OH型テレビ リーガル
私がまだ靴に詳しくなかった(既に好きでしたが)頃に新品で買った靴で、サイズはブカブカ、革はキップガラス、形だけのグッドイヤーウェルト、ゴム底、布ライニングという、今なら絶対に手を出さない物です。
デザインもアメリカンなので、中古で1万円のコードバンでもなければ絶対に買わないでしょう。
買ったのはリーガルの直営店でも無く、百貨店でもありません。
ではどこか?
庶民の味方である「シュープラザ」です。。
私にとってあそこは、駄目店員の巣窟であり、靴の敵だとも感じているシュープラザ(チヨダ系)です。
何の知識も無いのにただ薦めるだけで、カスですよ。全く。
そこで購入したリーガル 2589Nはサイズ26cm。私のリーガルサイズは24.5cmですからね。
バイトの若者がミスっているなら分かりますが、爺さんに合わせて貰ってここまでのオーバーじゃ最悪ですよ。
まぁ、私が26cmを持ってこいと言ったのには変わりありませんけどね、でも的確なサイズを言って欲しかったですよ。
そんな何年も前の話をしてイラッと来ているのは、庶民に間違った知識を与え続ける奴等への怒りです。そして私もその被害者ですからね。
最近じゃあ酷い上から目線でどう冷やかしてやるかを考えちゃう位です。
で、そのリーガルですが、勿体無いですよね。27000円でした。当時は最高級靴でしたよ。それが今じゃ全然履かずにずーっと下駄箱ですよ。そりゃあサイズオーバーですものね。
しかし、最近ジョージクレバリーとエドワードグリーンを買ったので、整理をしようと思って色々と取り出していました。
そこでそのリーガルを試着(自分のなのに試着感覚)してみる事に。。
もちろん履きにくさに変わりはありません。
ふと、近くにたまたまあったチャーチを見て思いました。
「チャーチのインソールを入れてみよう!」と。
チャーチも少し大きいので、革のインソールを自作して入れています。それをリーガルに。
すると、意外と履き心地が良いのですよ!
そのインソール自体、育てましたから自分の足に合っているんですよ。
しかし、チャーチの方が小さいのでインソールは合いませんでした。これはリーガルに合わせたインソールを作るべきでは!?と考えた私は、また革を買う事にしました。
え?いい加減諦めろって?いやいや、27000円も出しているのですから。27000円は決して安くはありませんからね。
…ここで疑問が生じるかもしれません。
なぜ元々インソールを入れなかったのかと。
そうなんです。
私はインソールが嫌いです。特に市販のは。
そこまでのサイズオーバーなら、革インソールは売っていない筈ですから、自動的に変な分厚い布のインソールとなります。
それ格好良いですか?私はあれが大嫌いです。
それに足の形になりませんから、履きにくいままです。
革インソールは足の形になりますが、薄いので出来ない。結果、しまいこんでいた訳です。
でも革の達人(?)に出会って「革のインソールを自作すれば履きやすくなる」という言葉を聞き、私は変わりました。
分厚い革を切って靴に入れて履けば、すぐに足の形になるのです。
チャーチでやったら出来ましたので、立証済みですよ。
ですからこのリーガル 2589Nにも復活させようという試みが生まれた訳です。
しかし革を買うのにはまだ時間があったので(夜でしたから)、まずは磨く事に。
この靴の気に入らない所、それは革質でした。
ガラスレザーですからね。革独特の質感は出ません。
それと庶民のウケを狙う謳い文句みたいなやつ、「ガラスレザーは汚れに強いので、お手入れ楽チン!」とかが大嫌いです。
だって拭くだけじゃ艶は出ませんし、かと言ってクリームを塗っても変になるという、余計に難しい革なんですもの。
私は鏡面磨き大好きなので、そのリーガルにもやろうと思いました。
でも無理でしたよ。
ご覧の通り、爪先の革が粗いのです。
これじゃ鏡面は出来ませんよ。
アザラシの革に鏡面をしようったって無理な話ですからね。
牛革ガラスキップでなぜこんなにデコボコなのか問いただしたい位ですよ。
サイドはどうにかツルツルしていたので出来ますが、肝心の爪先を光らせられなきゃどうにもこうにもなりません。
それも履かなくなった理由の一つです。
しかし、最近になってようやく靴磨きの腕も上がったので、出来るかどうか挑戦してみようかと思います。
どうやらリーガルのこのタイプは爪先が全体的にこんな感じみたいなので、気に入らない方は一度試してみて下さい!
写真だと分かりづらいのですがね。かなりデコボコしています。
分かります?これ、普通の革なら柔らかくなって毛穴が埋まる事もありますが、ガラスレザーはガッチガチなのでそんな事にはなりません。自力で埋めるしかないのです。
なにが「拭くだけで簡単に光る」だって話ですよ。むしろ普通の革の方が簡単です。
私には多少の艶では物足りないので、是非とも光りやすいガラスレザーにして頂きたいですね。
とりあえず腕試しという事で、始めましょう。
何となく皺にデリケートクリームを塗り、全体にはより透明感を出す為に軽い汚れ落としをし、より透明感を出す為に無色のアーティストパレット等で磨いていきます。ただ無色のクリームで磨くだけですから、ここまでは問題ありませんね。
そして爪先、ワックスじゃ無理です。ブートブラックのハイシャインベースを指で塗ります。
多く取りすぎると剥がれてしまうので、少量を優しく塗ります。
ずーーっとテコテコしていると、曇りが減ってきます。とは言えピカピカになる訳でもなく、ただ元通りになるだけです。
少し白くなった気もしますね。
そうしたらサッサカとストッキング等で磨き、スベスベになったらまた指で塗っての繰り返しです。時にアーティストパレットを使うのも良いかもしれません。
いい加減飽きると思います。私もさすがに嫌になりました。だって、普通の革なら片足二時間も下地を作れば逆に曇ってしまうくらいの物ですもの。
鏡面磨きも厚塗りのしすぎは良くありませんからね。いかに薄く仕上げられるかによります。と言って
下地はしっかりと作らなければなりませんけどね。最小限の厚さに抑えましょう。
それで、飽きたら別の下地作りの方法をやるのも良いかと思います。
山羊ブラシにハイシャインベースでもアーティストパレットでも良いので付けて、爪先にずーっとブラッシングを施します。これまた曇りが減ってきますので、ストッキングで拭いてまたクリームを付けてブラッシングするという作業を繰り返す訳です。
ちょっとした気分転換になりますよ。。
この程度の事が…。。。
片足二時間も下地作りをやると、こんなになります。
固まったスエードみたいになりましたね。。さっきとは違う感じです。
ここまで来たら、ハイシャインクロスに水を付けて、ハイシャインベース→アーティストパレット→ハイシャインクリーム(コートでも良い)の順番で磨いていきます。
まずはハイシャインベースで穴埋めですが、少し力を入れながら磨かないと埋まりません。しかしハイシャインベースじゃ特に変わらないので、早めにアーティストパレットに移っても良いです。
アーティストパレットはかなり光ってくれますので、鏡面になるまでやります。
これも力を入れて磨いて下さい。
最後にハイシャインクリームやらコートで仕上げです。力は入れなくて良いです。スカッスカッと包丁を研ぐようなイメージでやさしく素早く、磨いていきます。
と、靴磨きの本に書いてありました。
靴磨きに困ったらあの方法を使うと良いですが、困らなかったら独自の方法で構いません。
力を入れた理由はこうです。
まずデコボコの革に下地を乗せたら、下地のクリームがデコボコにそのまま乗った。
これは普通ではありません。普通ならデコボコに下地作りをしたら、ボコ(凹)にクリームが入り込んで平らになっていく筈ですからね。
今回の革は、良く分かりませんが全く埋まらなかったのです。
でもですよ?二時間も下地作りをしたらさすがに革表面の凸凹ではなく、乗ったクリームのデコボコになっている筈です。という事は、デコ(凸)は崩れる事が出来、平らにする事も可能になるのですよ。
革の凸は崩せませんが、クリームの凸は崩せます。
ですからそれを崩す為に少し力を入れるという訳ですよ。
こんなに面倒臭い革は嫌ですね。
とにかく、5時間位で完成しましたよ。。
少し曇ってしまったのは仕方無いです。ちょっと下地作りをしすぎたのかもしれませんね。
暗いですね。明るい外で撮りました。
やはり爪先が曇っています。しかし、次に磨く時に少量の水とアーティストパレットをクロスに付け、少し力を入れてこの鏡面の層を少しだけ削り取る様な感じにしていけば、鋭い光りになると思います。
ちなみにコバは黒のアーティストパレットを塗って磨いただけです。
皺は違えど、安い革を高い革に見せる為に開発されたガラスレザーですから、コードバンっぽくなるのです。
私的には何かが違うんですよね。
コードバンはやはりもっと鋭い艶なのです。皺は当然違いますから、そこは無理ですが。
こうなるとオールデンのコードバンも素敵ですね。。
もしかしたら、次の靴はオールデンになるかもしれません。。
今回は非常にデコボコのガラスレザーを鏡面にするという無謀企画でした!
お陰で酷い革だったリーガル 2589Nの見た目もかなり良くはなりましたよ。
履き心地は良くても革が嫌というなら、磨いてみると変わるかもしれません。(エナメルやスエードは趣旨が違います)
でもこのリーガルは履き心地も最悪です。
見た目だけでは「リーガルを愛す政策」(?)もまだまだなので、次回はインソールを作る話をしていきたいと思います!
郵送靴磨きを承っております!
それではまた!!
愛と憎しみのリーガル



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なかなか見てる人とかハマる人周りにいなかったのでほんとに嬉しい☺️
自分を善人だと信じて疑わず、薄汚い野良犬が
どぶに落ちると一斉に集まって袋たたきにしてしまう。
そんな善良な市民たちだ。
(リーガルハイ 2期)