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カピバラのヒカルへのプロポーズは気が抜けるほどすんなりと受けられた。
嬉しいけれど、彼女は今までの記憶が無いのだ。
もし、記憶が戻った時に彼女が「そんなの知らない」と怒り出さないとは限らない。
だが、割りばし地蔵の言った「もらったものを大切にし続ける」ことが記憶を取り戻す手順だとしたら・・・。
僕はヒカルくんに絶対後悔させない。
薄いブランケットを掛ける。
電気を消した。
夢の世界の雲を突き抜けカピバラが飛んで行った先はヒカルの夢の中だった。
雲の上に乗っかったまま、夢の中のヒカルを見下ろす。
彼女はぼんやりとした黒い影と向き合っていた。
ずんぐりした黒い影はその風体から女性のようだった。
夢の中では相手の姿かたちはイメージでしかない。
「私、ちゃんと取材しました。頑張りました」
影がうなづく。
「でも・・・何も覚えていないんです。取材のことだって、彼からそうしていたと聞いたからそう話してるだけで記憶は無いのです」
影は朧げに形をあらわした。
「あれは・・・社長じゃないか」
ミチコ社長のような人影だがそこまでハッキリとは形になっていない。
ぼやーっとしている。
よく見ると場所も社長室に少し似ているかも。
きっと意識の一番奥底に微かに残っているのだろう。
「はい・・・約束したんですよね?」
ミチコらしき影に向かって話しかけるヒカル。
「約束?なんだろう?」
ヒカルも影もぐにゃぐにゃと形が崩れていく。
わずかに残る記憶の再生能力が限界になっていた。
やがて夢は終ってしまった。
翌朝丙三さんに昨夜のことを話した。
「そうですか。ヒカルが受けたのですね」
丙三と乙子が話し合って、アメリカにいると言う息子夫婦に電話連絡を取った。
2日後には日本に帰ってくると言う。
もちろんカピバラとヒカルは二人に婚約を認めてもらうため会うことにしたのだ。
まず娘のヒカルくんの記憶を奪ってしまうきっかけを作ったことを両親に正直に話して謝ろう。
待ち合わせに指定された干物町にあるという両親の勤めるアイスクリーム会社の日本支社。
そこに行くために荷物をまとめる。
「柏原さん、ヒカルを宜しくお願いします」丙三、乙子が頭を下げた。
「はい、また来ます。良い知らせを持って・・・」
荷物とガブリエール華を持って僕は田舎の家を後にした。
二人はヒカルが元々住んでいたマンションに戻る。
久々に戻った都会。
「私、こんな賑やかなところに住んでいたのですね?」
15階建てマンションは新しくはないが、都会の真ん中にあった。
「あはは。君の住んでいたマンションは繁華街に近いからね。便利だよね」
駅もショッピングモールも近い良い場所だと思う。
目の前に公園もあった。
「うちの両親ってアイスクリームの会社の重役なんですってね。おじい様が仰ってました」
おじい様・・・あはは。
「らしいね。日本でもフランチャイズ展開してる有名なお店の本店がアメリカにあるんだそうだ」
「その割に私の住まいって平凡ですね」
それは君が親に頼らなかったから、とは言わなかった。
明日顔を合わすご両親に先入観を持たせないために。
公園のベンチに腰掛ける。
遊具が濃い影を落とす。
余りの暑さに子供の姿は無い。
ベンチは木陰で時折吹く風が涼しい。
「暑いなぁ。あ・・・」
公園の入り口にはソフトクリームを売る自転車のおばさんがいた。
「ヒカルくん、ソフトクリーム食べようか?」
「え、あ、はい」
まだヒカルと呼ばれることに慣れていなのだ。
僕はソフトクリーム売りのおばさんに声を掛けた。
「あの・・・ソフトクリームを二つください」
「はいよ」
ん?どこかで聞いたことがあるような声だな。
「兄ちゃん、今日は暑いねぇ~」
「そうですね」
うん、この声・・・誰だっけか?
帽子を被っていて顔が良く見えないおばさん。
口がタラコ唇だ。
「お兄さん、デートかい?この暑いのにお熱いこと。羨ましいねぇ。サービスしておくよ」
クリームを掬うともう一山カップに乗せてくれて2段になった。
「ありがとう」
ソフトクリームを受け取る。
「彼女かい?」
「えへへ、婚約したんです」
「そうかい、そうかい。それはめでたいね、カピバラさんよぉ」
「へ?」
「にゃっはっは」
景色が歪んできた。
これは!
つづく
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2016年の年末、アメリカでレスキューして、一緒に日本まで連れて行った猫が亡くなりました。
レスキュー時すでに成猫だったので、10年以上連れ添って、彼女はかなりの高齢でした。
私がレスキューしてお世話していたのに、夫の方が大好きで、別名「第二夫人」と呼んでいました。
おそらくかなりの高齢で、大分動きも遅くなっていたので、そろそろお別れなのかな?と思っていたら、あっという間に具合が悪くなり、獣医に見せに行ったら、そのまま安楽死の流れとなりました。
これはちょうどカピバラが産まれる1か月ほど前のお話です。
予感はしていたので、若旦那も連れて、家族全員で獣医のオフィスに行きました。
お別れをした後、火葬・埋葬もしてくれるオフィスだったので、亡骸は置いて行きましたが、若旦那が「連れて帰りたい」と泣きました。
私は飼い猫が亡くなる/いなくなるのは2回目ですが、いづれも人生の大きな転機の時でした。
一匹目はあやうく結婚までしそうになった当時のボーイフレンドと共同で飼っていましたが、彼と別れを決意した時、さて猫をどうするか、最愛の猫だから連れて行きたいがどうしよう…?と悩んでいた時に、フイといなくなってしまいました。
私にとても懐いており、近所の人から「忠犬」と異名を取るほど、私にべったりだったのに。
私は半狂乱になって、チラシを作って近所のドアを一軒一軒叩いてまわり、山に分け入り排水溝を覗き、ありとあらゆる手を尽くしましたが、結局見つかりませんでした。
二匹目は先ほど申し上げた通り、第二子が産まれる少し前。
猫は自分の引き際を心得ているのでしょうか?
二匹とも本当に美しい猫でした。
先日片付けをしていたら、昔ブラジルで買ったチョコレートの箱が出てきました。
猫の舌と言う名前の、薄くて美味しいチョコレート。
第二夫人にそっくりな猫のイラストが描いてあり、ずっと捨てるに捨てられなかったものです。
今日は箱を解体して、栞に作り直しました。
私は思い出のチケットやパンフレットなど、パンチで穴を開けて、綺麗なリボンを通して、なんでもブックマークにしてしまいます。
しまいこむより良いんじゃないかな?と思っています。
三つ作ったら、若旦那がパッとひとつ持って行きました。
“Mommy, it’s really nice.
I really like it.
It’s really nice.”
何度も何度も言いました。
カピバラ 関連ツイート
水族館にカピバラ…??
疲れ果てました。(笑)
人のTwitterでいらんことしてるし(笑)
カピバラに似てない😑😑 https://t.co/P1KzSAWByI