男はだまってリーガル。
リーガル 色は、ココロを動かすチカラ
あけましておめでとうございます。新年一発目の更新ですが、短答対策についても記事にしてくれというリクエストがありましたので、お答えさせていただきます。
1. 肢別問題集を使うか否か
まず、司法試験受験界の一大論点として、肢別問題集を使うか否かというのがあります。これに対する私の答えとしては「点数が取れるなら何でも良い」(そんなことを議論すること自体がくだらない)というので固まっているのですが、それではお答えになっていないと思うので、私がどうしていたかをお答えします。
私は、肢別問題集は使っておらず、主に体系別の過去問集を使っていました。理由としては、必ずしも全ての肢を知識で解く必要はないし、そうすべきでもないと考えたからです。
すなわち、短答式試験では、消去法等の様々なテクニックを用いることによって、全ての肢を検討しなくても答えが出せることがあります。このような場合、私は、試験委員から「検討しなかった肢は合格のためには必ずしも必要な知識じゃないから大丈夫だよ。」というメッセージが送られているものと考えました。それが本当に正しいかどうかはさておき、短答式試験に無限の時間をかけるわけにもいかない以上、どこかで割り切らなければならないので、とりあえずそう考えておくことにしました。
※このことは、特に予備試験受験生に向けて強調しておきたいと思います。私の頃は司法試験でも7科目の短答式試験がありましたが、ロースクールの2年間を使ってじっくり検討できるので、多少時間に余裕がありました(3科目になった現在の司法試験受験生も多少余裕があるかもしれません)。しかし、予備試験受験生は1年しか時間がありませんし、7科目に加え、実務基礎(や一般教養)という司法試験にはない(しかもまあまあ重い)科目も勉強しなければなりません。その意味で、最も時間的余裕がないのが予備試験受験生ですから、どこかで割り切ることは極めて重要です。
また、短答式試験の問題は無限に作り出せますので(例えば、条文問題なら条文の数だけ問題が作れますし、これに学説問題、判例問題を追加したら…)、全てを知識で解くことなど到底現実的ではありません。
そのため、私は受験生の頃から「なんとなく(勘)の精度を上げろ」と言っていました。感覚値でいうと、知識だけで解ける問題が4割、手も足も出ない問題が2割で、残りの4割は「選択肢2つまでは絞れたんだけど…」的な問題です。この残りの4割を解くために重要なのが「勘」です。
「勘」といっても、本当に当てずっぽうの勘ではなく、これまで勉強してきた条文・判例・学説の基本的知識に基づいた(いわばリーガルマインドに基づく)「勘」です。「こういう条文があったとしたら合理的だから正しそうだな」とか「判例はこんなこと言わないだろうから誤りかな」とか、そういった感覚です。そして、この感覚を磨くには、残った肢同士を比較検討してトライ&エラーを重ねるしかありません。
しかし、肢別問題集を使うと、上記のいずれもができなくなってしまいます、そのため、私は肢別問題集は使っていませんでした。
2. 短答式試験の勉強法
私がやっていた短答式試験の勉強法としては、次のようなものになります。
①体系別の問題集を解く
②間違えた問題・肢にチェックを入れる
③間違えた問題・肢に関する択一六法(私は完全整理択一六法を使っていましたが、何でも良いと思います)の該当箇所をフリクション等の消えるマーカーでマークしておく(記載がなかったら書き足しておく)
④少し時間をおいて、上記①〜③をもう1周
⑤また時間をおいて、二度連続で正解した問題以外の問題を解く
⑥その問題が解けたら択一六法のマーク箇所を消す、間違えたらそのまま
⑦上記⑤⑥をある程度繰り返したら、今度は年度別に全ての問題を解く(法務省のサイトから問題冊子をDLすれば無料です)
⑧間違えた問題について、上記②〜⑥と同じことをする
これをやると、択一六法に最後まで間違えた部分(弱点)のみマークされているという状態になりますので、本試験直前にそこだけ見直せば足りるという算段です。
3. 短答式試験のテクニック
これについては、工藤講師が以前まとめた素晴らしい記事があるので、ご覧ください。
以上、何かの参考になれば幸いです。