リーガルに気をつけるべき三つの理由

靴磨きスカイプで夜中の４時頃(もう朝か)まで話すのが日課となってしまいました。。
片やプロ、片や靴磨き歴30年以上の素人、そんな人達と会話をしていれば、そりゃあ腕は上がります。
しかし朝が辛くて辛くて…(^_^;)

汚れ落としの方法、サフィールノワールクレム1925の使い方、ワックスの塗り方、エタノール水、脱脂綿  という靴磨きの基本から応用まで教えて頂いた上に、目指す「鏡」の構造や光の屈折等の理屈的な事まで聞けたので、どう光らせれば良いのかと、私なりにやってみました。
皆で技を包み隠さず披露し合うというコンセプトでやっているので、平和的です。

例えば、磨いていてこんな仕上がりになってしまう人、少なからずいますよね？

このリーガルの艶で満足いかないのなら、私が巨匠達に聞いた技を聞く(読む)だけ聞いて(読んで)下さい！

汚い図と、その時の革を載せながら説明していきます。

①まず、何もしていない革はあまり光りませんよね。あれは革の凹凸が埋まっていない為に起こる現象です。

革の凹凸に光が反射するのですが、平面で無い為、光が分散してしまう訳です。

分散していますよね。

②で、私達 輝きを追い求める男達がやりたいのはワックスをなるべく薄く、平らにする事です。

こんな感じで平らに埋めていけば光は分散せずに目に届いてくれます。
一層は難しくとも、三、四層でいけるみたいですね。

こちらはジョージクレバリーのアデレード。ワックスを平らにすれば輪郭もクッキリと映りますからね。
500円玉に「平成二十二年」という文字があるのが分かります。

③しかし、こちらをご覧下さい。

そんなに厚塗りはしていませんが、デコボコしていますよね。

革の凹凸よりは平らになった物の、結局はデコボコしているという状態です。

分散しますよね。
ただ、これならもう少し塗って、ちょっと力を入れて塗るか、逆に優しく塗るかで埋まってくれたりします。同じ力で磨いても、デコボコの層を重ねるだけになってしまいますからね。

④ただ、厚塗りをすれば良い訳ではありません。
いくら平らな層で仕上げても、中間層等がデコボコしていたら光は分散しますし、厚く塗ると曇るか安っぽく見えるかのどちらかですので、オススメはしません。

革が見えない程度に透き通った艶を出すには、最低限の層と、重ね塗りを極力減らす事ですね。

先程のリーガルは、曇っている上にデコボコしてしまっているので、③と④を直す必要があります。

⑤それらを直せたらもうピッカピカです！

例えワックスが透けても、どの層も平らなので美しく見えるという訳ですよ！

先程の500円玉ジョージクレバリーです。
靴自体が丸いので鏡みたいに真っ直ぐは映りません。しかし小さな文字等も読める様にはなります。

ついでに、まだ少し凹凸がある様なクロケット&ジョーンズに500円玉を映すとこうなります。

少しボヤけて、歪んでいますよね。
もっと平らにしなければなりません。

ちなみにニュートラルで磨くと、色が無いので光はワックスの層を貫き、結局は革にぶつかって跳ね返って来ます。

やはり色付きワックスの方が良い訳です。
それに、ニュートラルは有機溶剤が多いらしく、下手すれば積み上げた層も簡単に剥がれてしまうのでグラデーションの時に使ったりするみたいです。

全部の靴に使えるからニュートラルでいいや、という考えは私もしていましたが、逆にワックスの良さを味わえないという部分があるみたいですね。

黒靴に黒ワックスを塗れば奥深い底光りした艶が生まれます。
でも中には透き通った清々しい艶が欲しいという方もいるでしょう。
そういう時こそ青ワックスです！
あれなら黒靴でも茶靴でも格好良く仕上がりますよ！

図は自作ですが、スカイプで教えて貰った事を書いただけです。
もちろん教授はです。
いつもありがとうございます！

もちろん、私も三年程靴を磨いて来たので知っている裏ワザ的な事もありますが、知らない事も沢山です。いや～、そりゃあ長電話になる筈ですよ。

靴磨きなんて職人技で感覚だけだ、
と思っていましたが、ピカピカ靴磨きさんは理屈が大好きなのでそれを聞いている内に「理屈靴磨き」という物の大切さに気付きました。

私は今まで「技」と「イメージ」でやっていましたが、「理屈」も加えた事によって艶が格段に増しました！

いくらキャベツの千切りと言えど、ブログに
「次は鏡面磨きです！キャベツの千切りみたいに感覚だけで磨いたので説明出来ません！でも光りました！皆さんも頑張って下さい！」
だけでは書けないので、色々と考えていた所でした。

みなさんも是非意識してみて下さい！
艶が格段にアップされる筈です！

それでは！