ミステリー品質は、畑から。
オリンピックって
もしかしたら人間の歴史を変えた
重要なイベントだったかもしれない
(授業を受けた人の感想より)
オリンピックと平和―文化と政治と宗教(2012)
◆著者 吉田秀樹(1950~)
◆出版 仮説社(2012)
この本を読むことにしたのは理由があります。
近くの地域交流センターでシニアを対象にした講座を開くということで、講師に応募しました。実は昨年も講師をしていて、「大人の社会科」と「大人の理科」をやりました。
今年も「大人の社会科」という講座でこの『オリンピックと平和』を取り上げたいと思いました。
この『オリンピックと平和』という本は「ミニ授業書」になっています。
「授業書」というのは、学校で仮説実験授業という授業を行うときに使われる授業プランが一冊の冊子になったものです。本来は学校で授業をすることを前提にして書かれたものです。「ミニ授業書」はそのミニ版ということで、この本も本文は50ページ程しかありません。(著者による「はじめに」と「あとがき―私の研究物語」を合わせても60ページ程)
『オリンピックと平和』は副題が「文化と政治と宗教」とあります。
この本で扱われているのは、クーペルタンが始めた近代オリンピックのことだけではなくて、ギリシャで始まった古代オリンピックについてかなり詳しく書かれています。しかも一スポーツイベントとしてだけでなく、オリンピックの持っていた文化、政治、宗教への影響や、逆にそれらから受けた影響について書かれています。
オリンピックは別名「平和の祭典」とも呼ばれます。
その意味するところがこの本を読むと大変よく分かります。
著者の吉田秀樹さんも前書きで次のように書いています。
「世界中の様々な国の人々が、国の違いを超え、文化や習慣の違いを超えて、『みんな同じ人間なんだ』ということを実感し、オリンピックを、そしてその歴史を楽しむことができればと願っています。
オリンピックに託された人々の『平和への思い』が、この授業書を通して、読まれた方に少しでも伝わるなら、作者としてこんなうれしいことはありません」
ここには9つの問題が出てきます。そして、その問題にはア、イ、ウ・・・というように考えの選択肢が付けられています。その後に問題に対する正解となるお話が書かれています。
一人でこの本を読むときにも、問題のところで立ち止まり、自分はアかなイかなと考えて、それからお話を読むと実に多くの発見があります。何度も「へ~、そうだったんだ」と思うことでしょう。
できれば、何人かで、自分はアだ、いやいやイだろう、何を言ってるんだウに決まってる・・・とやりながら読むのが一番いいのです。選択肢を選ぶときには、知識がある人はその知識の上に立って選んでもいいですし、なんとなくイかな・・・で選んでもかまいません。案外、なんとなく選んだ人が正解だったりすることもあるのです。また、正解だった人でもお話を読めばきっと驚くことは多いと思います。
だからここではその中身について詳しく書くことはやめておきます。ミステリーと同じで内容の解説、特にネタバレのものでは面白さは激減してしまいますから。
そんな発見と目が開かれる思い満載の『オリンピックと平和』。
今年は大韓民国で平昌冬季オリンピック・パラリンピックが開かれ、2年後には東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。
この機会に、ぜひオリンピックってもともとどういうものだったのか考えてみませんか。
ミステリー 読む、いま。読む、先。読む、ほんとう。
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