の定事態は動き、チケキャンは閉鎖となってしまいました。
チケキャン側が大口の転売屋の手数料を無料にし、優遇していたのが発覚したからです。
つまりチケキャン側は、売れる商品の品揃えを良くするため、大口の転売屋を抱えていたというわけです。
チケットサイトというのは売り手からも買い手側からも手数料を取っているため、売り手の手数料をゼロにしても、取り引きが増えれば買い手の手数料でチャラにできる仕組みです。
出品者の手数料は8.64%(税込)だったそうです。
※8,000円以下の場合は690円
※取引手数料8.64%は、チケット代金総額 (送料を含まない)にかかります。
他にも、振込依頼1回ごとに380円がかかっていたそうです。
つまり、10万で売り出したら8千円以上の手数料を取られるハズのところを0円にしていたというわけです。
買い手の手数料額は、送料を除くチケット代が10,000円以下の場合324円、10,001〜20,000円の場合540円、20001円以上の場合支払額の3.24%です。
2万より高く売れた方が手間は同じでも手数料は高くなるので、チケキャン的には高く売れるチケットを揃えていた方が売り上げが上がるというわけです。
そのため、高く売れるチケットを揃えている大口転売屋を優遇していたというのが事件の真相ということになっています。
でも、本当にそうだったのでしょうか。
そもそも、大口の転売屋はどのような入手ルートでチケットを大量に仕入れていたのでしょうか。
今まで言われていたのは、大量のドメインを取得し、自動で何千というアクセスをしてチケットを入手するということでした。
でも、これだと一般のお客の隙間に入る感じになるので、ブロック丸ごとというわけにはいきませんよね?
何せフィギュアのチケットはほぼ抽選です。
転売屋が大量に申し込みをしても、必ず当たるとは限らないのです。
チケット窓口に転売屋がバイトを並ばせるという話も聞きますが、それは余りにも非効率的です。
そもそもフィギュアの場合は窓口販売がないので、早くから並ぶことすら出来ません。
ここで、私が聞きかじったチケット業界の話をします。
これは、チケット窓口に並んでいる時に、長年チケ取りに並んでいる方々が話しているのを聞いたり、自分の取れたチケットから推測したりしたことなので確かな話ではありません。
ただ、長年チケ取りをしている人によると、チケットはブロックごとに各チケット業者に割り当てられるのだというのです。
それを聞いた当時は、まだe+は新興のチケットサイトで、興行主にとって重要な取り引き相手ではありませんでした。
その頃のチケット業者の最大手はやはり「ぴあ」です。
「ぴあ」は、イベンターにとって最も信頼できるチケット業者だったため、真ん中の1番いい席は「ぴあ」に割り当てられるというのです。
なので、チケ取りの猛者は、いい席が欲しかったらぴあで買えという話をしていました。
もちろん興行側にいい席を割り振って貰えた方が売り上げは上がるので、チケット業者はできるだけたくさんのチケットを売って実績を積み、自分達の「ランク」というか「ステータス」を上げていきます。
これは本屋さんも同じですよね?
売れる本をたくさん卸してもらうため、本屋さんは本に挟まっているしおりのようなカードを集め、実績を積むのです。
街の小さな本屋さんにとって、あれは良い本を配本してもらうための、自分のステータスを上げる為に大切なのだと教えてもらったことがあります。
全ては信用と実績です。
が、そこにインターネット専門のチケットサイトの「e+」が登場しました。
あくまで推測ですが、e+は新参者なので、最初の頃は良い席は古参のチケット業者に渡り、左右の見切れ席や後方の席がe+に割り当てられていたんじゃないかと思います。
当時、e+で取れた席の多くがそういう席
ったのです。
でもそんな席ばかりじゃe+の経営も成り立ちません。
そこで、いわゆる「先行発売」というのがe+に許されたのではないかと私は睨んでいます(笑)
最初の頃は、いつも「e+で独占先行発売!」ってな感じのイベントが多かったんですよね。
で、申し込むといつも左端や右端の見えにくい席や後列などのガッカリ席ばかり。
そこで初めて、チケ取りの猛者の方々が言っていた
「会社によってブロックで割り当てられているから、どのチケット会社で買ってもいい席があるわけでもない」
という意味がわかってきたわけです。
ある芝居の時など、窓口に行ったらどの日程でも同じ席しか売っていませんでした。
平日ならもっといい席があるかと思って平日を指定しても、同じ席が4席しかないと言われたのです。
つまり、その公演でその会社に割り当てられた席はそこだけということなのです。
空いていればどこで買っても同じ席が手に入るわけじゃないのです。
薄々皆さん「e+にいい席はない」ということに気付いてきましたが、それでも先行発売に必死で申し込みました。
一般的に、芝居の最前列は良い席ではありません。左右が見えにくいからです。
なのでたまにe+で最前列が出ることもあったため、芝居よりもイケメンが見たい人にはたまに最前列が当たれば大喜びでした。
人気のミュージカルなどは、席はどこでも、とにかくチケットを早く手に入れ安心したいですしね。
一般販売で手に入らなければアウトですし、もしも一般でもっといい席が手に入ったら、先行チケットを売ればいいのです。
そんなこんなで、普通なら売りにくい席を「どうしても、どんな席でも行きたい勢」に売って実績を積んだe+は、今ではぴあに並ぶチケット会社になりましたが、負けじと今では他社もネット売りや先行を始めました。
すっかりカオス状態になったのです。
そんな私の、チケット取りの経験が全く生きなかったのがフィギュアスケートです。
なんせ窓口販売がありません。
窓口販売さえあれば、どこの窓口がいい席を持っていてどこの窓口に朝何時から並べばチケットが取れるのか、数年にわたって経験を積んできたというのに、窓口販売がないんです!(笑)
でも、公演ごとに割り振りがあって、ブロックごとに販売されているのは変わっていないはずです。
そして、転売屋が一般の客と同じように抽選に潜り込んでいるのだとしたら、ブロック丸ごと押さえるというのは無理だと思うのです。
じゃあ何故、完売のはずの全日本であんなに、席が空いていたのか?
考えられるのはひとつ。
どこかのチケット会社が丸ごと転売会社に流していた、ということなんじゃないでしょうか。
もちろん、チケット会社がそのままチケキャンに流していたら犯罪になります。
でも「大口の転売屋」という存在を介せば合法になります。
転売は違法だと言う人もいますが、決して違法ではありません。
※法案が通ったことで、来年あたりからは違法になると思います。
転売目的でチケットを購入した場合は条例で罰せられることもありますが、行けなくなったチケットを買ってもらうことは違法じゃないのです。
でも、丸ごと横流ししていたら?
チケット会社は販売を転売屋に任せ、転売屋がチケキャンに出品をする。
チケット会社は販売にかかる手間が無くなり人権費も減らせ、転売屋はその手間を代行し利益を得、チケキャンは売れるチケットを大量に扱い手数料を得る。
誰も損をしないのです。
このようなチケットの流れがあったとしても、私は全く驚きません。
チケキャンの問題が顕在化してきた時、一部のファンの間で、あるチケット会社が電話でチケットを売っているという噂が流れました。
フモフモさんのブログにその顛末が書かれていましたが、あんな売り方は異常ですよね?
あれは、チケキャンで売れなくなるのが確実になったことで、少しでもチケットを売ろうとしたのかもしれませんが、電話窓口が1人では大した枚数はさばけなかったのかもしれません。
何にしても、毎日4階席が大量にあいているというのは、完売のはずの会場で異様な光景でした。
もちろんスケ連はチケットを販売会社に委託しているだけなので、チケット業界の実態は分からないと思いますが、チケットというのは「興行」なので、決して綺麗なものではないということです。
今回、警察が動いた理由として、東京オリンピックに向けてチケットが高騰するのを防ぐため、と言われていますが、それだけではないでしょう。
転売などで得る利益の一部は反社会勢力の資金源になっているため、まず新参で脇が甘いチケットキャンプから潰していったということではないでしょうか。
とはいえ、チケキャンが潰れても転売はなくなりません。
ヤフオク、チケット流通センター、チケットストリート、メルカリetc…。
転売先などいくらでもあるのです。
ヤ◯ザの資金源を断とうと、迷惑防止条例でダフ屋のつきまとい行為を禁止したら、今度はネットでさらに高いチケットを売る連中が現れ、もっと簡単にもっと高額でチケットが売られ始めました。
イタチごっこです。
ある意味、興行なんてヤ◯ザと紙一重なんですよ。
何かイベントが行われる時には、必ず地域の興行主が関わってきます。
地元の興行主を無視してイベントを企画するのは新参者のやることです。
何が起こっても知らんぞ、という世界です。
興行には地域差がありますが、これも地元の興行主の性格の違いからきています。
都会は地元企業を優先するなんてことはありませんが、地方は違います。
地方の興行主なんて、かつてはヤ◯ザと言われていた方々が多いわけですが、イベントというものが博打のようなものなので、そういった方々が興行権を独占していることは普通にあることなのです。
かなり前、宝塚だったかミュージカルだったか忘れましたが、名古屋は地域優遇が酷いと書いてあったブログをを目にしたことがあります。
つまり、前のいい席の大半が地元枠に押さえられ、自分達遠方のファンがチケットを取れないということです。
大量に押さえられるから売りに出されるチケットも少なくなり、申し込んでも当たらない。
しかし、毎度そんなことをやっていても決して名古屋市民が買うわけでもなく、
局は直前になって放出が始まる。
だから諦めずに直前を待てと、そんな感じの内容でした。
地方は地方で、遠方から来る客よりも、日々お世話になっているスポンサーの方が大切だったりします。
そういったスポンサーがなければ、そもそも興行が打てないからです。
チケットをさばいてくれるのも地元スポンサーなので、地方の公演は時に、一般のネット通販などでは理解できない売れ方をしているようなのです。
そこは全国一律の売れ方をするわけではないということです。
チケットを転売するのは何も転売屋だけじゃありません。
いわゆる白ダフ屋と言われる、一般人の転売屋もいます。
いくつかのチケット会社に申し込みをし、それをヤフオクなどで売っていた人達です。
ニュースでは猫のブリーダーの方や主婦の方などが、お小遣い稼ぎの気分でやっていたと出ていました。
フィギュアのチケットも白ダフは横行していたようですが、そういった人達は、チケキャンの時に何件か手入れが入ったことでかなり大人しくなったようです。
フィギュアの場合、ファン同士で定価でやり取りするサイトを運営するなど、利益を取らずに転売する方法も模索していたようですが、そういったサイトには嫌がらせもあるようで、個人で対処するのは難しいところもあったかと思います。
最近ではEMTGなど、音楽関係者が中心となり、チケットを販売、転売まで行う会社も現れました。
ぴあも、チケットを発券せずに定価でやり取りするクロークなどを始めました。
少しずつ、定価以上で転売してそれによって利益を得ることには厳しくなってきているのですが、多分、完全な根絶には至らないかと思います。
取りにくいチケットがあり、どうしても行きたいと思う人がいて、じゃあ余分な金を出せよと言われてホイホイ払う人がいる以上、これは絶対無くなることはないのです。
中には「自分は忙しい。数ヶ月先の予定なんかわからない。行ける時に行きたいチケットをヤフオクで買う。申し込んだり発券したりする手間を考えれば、倍の値段になるくらいはどうってことはない」という人もいたので、そこの価値観は人それぞれだということなんでしょう。
じゃあ、正規のチケットを当たりやすくするにはどうすればいいか。
それはもう、有料会員が一番だということはフィギュアファンにも知れ渡ったことだと思います。
とはいえ、有料会員になると絶対取れるかというとそうでもないんですよ。
私は、友人と同僚に有料会員がいるので、激戦になりそうな時は協力してもらうのですが、毎回取れてるわけではないんです。
確率的には30%くらいです。
でも、一般のアカウントだと激戦チケットは数%程度の確率に下がるので、絶対有料会員の方が確率は上がります。
でも、ライブやお芝居などでチケットをいっぱい取る人には有難い有料会員も、年に数回しか使わない人には勿体ないだけなのも確かです。
ぴあとローソンの有料会員になっていれば大体のチケットは網羅できますが、年に5千円ほどの金額がかかります。
それだけ払っても落ちる時は落ちるので(笑)有料会員になれば確実というわけでもありません。
先日、世界選手権のチケットを取ってもらった方にも毎年依頼をしていますが、これで2回目の当選です。
それほど確率が高いわけでもないのです。
また、取れない取れないと思わせて、意外と最後には取れるというチケットもあります。
韓流のチケットを購入しに来ていた人たちの話では、韓流タレントは毎回1回目の先行ではほんの少ししか出さないんだそうです。
それで、「当たらない!買えなかったらどうしよう!」という飢餓感を演出するんだそうです。
何度も小出しにするから買いにくいと思い込むけど、最終的にはそれほど難易度の高いチケットではないという話を聞いたこともあります。
チケットほど流れのわからないものはありません。
一次抽選で売って、売れ残ったものやキャンセルの戻りが二次になるわけではありません。
一次と二次では売っているブロックが違うそうです。
キャンセル分を売るのなら、一次の結果発表の翌日から二次を売ることはできません。
かつては先行より一般の方がいい席がありましたが、今はどうなっているかわかりません。
「ぴあ」の威光もかなり落ちてきているようです。
以前ジャパンオープンのチケットを、座席を見ながら選んで買おうと「ぴあ」に行ったことがあるのですが、「ぴあ」で窓口売りをしている席があまりに少なくて愕然としたこともありました。
舞台などではまだ「ぴあ」も強いかもしれませんが、少なくともフィギュアに関していえばほぼほぼネット抽選オンリーだと思います。
先着にしたら、転売業者の使う高速サーバと大量アカウントにかなわなくなるので、ここはあくまで抽選であるだけマシと思うしかありません。
というか、人気チケットは抽選にしないと全て転売屋に持って行かれると思わなければいけません。
ダフ屋を締め出したいのであれば、ソフトを使って大量購入するサーバを突き止めるところまでやらないと、なかなか転売は無くならないと思います。
とはいえ、すべてのフィギュアのチケットが人気というわけでもありません(笑)
ぶっちゃけると、結弦くんの出ない試合やアイスショーは完売しなくなってきているように思います。
二極化しているのです。
2年ほど前、ジャパンオープンとカーニバルの間の時、コンビニでモデルのような二人組の
「私、アイスショーって初めて!でも、チケット高いんでしょう?申し訳ないからチケット代を払うわ」
「あら、いいのよ。私ももらったんだから」
という会話を耳にしたことがあります(笑)
1万以上のチケットを買っている私と友人は、ちょっと耳がダンボになってしまいましたが、去年までのカーニバルは席が大量に残っていましたので、チケットは業界の方々に、かなりタダで配られていたんだと思います。
たとえ結弦くんが出る試合であっても、平日に試合のある国別対抗戦のチケットはそれほど売れ行きは良くありません。
なので、そういうところも見誤ると大量にダブらせることになってしまうのでチケットというのは恐ろしいのです(笑)
結弦くんが出る試合はこれからも入手困難でしょうが、海外の試合も絶対に出るとは限りません。
チケットは常に博打です。
それでも、少しずつ法外な値
で売られるチケットが減ってきているようにも思いますし、オリンピックに向けてそうあって欲しいと思います。
そして、なによりも
◆定価以上のチケットを買わない。
◆信用の無い相手に振り込みをしない。
◆ツイッターを介する場合は過去の記事などを読んで、信頼できるかどうかを確認する。
等々の自衛をして欲しいと思います。
フィギュアのチケットで、儲けたお金が反社勢力に渡ることが無いよう、お金をだまし取られることが無いよう、今後もまっとうな売り方でチケットが売られればいいなと切に思います。
興行主の利益は「定価」の中にあるのであって、転売で高くなった部分は全て反社に渡るのだと、そう考えて常に定価以下での転売を心がけていただきたいと思います。
以上
転売 つくるって、ワクワク
なにやら、チケットの転売に関わる法案が通過したようです。
というわけで、今回は、かなり前に書いて放置していたネタに加筆したネタです。
書いていたのが今年の1月くらいだったので内容的に古いとは思いますが、ちょっとした暇つぶしに読んで頂ければと思います。
去年の全日本。
行かれた方は気づいたことと思いますが、4階スタンド席(いわゆるA席)に、何故か毎日、大量に空席になっている部分がありました。
暗幕をかけてはいなかったので、チケットとしては売れていた席なのでしょう。
全日本は完売していてチケットが買えない人達がたくさんいました。
にもかかわらず、大きな塊で席が空いていたのです。
あれを見て私は思ったのです。
「どこかがやらかしたな…」
と(笑)
その頃持ち上がっていたのがチケットキャンプ問題で、これは単純なようで実は大変複雑な問題のように私は思いました。
ここから先は、業界の人間でもなんでもない、ただのオバちゃんの推測です。
当たっているかもしれないし、外れているかもしれません。
そこを理解して読んで欲しいと思います。
まず、私がこの問題を複雑だと感じた理由は、警察がチケキャンに最初に手を出した時の理由が
「ジャニーズの名前を勝手に使った」
だったからでした。
チケキャン側がジャニーズのファンサイトを許可も得ずに運営し、そこからチケキャンに客が流れるように誘導していたのが商標法違反だと、確かそんな感じだったと理解しています。
でも、そんなことで警察が動くなんてちょっと弱いですよね?
商標法違反なら、ジャニーズが訴えを起こしサイトを閉鎖させ、場合によっては迷惑料なり使用料なりをとれば良かっただけのことなんです。
それなのに警察が入りました。
これはつまり、いわゆる「別件逮捕だな」と多くの方々が思ったのではないでしょうか。
チケキャンは、チケットに介入してきた会社としては新参です。
興行の黒い部分を知らない、半分シロートだったんですよ。
運営会社はmixiを運営しているフンザですが、フンザというのはパキスタンにある桃源郷の語源となった美しい町の名前です。
そのフンザを会社名に付けるあたり、かなり色々と、理想は高いがビジネスには疎いナチュラリストというイメージが私にはありました。
そんな会社ですから、捕まえて調べれば、もっと色々ゲロっちゃうんだろうな〜と思っていたら、案の定事態は動き、チケキャンは閉鎖となってしまいました。
チケキャン側が大口の転売屋の手数料を無料にし、優遇していたのが発覚したからです。
つまりチケキャン側は、売れる商品の品揃えを良くするため、大口の転売屋を抱えていたというわけです。
チケットサイトというのは売り手からも買い手側からも手数料を取っているため、売り手の手数料をゼロにしても、取り引きが増えれば買い手の手数料でチャラにできる仕組みです。
出品者の手数料は8.64%(税込)だったそうです。
※8,000円以下の場合は690円
※取引手数料8.64%は、チケット代金総額 (送料を含まない)にかかります。
他にも、振込依頼1回ごとに380円がかかっていたそうです。
つまり、10万で売り出したら8千円以上の手数料を取られるハズのところを0円にしていたというわけです。
買い手の手数料額は、送料を除くチケット代が10,000円以下の場合324円、10,001〜20,000円の場合540円、20001円以上の場合支払額の3.24%です。
2万より高く売れた方が手間は同じでも手数料は高くなるので、チケキャン的には高く売れるチケットを揃えていた方が売り上げが上がるというわけです。
そのため、高く売れるチケットを揃えている大口転売屋を優遇していたというのが事件の真相ということになっています。
でも、本当にそうだったのでしょうか。
そもそも、大口の転売屋はどのような入手ルートでチケットを大量に仕入れていたのでしょうか。
今まで言われていたのは、大量のドメインを取得し、自動で何千というアクセスをしてチケットを入手するということでした。
でも、これだと一般のお客の隙間に入る感じになるので、ブロック丸ごとというわけにはいきませんよね?
何せフィギュアのチケットはほぼ抽選です。
転売屋が大量に申し込みをしても、必ず当たるとは限らないのです。
チケット窓口に転売屋がバイトを並ばせるという話も聞きますが、それは余りにも非効率的です。
そもそもフィギュアの場合は窓口販売がないので、早くから並ぶことすら出来ません。
ここで、私が聞きかじったチケット業界の話をします。
これは、チケット窓口に並んでいる時に、長年チケ取りに並んでいる方々が話しているのを聞いたり、自分の取れたチケットから推測したりしたことなので確かな話ではありません。
ただ、長年チケ取りをしている人によると、チケットはブロックごとに各チケット業者に割り当てられるのだというのです。
それを聞いた当時は、まだe+は新興のチケットサイトで、興行主にとって重要な取り引き相手ではありませんでした。
その頃のチケット業者の最大手はやはり「ぴあ」です。
「ぴあ」は、イベンターにとって最も信頼できるチケット業者だったため、真ん中の1番いい席は「ぴあ」に割り当てられるというのです。
なので、チケ取りの猛者は、いい席が欲しかったらぴあで買えという話をしていました。
もちろん興行側にいい席を割り振って貰えた方が売り上げは上がるので、チケット業者はできるだけたくさんのチケットを売って実績を積み、自分達の「ランク」というか「ステータス」を上げていきます。
これは本屋さんも同じですよね?
売れる本をたくさん卸してもらうため、本屋さんは本に挟まっているしおりのようなカードを集め、実績を積むのです。
街の小さな本屋さんにとって、あれは良い本を配本してもらうための、自分のステータスを上げる為に大切なのだと教えてもらったことがあります。
全ては信用と実績です。
が、そこにインターネット専門のチケットサイトの「e+」が登場しました。
あくまで推測ですが、e+は新参者なので、最初の頃は良い席は古参のチケット業者に渡り、左右の見切れ席や後方の席がe+に割り当てられていたんじゃないかと思います。
当時、e+で取れた席の多くがそういう席
ったのです。
でもそんな席ばかりじゃe+の経営も成り立ちません。
そこで、いわゆる「先行発売」というのがe+に許されたのではないかと私は睨んでいます(笑)
最初の頃は、いつも「e+で独占先行発売!」ってな感じのイベントが多かったんですよね。
で、申し込むといつも左端や右端の見えにくい席や後列などのガッカリ席ばかり。
そこで初めて、チケ取りの猛者の方々が言っていた
「会社によってブロックで割り当てられているから、どのチケット会社で買ってもいい席があるわけでもない」
という意味がわかってきたわけです。
ある芝居の時など、窓口に行ったらどの日程でも同じ席しか売っていませんでした。
平日ならもっといい席があるかと思って平日を指定しても、同じ席が4席しかないと言われたのです。
つまり、その公演でその会社に割り当てられた席はそこだけということなのです。
空いていればどこで買っても同じ席が手に入るわけじゃないのです。
薄々皆さん「e+にいい席はない」ということに気付いてきましたが、それでも先行発売に必死で申し込みました。
一般的に、芝居の最前列は良い席ではありません。左右が見えにくいからです。
なのでたまにe+で最前列が出ることもあったため、芝居よりもイケメンが見たい人にはたまに最前列が当たれば大喜びでした。
人気のミュージカルなどは、席はどこでも、とにかくチケットを早く手に入れ安心したいですしね。
一般販売で手に入らなければアウトですし、もしも一般でもっといい席が手に入ったら、先行チケットを売ればいいのです。
そんなこんなで、普通なら売りにくい席を「どうしても、どんな席でも行きたい勢」に売って実績を積んだe+は、今ではぴあに並ぶチケット会社になりましたが、負けじと今では他社もネット売りや先行を始めました。
すっかりカオス状態になったのです。
そんな私の、チケット取りの経験が全く生きなかったのがフィギュアスケートです。
なんせ窓口販売がありません。
窓口販売さえあれば、どこの窓口がいい席を持っていてどこの窓口に朝何時から並べばチケットが取れるのか、数年にわたって経験を積んできたというのに、窓口販売がないんです!(笑)
でも、公演ごとに割り振りがあって、ブロックごとに販売されているのは変わっていないはずです。
そして、転売屋が一般の客と同じように抽選に潜り込んでいるのだとしたら、ブロック丸ごと押さえるというのは無理だと思うのです。
じゃあ何故、完売のはずの全日本であんなに、席が空いていたのか?
考えられるのはひとつ。
どこかのチケット会社が丸ごと転売会社に流していた、ということなんじゃないでしょうか。
もちろん、チケット会社がそのままチケキャンに流していたら犯罪になります。
でも「大口の転売屋」という存在を介せば合法になります。
転売は違法だと言う人もいますが、決して違法ではありません。
※法案が通ったことで、来年あたりからは違法になると思います。
転売目的でチケットを購入した場合は条例で罰せられることもありますが、行けなくなったチケットを買ってもらうことは違法じゃないのです。
でも、丸ごと横流ししていたら?
チケット会社は販売を転売屋に任せ、転売屋がチケキャンに出品をする。
チケット会社は販売にかかる手間が無くなり人権費も減らせ、転売屋はその手間を代行し利益を得、チケキャンは売れるチケットを大量に扱い手数料を得る。
誰も損をしないのです。
このようなチケットの流れがあったとしても、私は全く驚きません。
チケキャンの問題が顕在化してきた時、一部のファンの間で、あるチケット会社が電話でチケットを売っているという噂が流れました。
フモフモさんのブログにその顛末が書かれていましたが、あんな売り方は異常ですよね?
あれは、チケキャンで売れなくなるのが確実になったことで、少しでもチケットを売ろうとしたのかもしれませんが、電話窓口が1人では大した枚数はさばけなかったのかもしれません。
何にしても、毎日4階席が大量にあいているというのは、完売のはずの会場で異様な光景でした。
もちろんスケ連はチケットを販売会社に委託しているだけなので、チケット業界の実態は分からないと思いますが、チケットというのは「興行」なので、決して綺麗なものではないということです。
今回、警察が動いた理由として、東京オリンピックに向けてチケットが高騰するのを防ぐため、と言われていますが、それだけではないでしょう。
転売などで得る利益の一部は反社会勢力の資金源になっているため、まず新参で脇が甘いチケットキャンプから潰していったということではないでしょうか。
とはいえ、チケキャンが潰れても転売はなくなりません。
ヤフオク、チケット流通センター、チケットストリート、メルカリetc…。
転売先などいくらでもあるのです。
ヤ◯ザの資金源を断とうと、迷惑防止条例でダフ屋のつきまとい行為を禁止したら、今度はネットでさらに高いチケットを売る連中が現れ、もっと簡単にもっと高額でチケットが売られ始めました。
イタチごっこです。
ある意味、興行なんてヤ◯ザと紙一重なんですよ。
何かイベントが行われる時には、必ず地域の興行主が関わってきます。
地元の興行主を無視してイベントを企画するのは新参者のやることです。
何が起こっても知らんぞ、という世界です。
興行には地域差がありますが、これも地元の興行主の性格の違いからきています。
都会は地元企業を優先するなんてことはありませんが、地方は違います。
地方の興行主なんて、かつてはヤ◯ザと言われていた方々が多いわけですが、イベントというものが博打のようなものなので、そういった方々が興行権を独占していることは普通にあることなのです。
かなり前、宝塚だったかミュージカルだったか忘れましたが、名古屋は地域優遇が酷いと書いてあったブログをを目にしたことがあります。
つまり、前のいい席の大半が地元枠に押さえられ、自分達遠方のファンがチケットを取れないということです。
大量に押さえられるから売りに出されるチケットも少なくなり、申し込んでも当たらない。
しかし、毎度そんなことをやっていても決して名古屋市民が買うわけでもなく、
局は直前になって放出が始まる。
だから諦めずに直前を待てと、そんな感じの内容でした。
地方は地方で、遠方から来る客よりも、日々お世話になっているスポンサーの方が大切だったりします。
そういったスポンサーがなければ、そもそも興行が打てないからです。
チケットをさばいてくれるのも地元スポンサーなので、地方の公演は時に、一般のネット通販などでは理解できない売れ方をしているようなのです。
そこは全国一律の売れ方をするわけではないということです。
チケットを転売するのは何も転売屋だけじゃありません。
いわゆる白ダフ屋と言われる、一般人の転売屋もいます。
いくつかのチケット会社に申し込みをし、それをヤフオクなどで売っていた人達です。
ニュースでは猫のブリーダーの方や主婦の方などが、お小遣い稼ぎの気分でやっていたと出ていました。
フィギュアのチケットも白ダフは横行していたようですが、そういった人達は、チケキャンの時に何件か手入れが入ったことでかなり大人しくなったようです。
フィギュアの場合、ファン同士で定価でやり取りするサイトを運営するなど、利益を取らずに転売する方法も模索していたようですが、そういったサイトには嫌がらせもあるようで、個人で対処するのは難しいところもあったかと思います。
最近ではEMTGなど、音楽関係者が中心となり、チケットを販売、転売まで行う会社も現れました。
ぴあも、チケットを発券せずに定価でやり取りするクロークなどを始めました。
少しずつ、定価以上で転売してそれによって利益を得ることには厳しくなってきているのですが、多分、完全な根絶には至らないかと思います。
取りにくいチケットがあり、どうしても行きたいと思う人がいて、じゃあ余分な金を出せよと言われてホイホイ払う人がいる以上、これは絶対無くなることはないのです。
中には「自分は忙しい。数ヶ月先の予定なんかわからない。行ける時に行きたいチケットをヤフオクで買う。申し込んだり発券したりする手間を考えれば、倍の値段になるくらいはどうってことはない」という人もいたので、そこの価値観は人それぞれだということなんでしょう。
じゃあ、正規のチケットを当たりやすくするにはどうすればいいか。
それはもう、有料会員が一番だということはフィギュアファンにも知れ渡ったことだと思います。
とはいえ、有料会員になると絶対取れるかというとそうでもないんですよ。
私は、友人と同僚に有料会員がいるので、激戦になりそうな時は協力してもらうのですが、毎回取れてるわけではないんです。
確率的には30%くらいです。
でも、一般のアカウントだと激戦チケットは数%程度の確率に下がるので、絶対有料会員の方が確率は上がります。
でも、ライブやお芝居などでチケットをいっぱい取る人には有難い有料会員も、年に数回しか使わない人には勿体ないだけなのも確かです。
ぴあとローソンの有料会員になっていれば大体のチケットは網羅できますが、年に5千円ほどの金額がかかります。
それだけ払っても落ちる時は落ちるので(笑)有料会員になれば確実というわけでもありません。
先日、世界選手権のチケットを取ってもらった方にも毎年依頼をしていますが、これで2回目の当選です。
それほど確率が高いわけでもないのです。
また、取れない取れないと思わせて、意外と最後には取れるというチケットもあります。
韓流のチケットを購入しに来ていた人たちの話では、韓流タレントは毎回1回目の先行ではほんの少ししか出さないんだそうです。
それで、「当たらない!買えなかったらどうしよう!」という飢餓感を演出するんだそうです。
何度も小出しにするから買いにくいと思い込むけど、最終的にはそれほど難易度の高いチケットではないという話を聞いたこともあります。
チケットほど流れのわからないものはありません。
一次抽選で売って、売れ残ったものやキャンセルの戻りが二次になるわけではありません。
一次と二次では売っているブロックが違うそうです。
キャンセル分を売るのなら、一次の結果発表の翌日から二次を売ることはできません。
かつては先行より一般の方がいい席がありましたが、今はどうなっているかわかりません。
「ぴあ」の威光もかなり落ちてきているようです。
以前ジャパンオープンのチケットを、座席を見ながら選んで買おうと「ぴあ」に行ったことがあるのですが、「ぴあ」で窓口売りをしている席があまりに少なくて愕然としたこともありました。
舞台などではまだ「ぴあ」も強いかもしれませんが、少なくともフィギュアに関していえばほぼほぼネット抽選オンリーだと思います。
先着にしたら、転売業者の使う高速サーバと大量アカウントにかなわなくなるので、ここはあくまで抽選であるだけマシと思うしかありません。
というか、人気チケットは抽選にしないと全て転売屋に持って行かれると思わなければいけません。
ダフ屋を締め出したいのであれば、ソフトを使って大量購入するサーバを突き止めるところまでやらないと、なかなか転売は無くならないと思います。
とはいえ、すべてのフィギュアのチケットが人気というわけでもありません(笑)
ぶっちゃけると、結弦くんの出ない試合やアイスショーは完売しなくなってきているように思います。
二極化しているのです。
2年ほど前、ジャパンオープンとカーニバルの間の時、コンビニでモデルのような二人組の
「私、アイスショーって初めて!でも、チケット高いんでしょう?申し訳ないからチケット代を払うわ」
「あら、いいのよ。私ももらったんだから」
という会話を耳にしたことがあります(笑)
1万以上のチケットを買っている私と友人は、ちょっと耳がダンボになってしまいましたが、去年までのカーニバルは席が大量に残っていましたので、チケットは業界の方々に、かなりタダで配られていたんだと思います。
たとえ結弦くんが出る試合であっても、平日に試合のある国別対抗戦のチケットはそれほど売れ行きは良くありません。
なので、そういうところも見誤ると大量にダブらせることになってしまうのでチケットというのは恐ろしいのです(笑)
結弦くんが出る試合はこれからも入手困難でしょうが、海外の試合も絶対に出るとは限りません。
チケットは常に博打です。
それでも、少しずつ法外な値
で売られるチケットが減ってきているようにも思いますし、オリンピックに向けてそうあって欲しいと思います。
そして、なによりも
◆定価以上のチケットを買わない。
◆信用の無い相手に振り込みをしない。
◆ツイッターを介する場合は過去の記事などを読んで、信頼できるかどうかを確認する。
等々の自衛をして欲しいと思います。
フィギュアのチケットで、儲けたお金が反社勢力に渡ることが無いよう、お金をだまし取られることが無いよう、今後もまっとうな売り方でチケットが売られればいいなと切に思います。
興行主の利益は「定価」の中にあるのであって、転売で高くなった部分は全て反社に渡るのだと、そう考えて常に定価以下での転売を心がけていただきたいと思います。
以上