ウェブエンジニアでもできる子犬

そんなわけで我が家の新人犬

アーシー（仮名）は盲導犬候補生。

彼女の『パピー・ウォーカー

（親元から離れた子犬を家庭に受け入れ

約１年間人間生活に慣れさせる役）』に

なるにあたり先方から強く言われたのは

「週に５回、をさせること」と

「様々な人、特に子供に犬を触れあわせること」。

歩行訓練はともかく『人とのふれあい』って

それはひきこもりを自認する私が

一番苦手とするナニなんですが・・・

と尻込みが許される状況ではないのでございます。

「お友達で子持ちの方、いらっしゃいます？」

「それはいらっしゃいますけど、どうでしょう、

『犬に見せたいから子供を貸してよ』とか

そういうのって口にして

社会的に許されるものですかね？」

「大きな声じゃ言えませんけどね、子犬、

それも将来盲導犬になる予定の子犬には

世間は非常に好意的です。許されます、

いえ、むしろ向こうから犬に子供を

会わせたがるくらいの事態になるでしょう」

またそんな楽観的な、と思っていたら

あれは経験から来た発言であった様子。

いや、子供は子犬が好きですね。

そしてお子様をお持ちのご両親様は

『我が子が子犬と触れ合うこと』を

隣で見ていることがお好きですね。

ところで私は自分が子供の時、

躾が中途半端な犬がこっちの手を噛んできて、

そしてそれに対して飼い主が薄笑いを浮かべながら

「大丈夫、うちの子は本気では噛まないから」

とか言ってくるのが嫌だったのでございます。

本気だろうが冗談だろうが飼い主は

犬が『人間の手を噛まない』ように躾けるべき。

でもね！

子犬はまだそこらへん本当に駄目なのよ！

兄弟犬と暮らしていた時の名残なんでしょうけど

相手の手とか足とか尻尾とかを口で咥えることで

親愛の情を示そうとしちゃうというか！

そんなわけで現在の私の対応策としては

『言葉が通じない年頃』のお子様が相手の時は

犬の首から上をしっかりと私が抱える形を取ってから

相手のお子様に近づいてもらうか、言葉での

説明が可能な年頃のお子様を相手とする際は

「この子が君の腕をすぽっと突然

口に入れても驚かないでくれたまえ。

ちょっと口でもぐもぐするだけだから、

気が済んだらすぐに吐き出してくれるから。

本当に少しだけ君の腕の硬さと味を

唇と歯と舌で楽しもうとするだけだから」

私はひどい飼い主でしょうか。

しかし子供も８歳以上くらいになると

見ていて感心するほど上手に犬と遊んでくれるもので、

逆に５歳くらいの子はいくら言っても無意識に

『子犬を挑発する』行動を繰り返してしまって

（例：甲高い叫び声をあげる、勢いよく手を振る、

犬に背中を見せて逃げようとする）

（子犬にとってこれらはすべて『さあ遊ぼう、

私を追いかけてご覧、噛んでご覧』の誘い）

（しかし人間の子ども側にしててみたら何故

突然犬が飛びかかって来るのかわからない）

・・・ああ、私も小さい頃は犬相手に

こういうことをしてしまっていたなあ・・・

もちろん年齢にかかわらず

犬との付き合い方がとても上手な子もいれば

（たいてい自分の家にも犬がいたりする）

犬はちょっと怖くて触りたくない、という子もいて

（親が『ほら！触らせてもらいなさい！』と

興奮しても『ごめんなさい、私はいいです』と

これはこれでクールで可愛い）、

そうですね、今までで一番印象的だったのは

わが友人夫妻（ケニア出身）のところの

１歳半の女の子ですね。

我が家のアーシーは彼女にとって

生まれて初めて間近に見る犬、だったそうで

犬の背中を一撫でするだけで

１歳半児の世界では大冒険だったのか、

その後ずっと『１歳半言語』で

興奮気味に何かを語り続け

（『ちゃるあぶー、ふるひー、くるぷー』とか

意味をなさない言葉を

機関銃のようにまくしたてていた）

（ご両親が聞いても意味はわからないらしい）

「非常に熱心に何かを語ってくれていることは

わかるんだけどその意味が理解できないのは悲しいな。

この子、もうこっちの口にすることは

理解できるんだよね？それじゃあ、うーむ、

ヘイ、１歳半ちゃん、それで犬はどうだったの？」

私の言葉を聞いた１歳半児は

そこで弾かれたようにぴたっと口をつぐむと

少し思案してから突然舌をベロリと出し

「ハッハッハッハッ！」と

大きく息をして見せてくれました。

「えっ、何？それは何？」

まさかうちの犬をちょっと触っただけで

狂犬病か何かに罹患？と

縁起でもないことを思いついた私の横で

彼女の母であるわが友人が

「これ、今の質問への答えよ！アナタ、

『犬はどう？（How is the dog?）』って

聞いたでしょ？これがうちの子の答えなのよ！」

ああ、なるほど！

・・・なるほど！

我々大人が大人の目線で犬を眺めると

最初に目に入るのはその尻尾ですとか

背中の流線形ですとか上目遣いになる

つぶらな瞳ですとかになるわけですが、

ようやく歩きはじめた幼児の視界では

きっと正面に犬の口が来る形になり

そしてたぶん犬のあの赤い舌が

べろりと外に出て呼吸と一緒に動く図は

相当に印象的なのかと！

それにしても舌を出してハアハアしてくれた

１歳半の女の子はとても楽しそうで、

ああ、この子、犬を好きになってくれたんだな、と

嬉しくなった私はつい自分も

彼女に合わせて舌を出して

「ハッハッハッハッ！」

・・・待てよ、１歳半がこういうことをしたら

それは『カワイイ』一択であるけれども

４０を過ぎた女がこんなことをしていたら

それは一�
��間違えると怪奇映画の一場面？と

私が冷静に我が身を振り返ったその時、

気が付くと私の隣でわが夫が、

そして斜め前でわが友が同じく舌を出して

『犬の呼吸の真似』をしていて、

もちろん１歳半児と犬も同じことをしていて、

あれはまあ見ようによれば

微笑ましい風景ではあったような・・・

何も知らない人が通りすがりに

目撃しちゃったら

通報を考えるかもしれないんですけど・・・

周囲の皆様のご理解とご協力により、

我が家の犬は『人との触れあい、

特に子供と』を実践できております。

本当にありがたいことでございます。

アーシーが盲導犬候補生であることを

明らかにしてからコメント欄に

様々なご意見をいただいております

ブログに対し反応を頂けるのはとても嬉しい私です

『盲導犬』という存在自体を

否定的にとらえる方が

世間にいらっしゃることは私も存じております

「あれは悪の組織による

洗練された犬の虐待でしょ？」みたいな

これは突き詰めていくと

「人と犬の正しい関わり方とは何か」

みたいな問題にもなっていくと思います、

私もいつかブログ上でこの件については

真面目に書いてみたいと考えています

ともあれ『盲導犬育成の是非』については

パピーウォーカーとして手を挙げる前に

私も私で悩んでおりまして、ただ私の場合は

こちらの盲導犬協会の関係者の方々と話をするうちに

新たな側面から状況を見られるようになったというか

そこらへんのことは今後この犬の話を

ブログに書く流れでちゃんと述べたい所存です

ただそうは言っても一部の方は

「お前の言い分など待っていられるか」と

コメント欄でどうしても！今！一言述べたい！という

お気持ちになってしまわれることもあるでしょう

それはもう仕方ない、一言残していってくださいませ

ただその前に、このブログのコメント欄は

私、Norizoだけでなく、他の多くの人も読めるのだ、

読んでいるのだ、ということをお忘れなく

やっぱりね、物は言いようだと思うんですよ

「Norizoのやっていることが気に入らないから

とにかくあいつの気持ちが

滅入るようなことを書いてやろう」という

確固たる意志をもってそうなさるならともかく、

自分なりの信念があるにもかかわらず

「とにかくお前が気に入らない」の衝動が

出過ぎてしまっていると、読み手に

せっかくのお考えが伝わらないですよ

それはもったいないじゃありませんか

（こういうところにもにじみ出るわが吝嗇精神）

なおこんなことを書いておきながら

１年後に突如として私が

「なんと盲導犬協会は悪の組織であった」

と目覚めてしまう可能性もゼロではないわけで

その時はこのブログは

『動物愛護の倫理を問う

法廷闘争ブログ』になることでしょう

（何をする気なのだこの人は）

それにしても今日の記事は

長文の上にも長文でしたね

最後までお読みくださり

本当にありがとうございました

私は盲導犬に肯定的ですよ、なあなたも

盲導犬とかどーでもいいんだ、とにかく

犬は可愛いものなんだよ！なあなたも

盲導犬だけは・・・認められない

（の口調で）なあなたも

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