恋人 つもりにならない!

恋人 つもりにならない!

もう恋人で失敗しない!!

※この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等は実在のものと一切関係ありません。

毎年、毎年新人が送り込まれてきて、

警察も迷惑なんじゃなかろうか(汗

本格サツ回りはこちら。

Amazon

昭和30年代の記者の思い出話ですが、

取調室まで入り込めるって

すごい時代だな…

でもそれより驚きなのは「ある有名女子大でのアンケート調査で、『理想の恋人』のトップに新聞記者が挙げられたのもそのころである。社会部長のデスクの抽出には、方々から頼まれたお見合い用の写真が、申し分のない家族背景を記したメモと一緒に束となっていた」…マジかよ! 今や全国紙を全部合わせても新人記者は年に300人?くらいだろうに、年に8000人は大学を卒業する医者より圧倒的にモテないのは確実だ! レアなのに(笑

*インスタグラムやってます*

恋人で賢くお買物

何も無い一日だったり
面倒な事を押し付けられた日だったり
仕事で自分自身の描きたいものでは無いものを描いている時だったりは、時間の流れがとてつもなく長く遅い
それを思えば先輩と離れるまでの時間で
色々な聞きたい事、知りたい事、お互いの事を話せる筈なのに、全く時間が無くて驚くし少し焦ってしまう
「…先輩、あの…」
「チャンミナ、声が枯れてる」
「…っ言わないでください
自分で分かってますから」
ベッドのなか、何も身に付けないまま先輩と寄り添う
朝、この先輩の家にやって来て一度抱き合ったのに、
更に午後を過ぎて二回も
それでもお互いに求める気持ちが収まらなくて
触れ合ったけれど、さすがに短時間で三回、は
お互い三十路にもなって無理だったからキスをしたり、
触れ合って息を整えて体力を回復させた
「今更かも、なので
何だか聞くのも恥ずかしいんですが…」
「何?チャンミナに知りたいって思ってもられるのは嬉しいよ」
先輩の右腕を枕にして並んで横たわる
その右手は僕の胸辺りを彷徨っていて、
たまに敏感なところを掠める
「…っ…その…
仕事は今何を…?
写真だとは噂で聞いていますが、具体的に知りたくて」
そう、僕は『今』の先輩の事をまだ何も知らない
昔よりも自然体になった事や
僕に対して甘えてくれるようになった事
本当は東京にいる事を息苦しいと思っていた事
それらは少し分かったけれど、
日常の先輩を何も知らないんだ
「あはは、確かにそうだな
先に告白したりまた付き合おうだとか…
今みたいに裸を見たり…
少し不誠実だったかな?」
「…そんな事無いです
僕も欲しかったし、好きで止まらなかったから」
昔よりも厚くなった胸板に顔を埋めた
ついさっきまで汗ばんでいたのに
今はもう汗も引いていて、
それを少し残念だと思ってしまった
「雑誌と契約して写真を提供してるよ」
「専属のフォトグラファーという事ですか?」
「専属じゃないけどね
フリーランスで色々受けてるよ」
そう言うと、先輩は「ちょっと待ってて」
と告げてゆっくり右腕を僕の首の下から引き抜いた
少し寂しいけれど、そんな事言うのも顔に出すのも恥ずかしいから何でも無い振りをしていた
でも、先輩はくすりと笑ってこめかみにキスをした
「せっかくだからチャンミナにも見て欲しい」
裸のまま何も気にする事無く立ち上がる
ベッドサイドの本棚から雑誌を何冊か取り出して
直ぐにベッドのなかに戻って来てくれた
「これ、隔月で連載してるんだ」
それは僕でも知っている自然科学系の雑誌だった
なかなか手に取って読む事は無いけれど、
名前を聞けばきっと知っているひとは多いだろう
先輩は座って、嬉しそうに雑誌を捲る
僕も起き上がって雑誌を覗き込もうとしたんだけれど…
「…っ…あ…」
「痛い?大丈夫?」
「…大丈夫、です」
先輩を受け入れた場所
痛みもやはりまだ有るけれど…
そうでは無くて、少しだけ先輩のモノが残っていて
体勢を変えたらつう、と流れたのが分かって身体が震えた
心配そうに僕を覗き込むから大丈夫、と笑った
「連載なんて凄いです
この雑誌、書店で見た事は有りますが
読んだ事は無くて…
これからは定期購読します」
「本当に?ありがとう
チャンミナの興味を引く記事が有るかは分からないけど、なかなか興味深い特集も多いんだ」
先輩は自身が興味のあるページを開いては
僕にそれを見せてくれる
都会で忙しなくしていると全てがいつも流れ作業のようで、それは当たり前の事で嫌だとも思っていなかったし、東京には何だって有ると思っていた
だけど、先輩が見せてくれる雑誌のなかには
宇宙の事だったり世界中の動植物や社会情勢まで
何気無くニュースを見ていても気付かないような事が書いてあって、興味を引かれた
「…可愛い」
先輩に雑誌を手渡されてぱらぱらと捲っていたら
そこには鹿の写真が載っていた
どうやらそれは先輩の写真では無いし、
スコットランドだと書いてある
「そう言えば、チャンミナは大学でバンビって呼ばれてたよな
目が大きくて、身長は有るのに小動物みたいで…」
「…そんな恥ずかしい事蒸し返さないでください
男がバンビなんて…」
「そう?今でもバンビのように可愛いし…
でも、今は可愛い、より綺麗になったかな」
褒められている事は嬉しいけれど恥ずかしくて
雑誌の記事を読んでいたら、
先輩の右手が伸びてページを捲る
「あっ読んでたのに…」
「ごめんごめん
俺の連載も見て欲しくて」
言われて思い出した
鹿も可愛いけれど、
それより先輩の写真と連載記事が見たいんだ
「見たいです、先輩の写真も記事も」
「本当に?鹿の方が良いんじゃないの?」
「そんな事無いです
だって、
どうして今までこの雑誌を見て来なかったんだろうって後悔してるんです」
ベッドの上で脚を伸ばして座る
肩と肩、先輩の右腕と僕の左腕がぴとり、とくっつく
先輩は少しだけ恥ずかしそうに笑って、
後ろの方のページを捲った
「これ、連載って言っても小さなコラムだけど」
そう言って指差したのは
一ページの半分を使ったコラムだった
「え、これ…」
驚いたのは、
先輩の顔が連載タイトルの横に載っている事
「どうした?」
「顔なんて載せてたら…
誘われたりとかファンレターとか…
先輩かっこいいから、きっと有りますよね?」
上目遣いに見つめたら少しだけ瞳を泳がせる
「可愛い女の子とか…
そうじゃなくても編集部の女性とか…」
「……」
「やっぱり…嫉妬します」
何も答えてくれないから勝手な想像ばかり膨らむ
僕を好きだと言ってくれる先輩に嘘は無い筈
だけど、きっと先輩を良いと思うひとはたくさんいる
それは大学時代だって同じで、だから僕はそんな先輩と恋人である事に劣等感を抱く事もあった
でも、今も昔と同じように自分に自信なんて無いけど、
諦めたり引いて後悔したくないし、
先輩を好きな事はやっぱり譲れない
「僕だって先輩を諦めないし…
誰かに渡したりしたくないです」
俯きながら言ったら、
頭に何かが触れた
掌かと思って顔を上げたらもう一度触れて、
それが唇だったと分かった
「あの頃も今も…見てくれで迫って来るひとはいるよ
でも、自分を出せるのはチャンミンの前だけだって分かった
だから心配する事なんてひとつも無いよ
それよりちゃんと中身も見て?」
「え…あ、すみません」
先輩の顔が載っている事で焦ってしまった
僕は目先の事しか見えていなくて視野が狭い
情けなくて溜息を吐いたら、
今度はぽん、と右手が僕の頭に乗せられた
「先輩?」
「好きなひとに独占欲を見せられるのは、
こんなに嬉しいんだな
大学の時、チャンミナはあまり何も言ってくれなかったから本当は少し寂しかった」
「…それは…我慢していて
迷惑を掛けたく無かったし」
そう言うと「そうか」と懐かしむように、
少し切なげに微笑む
僕はあの頃こどもで、先輩に対して恋愛感情だけでなく『敵わない』という思いもきっと大きかった
だから身を引いて別れを了承したし、
付き合っている時も我慢した思い出がある
それでも当時の僕は先輩を本当に好きで、
嘘を吐いた訳でも無い
でも…
「これからは、後悔しない為にちゃんと独占欲も出していきます
あの頃は我慢するのが正解だって思っていたから…」
「うん、お互いに思っている事はちゃんと伝え合おう」
先輩のコラムは北海道の自然を切り取った写真と、
それから先輩の自然に対する思いが文字として綴られている
それはとても優しく、優しいのに芯があって、
今の先輩を見てそのままだと感じた
「先輩はやっぱり凄いです
僕は…絵を描く事が好きでそれを運良く続けてこれていますが、まだ夢や目標は無くて…」
「今はチャンミナはどうしているの?
コンクールで入選していただろ?」
そう、先輩は僕の名前を
小さなコンクールのなかに見つけてくれていた
嬉しいけれど、それくらいしか無いんだ
「描きたいものを描いてはいます
でもなかなか収入にはならなくて…
今は知人の画廊で働きながら絵を勉強して描いています」
だから、明日はいつも通り画廊へ働きに行く
受付と雑務が主だから座っていられるし、
捻挫していても支障は無い
二歳の年の差はあるけれど、
それを差し引いても
先輩と僕の差はきっと縮まらないだろう
先輩が撮った北海道の美しい景色を指でなぞった
「チャンミナ」
「はい、先輩」
「ユノ、だろ」
呼び方を訂正されて思わず顔を上げたら、
優しく僕を見つめる先輩、いや、ユノ
「…ユノ、まだ慣れないです」
「美大を卒業して、
専門分野以外で働くひとも多いんだよ
チャンミナだって知ってるだろ?
そんななかで絵を描いていられる事は、
好きな事を続けていられるのは誇るべき事だ
自分を卑下しないで」
「……ありがとうございます」
比べると自分の小ささが恥ずかしい
だけど、先輩はこんな僕にも優しい
「俺だってまだまだ夢半ばなんだ
それに、ひとりで叶えられるか…
寂しいしどうしようかって悩んでるんだ
聞いてくれる?」
「夢、先輩の…んっ…」
聞こうとしたら、キスで唇を塞がれた
「ユノ、だろ」
「…ユノ……」
名前を呼ぶと、少しずつ先輩が近付いて来る気がする
夢の話を聞きたいけれど、一度触れたらまた触れたくなって、先輩を見あげたら困ったように笑う
「キスしてください…ユノ」

「…こんな時に名前を呼ぶなんて、
チャンミナも成長したな」
時間はやっぱりどれだけあっても足りない
それでも、僕達の距離は少しずつ縮まっている
そして、離れるまでの時間もそれに比例するように縮まっているんだ
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恋人をあわせてみると…

いつもお読みいただきまして

応援ありがとうございます。

いつも感謝しています。

ミュー・クリスタルです。 


私たちツインは、何でも2人で分け合って

食べています。
外食の時に違うものを注文した時にも、
シェアします。
相手にどのくらい食べたいか
何を食べたいか質問して、分け合います。
互いの口に運んで食べさせたりも
平気でします。
でも外でそんなことをしている恋人や夫婦を
あまり見る機会はありません。
ツインの友人に聞いたら、自然なことで
当たり前のように自分たちもやっていると
言っていました。
体は2つに分かれていても、
魂が1つだから、相手に与えることは、
自然な当たり前のことです。
ツインは、相手と自分の境界線が曖昧です。
相手が心地よかったら、
自分も心地よいのです。
相手が体調が悪かったら、
自分にも現れます。
相手の気持ちが落ち込んでいたら、
自分にも現れます。
心か体のどちらかに現れます。
相手が疲れていても忙しくしていたら、
代わりにずっと寝ています。
何だかわからないけれど、
自分は充分に寝ているのに
眠くて眠くて仕方ないので寝ます。
すると、相手は寝ていないのに、
活動が出来て以外に元気にしているのです。
エネルギーも共有しています。
互いに影響しあって生きています。
だから、互いに自分のメンテナンスを
充分にして、体も心も解して
ベストな状態で、できるだけいられるように
努力しています。
相手は自分の写し鏡です。
自分が思いやりがあり優しければ、
ツインの相手も思いやりがあり優しいのです。
自分が愛が深く大きければ、
ツインの相手も愛が深く大きいのです。
自分が頑固で、
人の言うことを聞き入れるのに、
時間がかかれば、
ツインの相手も頑固で、
人の言うことを聞き入れるのに
時間がかかります。
だからツイン・レイにまだ出逢っていない人も
もう出逢っている人も、
すばらしいツインの相手を求めるのなら
できるだけ自分自身を成長させましょう。
まだ出逢っていないツイン・レイであっても、
何処にいるのかさえわからなくても、
エネルギーは繋がっています。
意識も繋がっています。
それに気づいたら、相手の意識がわかります。
相手を夢で見るかも知れません。
しかし、夢に見たからとすぐに出逢うわけでは
ありません。

ミューは、ツイン君が生まれた時から
その存在を感じはじめ、
その存在を信じて、
絶対にいるのだと信じて、
34年間「運命の人」を探し続けました。
不思議と、日本にいることは
わかっていました。
そう感じていたので、他国で探そうとは
思いませんでした。
ミューが18歳の時から探しはじめて、
52歳で34歳のツインに出逢いました。
その間ミューは結婚して、子供を産み育てて
愛することを学び
夢を叶えるために無我夢中でしたが、
それでも、いつも探していました。
胸にぽっかりと穴が空いていて、
スースーして、
結婚して子供もできて、何不自由なく
暮らしていて、幸せなはずなのに、
いつも何かが足りなくて、
寂しいのです。
自分のなかが満たされないのです。
ツイン君に出逢い、
風穴はふさがり、
寂しさがなくなり、
心が愛で満たされるようになりました。
どんなに、時間がかかっても、
ツインに逢えるまであきらめないで、
ツインの相手を求めて下さい。
出逢いたいと、求めて下さい。
余りに長い期間の分離感に、
気持ちが抑えられなくなるかも知れませんが
自分を励まし続けて生きて下さい。
ツイン・レイに出逢う前が、
とても苦しい時期です。
真っ暗な闇の世界から、光の中に出て、
ある日突然ツイン・レイは
目の前に姿を現します。
ミュー♡

恋人特集!どんなのがあるかな?

仲人士 金井美枝子です。

例え自分の理想のタイプでなかったとしても
折角、お申込みしてくれたからと

お見合いしてみたら

「とても話の合う良い人だった。」で成婚。

今、恋人がいなくても半年後には成婚。

こんな事が日常茶飯事なのが

結婚相談所なのです。

出会いには出会いのバイオリズムがあります。

結婚するには

「ご縁、タイミング、勢い」の3拍子が揃った時、

あっという間に成婚できます。ラブラブ

だから最初、少し上手くいかなくても、

中々、出会えなくても

落ち込むことはありません。

だって

「まだご縁、タイミング、勢い」の

3つ揃ってないだけだから。アップアップ

日頃から、笑顔で素直に楽しく

お見合いしていれば

必ずその瞬間が訪れます。

それが結婚するコツです。

今の年齢はこの瞬間だけです。

男女とも年齢を重ねると

益々、婚活が難しくなっていきます。

婚活すること、出会うこと、

お相手に選んでもらえることが

絶望的に感じてしまうのです。

自分が選ぶお相手にさえ

選ばれない現実に直面して

婚活を、結婚を諦めざる負えなくなるのです。

以前は、子供は欲しいから、その内、

子供は無理でもせめてパートナーだけでも
その悩みや焦りは半端ないです。

そんなたくさんの婚活難民の方の

カウンセリングをして

「あ~もう少し早く気が付いて異性の

結婚相手のいる場所で活動してくれていたら

こんなに絶望的な思いはしなかったのに」と

痛切に感じています。

私は、あなたにだけは

そんな想いをして

欲しくありません。

婚活に行き詰ったら

    ↓

あなたは、10年後の自分を

想像できますか?

恋人って実はツンデレじゃね?

何も無い一日だったり
面倒な事を押し付けられた日だったり
仕事で自分自身の描きたいものでは無いものを描いている時だったりは、時間の流れがとてつもなく長く遅い
それを思えば先輩と離れるまでの時間で
色々な聞きたい事、知りたい事、お互いの事を話せる筈なのに、全く時間が無くて驚くし少し焦ってしまう
「…先輩、あの…」
「チャンミナ、声が枯れてる」
「…っ言わないでください
自分で分かってますから」
ベッドのなか、何も身に付けないまま先輩と寄り添う
朝、この先輩の家にやって来て一度抱き合ったのに、
更に午後を過ぎて二回も
それでもお互いに求める気持ちが収まらなくて
触れ合ったけれど、さすがに短時間で三回、は
お互い三十路にもなって無理だったからキスをしたり、
触れ合って息を整えて体力を回復させた
「今更かも、なので
何だか聞くのも恥ずかしいんですが…」
「何?チャンミナに知りたいって思ってもられるのは嬉しいよ」
先輩の右腕を枕にして並んで横たわる
その右手は僕の胸辺りを彷徨っていて、
たまに敏感なところを掠める
「…っ…その…
仕事は今何を…?
写真だとは噂で聞いていますが、具体的に知りたくて」
そう、僕は『今』の先輩の事をまだ何も知らない
昔よりも自然体になった事や
僕に対して甘えてくれるようになった事
本当は東京にいる事を息苦しいと思っていた事
それらは少し分かったけれど、
日常の先輩を何も知らないんだ
「あはは、確かにそうだな
先に告白したりまた付き合おうだとか…
今みたいに裸を見たり…
少し不誠実だったかな?」
「…そんな事無いです
僕も欲しかったし、好きで止まらなかったから」
昔よりも厚くなった胸板に顔を埋めた
ついさっきまで汗ばんでいたのに
今はもう汗も引いていて、
それを少し残念だと思ってしまった
「雑誌と契約して写真を提供してるよ」
「専属のフォトグラファーという事ですか?」
「専属じゃないけどね
フリーランスで色々受けてるよ」
そう言うと、先輩は「ちょっと待ってて」
と告げてゆっくり右腕を僕の首の下から引き抜いた
少し寂しいけれど、そんな事言うのも顔に出すのも恥ずかしいから何でも無い振りをしていた
でも、先輩はくすりと笑ってこめかみにキスをした
「せっかくだからチャンミナにも見て欲しい」
裸のまま何も気にする事無く立ち上がる
ベッドサイドの本棚から雑誌を何冊か取り出して
直ぐにベッドのなかに戻って来てくれた
「これ、隔月で連載してるんだ」
それは僕でも知っている自然科学系の雑誌だった
なかなか手に取って読む事は無いけれど、
名前を聞けばきっと知っているひとは多いだろう
先輩は座って、嬉しそうに雑誌を捲る
僕も起き上がって雑誌を覗き込もうとしたんだけれど…
「…っ…あ…」
「痛い?大丈夫?」
「…大丈夫、です」
先輩を受け入れた場所
痛みもやはりまだ有るけれど…
そうでは無くて、少しだけ先輩のモノが残っていて
体勢を変えたらつう、と流れたのが分かって身体が震えた
心配そうに僕を覗き込むから大丈夫、と笑った
「連載なんて凄いです
この雑誌、書店で見た事は有りますが
読んだ事は無くて…
これからは定期購読します」
「本当に?ありがとう
チャンミナの興味を引く記事が有るかは分からないけど、なかなか興味深い特集も多いんだ」
先輩は自身が興味のあるページを開いては
僕にそれを見せてくれる
都会で忙しなくしていると全てがいつも流れ作業のようで、それは当たり前の事で嫌だとも思っていなかったし、東京には何だって有ると思っていた
だけど、先輩が見せてくれる雑誌のなかには
宇宙の事だったり世界中の動植物や社会情勢まで
何気無くニュースを見ていても気付かないような事が書いてあって、興味を引かれた
「…可愛い」
先輩に雑誌を手渡されてぱらぱらと捲っていたら
そこには鹿の写真が載っていた
どうやらそれは先輩の写真では無いし、
スコットランドだと書いてある
「そう言えば、チャンミナは大学でバンビって呼ばれてたよな
目が大きくて、身長は有るのに小動物みたいで…」
「…そんな恥ずかしい事蒸し返さないでください
男がバンビなんて…」
「そう?今でもバンビのように可愛いし…
でも、今は可愛い、より綺麗になったかな」
褒められている事は嬉しいけれど恥ずかしくて
雑誌の記事を読んでいたら、
先輩の右手が伸びてページを捲る
「あっ読んでたのに…」
「ごめんごめん
俺の連載も見て欲しくて」
言われて思い出した
鹿も可愛いけれど、
それより先輩の写真と連載記事が見たいんだ
「見たいです、先輩の写真も記事も」
「本当に?鹿の方が良いんじゃないの?」
「そんな事無いです
だって、
どうして今までこの雑誌を見て来なかったんだろうって後悔してるんです」
ベッドの上で脚を伸ばして座る
肩と肩、先輩の右腕と僕の左腕がぴとり、とくっつく
先輩は少しだけ恥ずかしそうに笑って、
後ろの方のページを捲った
「これ、連載って言っても小さなコラムだけど」
そう言って指差したのは
一ページの半分を使ったコラムだった
「え、これ…」
驚いたのは、
先輩の顔が連載タイトルの横に載っている事
「どうした?」
「顔なんて載せてたら…
誘われたりとかファンレターとか…
先輩かっこいいから、きっと有りますよね?」
上目遣いに見つめたら少しだけ瞳を泳がせる
「可愛い女の子とか…
そうじゃなくても編集部の女性とか…」
「……」
「やっぱり…嫉妬します」
何も答えてくれないから勝手な想像ばかり膨らむ
僕を好きだと言ってくれる先輩に嘘は無い筈
だけど、きっと先輩を良いと思うひとはたくさんいる
それは大学時代だって同じで、だから僕はそんな先輩と恋人である事に劣等感を抱く事もあった
でも、今も昔と同じように自分に自信なんて無いけど、
諦めたり引いて後悔したくないし、
先輩を好きな事はやっぱり譲れない
「僕だって先輩を諦めないし…
誰かに渡したりしたくないです」
俯きながら言ったら、
頭に何かが触れた
掌かと思って顔を上げたらもう一度触れて、
それが唇だったと分かった
「あの頃も今も…見てくれで迫って来るひとはいるよ
でも、自分を出せるのはチャンミンの前だけだって分かった
だから心配する事なんてひとつも無いよ
それよりちゃんと中身も見て?」
「え…あ、すみません」
先輩の顔が載っている事で焦ってしまった
僕は目先の事しか見えていなくて視野が狭い
情けなくて溜息を吐いたら、
今度はぽん、と右手が僕の頭に乗せられた
「先輩?」
「好きなひとに独占欲を見せられるのは、
こんなに嬉しいんだな
大学の時、チャンミナはあまり何も言ってくれなかったから本当は少し寂しかった」
「…それは…我慢していて
迷惑を掛けたく無かったし」
そう言うと「そうか」と懐かしむように、
少し切なげに微笑む
僕はあの頃こどもで、先輩に対して恋愛感情だけでなく『敵わない』という思いもきっと大きかった
だから身を引いて別れを了承したし、
付き合っている時も我慢した思い出がある
それでも当時の僕は先輩を本当に好きで、
嘘を吐いた訳でも無い
でも…
「これからは、後悔しない為にちゃんと独占欲も出していきます
あの頃は我慢するのが正解だって思っていたから…」
「うん、お互いに思っている事はちゃんと伝え合おう」
先輩のコラムは北海道の自然を切り取った写真と、
それから先輩の自然に対する思いが文字として綴られている
それはとても優しく、優しいのに芯があって、
今の先輩を見てそのままだと感じた
「先輩はやっぱり凄いです
僕は…絵を描く事が好きでそれを運良く続けてこれていますが、まだ夢や目標は無くて…」
「今はチャンミナはどうしているの?
コンクールで入選していただろ?」
そう、先輩は僕の名前を
小さなコンクールのなかに見つけてくれていた
嬉しいけれど、それくらいしか無いんだ
「描きたいものを描いてはいます
でもなかなか収入にはならなくて…
今は知人の画廊で働きながら絵を勉強して描いています」
だから、明日はいつも通り画廊へ働きに行く
受付と雑務が主だから座っていられるし、
捻挫していても支障は無い
二歳の年の差はあるけれど、
それを差し引いても
先輩と僕の差はきっと縮まらないだろう
先輩が撮った北海道の美しい景色を指でなぞった
「チャンミナ」
「はい、先輩」
「ユノ、だろ」
呼び方を訂正されて思わず顔を上げたら、
優しく僕を見つめる先輩、いや、ユノ
「…ユノ、まだ慣れないです」
「美大を卒業して、
専門分野以外で働くひとも多いんだよ
チャンミナだって知ってるだろ?
そんななかで絵を描いていられる事は、
好きな事を続けていられるのは誇るべき事だ
自分を卑下しないで」
「……ありがとうございます」
比べると自分の小ささが恥ずかしい
だけど、先輩はこんな僕にも優しい
「俺だってまだまだ夢半ばなんだ
それに、ひとりで叶えられるか…
寂しいしどうしようかって悩んでるんだ
聞いてくれる?」
「夢、先輩の…んっ…」
聞こうとしたら、キスで唇を塞がれた
「ユノ、だろ」
「…ユノ……」
名前を呼ぶと、少しずつ先輩が近付いて来る気がする
夢の話を聞きたいけれど、一度触れたらまた触れたくなって、先輩を見あげたら困ったように笑う
「キスしてください…ユノ」

「…こんな時に名前を呼ぶなんて、
チャンミナも成長したな」
時間はやっぱりどれだけあっても足りない
それでも、僕達の距離は少しずつ縮まっている
そして、離れるまでの時間もそれに比例するように縮まっているんだ
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