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マイクロプラスチック対策と言うことで近頃耳にするようになった生分解性プラスチック。それって、植物由来のバイオマスプラスチックとどう違うのでしょうか。
<生分解性プラスチック(グリーンプラ)とは>
生分解性プラスチックとは、「使用中は通常のプラスチック製品と同質の機能を持ち、使用後は自然環境中で加水分解して分子量が低下した後、微生物や酵素により分解し、最終的には二酸化炭素と水に分解される(生分解性)プラスチック」の総称のことです。
また、生分解性プラスチックの定義・分析評価方法、用途開発のためのモデル事業などを進める日本バイオプラスチック協会(JBPA)及び通商産業省(当時)は広く消費者の認知を得るため、公募により「グリーンプラ」の愛称・シンボルマークを制定しました。
認証マーク
<バイオマスプラスチックとは>
日本バイオプラスチック協会(JBPA)では、バイオマスプラスチックを「原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料。」と定めています。バイオマスプラスチックは原料にバイオマス(生物資源)を利用することに特徴があり、バイオマスから作られた原料だけを原料にした「全面的バイオマス原料プラスチック」とバイオマスから作られた原料を部分的に使う「部分的バイオマス原料プラスチック」に分けられます。
認証マーク バイオマスプラスチックの循環概念図
では、バイオマスプラスチックは植物由来なので、全て生分解性プラスチックなのですか?
<生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの違い>
原料により「バイオマスプラスチック」と「石油系プラスチック」に分類され、性質により「生分解性プラスチック」とそうでないものに分類されます。従って、生分解性プラスチックには石油系プラスチックの一部と全面的バイオマス原料プラスチックが含まれます。生分解性プラスチックの約70%がバイオマスプラスチックの生産量です。
(出典:「バイオマスプラスチックQ&A」日本有機資源協会)
生分解性プラスチックは微生物生産型、化学合成型、天然高分子利用型に分類できます。
石油系でも脂肪族ポリエステル(PBS,PBSA)や芳香族ポリエステル(PBAT)のように、生分解性のものもあれば、バイオマスプラスチックでも、ポリウレタンや天然ゴムのように、生分解性のないプラスチックもあります。
<生分解性プラスチック(グリーンプラ)のメリット>
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製造者や使用者の意図しないかたちで自然界に放出された場合に、自然環境中に残存することなく分解されるため、自然界に悪影響を及ばさない。
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埋立処分場に持ち込まれた場合にも、埋立から一定時間経過後分解するため、埋立処分場の場所を取らず、延命化につながる可能性がある。
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生ごみと一体的に処理して、コンポスト化を図ることも可能性がある。
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焼却処理の場合も、既存の汎用プラスチックよりも発熱量が低いため、焼却炉に与える負荷が低い可能性が高い。
水産に使用できる生分解性プラスチックは海水中で生分解する(分離した海洋微生物または自然海水を用い、6ヶ月以内に、試験材料の90%が水と二酸化炭素に分解すること、分解物が水生生物に悪影響を及ぼさないこと)との認証「」の取得が必要です。但し、海洋環境へ廃棄しても良いことを示すものではありません。認証機関はベルギーのAIB-Vinçotte 社です。
OK Biodegradable MARINE 識別表示 漁網
生分解性プラスチックはマイクロプラスチック対策、バイオマスプラスチックは地球温暖化対策としてのCO2削減と石油などの化石資源の枯渇対策を目的に開発されています。
生分解性プラスチックはこれからTVや新聞などで頻繁に耳にすることになると思います。果たして、生分解性プラスチックはマイクロプラスチック対策に万全な物なのか、次回のブログではその課題性についてレポートしたいと思います。
(参考文献:「生分解性プラスチックの現状と課題」他 日本バイオプラスチック協会)
by umi-bugyou