咄嗟 安値世界一への挑戦

咄嗟 安値世界一への挑戦

咄嗟通販おしゃれ館

こんばんは。
ツアー申し込み終わりました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
オレはラーメンでニノは断然ハンバーグ
毎日なんも気にしないで好きなもんを
好きなだけ食ってると思われてる?
ま、ラーメンなら毎日だって食えるけど
ある日突然……35越えてからかな?
これから先の人生ラーメンだけじゃ
乗り切れないのに気付いた
魚捌いて煮たり鍋とかはたまにやってた
けど料理っぽいのも作ろうとそれからは
ちゃんと野菜を切ったり炒めたり
雑誌やテレビの企画で作った料理を家で
再現してみたりもしてる
案外簡単だし自分で作るとなんでも
旨く感じるんだよね
だからって松潤のように材料や調味料に
こだわったり炭水化物を抜くとか
そんなストイックさは持ち合わせて
いない
食べたい時に食べたいもんを食うのが
1番の栄養になるんじゃね?
「ニノ、もうそろそろ起きろ」
毛布の下に潜り込んだ丸い膨らみに
声を掛ける
「天気いいぞー」
カーテンを引くとリビングのベランダから
見た青と同じ色の空が現れた
「秋だなあ、空が高い、なあ?ニノ」
9月は東京でも面白いように黒鯛が釣れる
「今から釣り行くか?   ははっ」
大好きな海と釣りとビールがあれば
オレ的には満足なんだけど
もう一声
こればっかりは叶わない夢だけど
そこにニノが居てくれたら最高だ
ま、オレが釣竿を垂れるとしたら
ニノが垂れるのは文句だろうけど
「ニノ?」
さっきからモゾモゾ動いてはいるが
一向に顔を出す気配がない
「起きてんだろ」
毛布の端からはみ出した足の指が
ピクピクしながら引っ込んだ
あともう1回呼んで返事がなかったら
毛布を剥ぎ取ってやろう
「朝から1人で抜いてんなあ?」
それでも返事がない
獲物を仕留めるクレーンゲームのアームの
ように両手を広げ
「うりゃっ!」
毛布の上から覆い被さる形でのし掛かる
例え毛布越しでも伝わってくるニノの
体の薄さと抱き心地の良さ
「早く起きねえと襲うぞ」
冗談で腰を擦り付けてたらジーンと熱く
勃ちそうになった
「……っい」
「なんだって?」
「重い……っ、て」
「起きるならどいてやる」
「起きるから、ぁ……もう」
「さっさと起きろ」
オレはさっきから腹が減ってんだよ
一足先にキッチンに戻り朝昼兼用のメシの
準備に取り掛かる
「野菜は……」
レンジで蒸した温野菜も良いけど
相葉ちゃんレシピの葉っぱ系スムージーに
したら野菜がいっぱい取れるからそっちに
するか
「パンは食パン焼いて」
「パンやだ」
眠そうな鼻声気味なニノの声が後ろから
した
「ああ?嫌だ?それなら……」
振り向いて鼻血が出たんじゃないかと
咄嗟に鼻を押さえたけど
そんな若さはとうの昔に終わっていたと
みえて鼻の下はカサカサだった
10年前ならここで1発ヤッてんな
「食パンが嫌なら……」
「噛むのしんどい」
ニノの右肩からずり落ちたハワイで買った
デカすぎるTシャツは白い太股を半分だけ
隠していたから
キレイな膝小僧に不釣り合いな青タンが
丸見えだった
「ロールパンならある」
「パンがやなの」
「オレの頭ん中はパンとスムージーとが
もうしっかりと出来てんだよ」
「コーヒーだけ飲む」
「ちゃんと食え」
「要らない」
「なんなら食える?昼からスタジオだから
今食わないとお前夜までメシなしだぞ」
「いいよ、別に」
「ラーメン?焼きそば?冷凍ピザか?
それか米は炊いてあるから……」
「しらす」
「え?しら、しらす?」
「しらすがまだあるならそれが良い」
「しらすなら食えるの?」
「うん」
「よし、じゃ、シラス丼にすっか」
頭の中をスムージーからしらすに切り替え
段取りの手順を考える
「しらす、美味しかったもんね」
「じゃあニノ、オレ丼の準備してっから
その間に先にシャワー終わらせとけ」
「後でリーダーと一緒に入る」
「そうか?ならせめてパンツ穿いてこい
ケツの線が丸見えだぞ」
「ムラムラする?」
「風邪引く」
「なに、それ、ムードないんだから」
「ムードより健康だろ」
「健康、健康て最近うるさい、どしたの?
健康番組のMCでも狙ってんの?」
「健康じゃないとムードもへったくれも
ないからな、ほら、パンツ穿いてこい」
「はいはい」
薄いTシャツの生地をケツに食い込ませて
出ていく後ろ姿にムラッとしながらも
まずはしらす丼を食わさなきゃと
気を取り直してしらすを取り出す
自分の作った食いもんが今日のニノの
栄養になると思ったら手が抜けない
料理は愛情だって
聞いたコトがある
そんな言葉だけじゃごまかせない
失敗作もたくさん作ってきたけど
ニノが食いたいもんは出来るだけ
食わせてやりたい
その気持ちが愛情かな。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ありがとうございました。

平等主義の崩壊と咄嗟の勃興について

〈 mamiya side 〉

夏休みも終わり、
久しぶりに学食の中華そばを食べた。

薄いチャーシュー 一枚、
白地にピンクの渦巻きのナルト一枚と
数本のメンマ、薄着りのゆで卵
お情け程度の青ネギ
『コシ』の文字が見当たらない麺
見た目通り想像通りの味の茶色のスープ…

個性ゼロ!

でも俺は今日、コレを食べるんだ!
と朝から決めていた。

美味いとか不味いとか
そういう事じゃない。

全く個性もクセもゼロな この中華そばが
休み中にも時々脳裏に浮かび
口寂しくさせられていた

まるで『おふくろの味』を懐かしむかの様に

しかし実際の俺の『おふくろの味』がそうなのか?と聞かれたらNOだけど。

久しぶりに口にしたスープは
久しぶりの殺風景な学食ですら
新鮮に思わせ
口の中を不思議な懐かしさで一杯にした

また木炭と油絵の具に塗れた毎日が
そして
爪の間にはいつも
何色かに占領されている毎日が始まる。

今日はまだ白い。

夏休みの課題もそこそこで終わらせた。

入学するまでは
あんなに好きで描いてた絵も
こう毎日毎日課題の制作に追われ
追い立てる様に描いていると
さすがに嫌気がさしてくる

夏休み前の成績も
その心情を顕著に表し
再提出を免れるギリギリのライン

上には上がいる
絵が描ける奴なんてごまんと居る

井の中の蛙だった俺は外の世界で
あっという間に現実を突き付けられ
入学前の情熱は今何処に。

夏の太陽で熱せられた石の上で
干からびていくのが関の山…

才能の枯渇、いや、最初っから才能なんてこれっぽっちも無かったんだよなぁ

美術の教員免許ぐらいは
取っとかなきゃな…

あーあ。

今日も暑い。

午前中は課題提出と教室の掃除で終わり
昼飯を終えた俺と天音は学食を後にし
自動販売機で紙コップで出てくるコーヒーを買い、午後のデッサンの授業の教室へと向かう

この岡山天音という男は
俺と同じ油絵科の1年。

たまたま同じマンションの住人で
顔見知りになり
そして入学してみれば
偶然同じクラスにいた
そしてなんとなく友達になった。

しかしコイツは全てにおいて
可もなく不可もなく
全国民の男の平均値を集約した様な男だが

不思議な程に女が途切れない

正直、
ビジュアルは俺の方が数段…

いや、格!段!に!上の筈だ。

でも
この相手に警戒心を持たせない銀縁の眼鏡と
地味だが当たり障りのない
人畜無害のファッションセンス
草食系男子の代表の様な柔らかな外見

水中で頼りなく揺れる水草の様に
流れに身を委ねるのが特技で
誰かに意見する事も
口答えなんてとんでもない
いつでも笑顔でうんうんと頷く

寝癖も平気で身だしなみを構う事も無い
かといって不潔にも見えない

そしてコイツは誰とでも目が合うと
ほんのりとした笑顔で返す

それが警戒心を持たない女子の心を
更に開きグッと奥まで入ってくるらしい(『キュンとしちゃう♡カワイイ♡』らしいのだ。俺には皆無の領域だ)

何をやっても不器用だし
何でもない所でつまずくし
しゃがんで立ち上がれば角で頭を打つ
ある意味『持ってる』のだろう

そんな
どうしようもない姿は
どうしようもなく母性本能を擽るらしく
世話好きな女にとっては
放って置けないタイプ

そして寄って来る女は
何故か皆美人…

何故だ??

その美人達の股を
コイツが開いていると思うと
不思議で仕方ない
一体どんな顔して…いや、
それ以上考えるのはよそう

そして俺は入学してからずっと
フリー。

いや、生まれてこのかた
特別な存在と思える様な人と
出会った事がない

誰と一緒に居ても
どんなに可愛い子がいると言われても
誰かに好きだと言われたとしても
どれもこれもピンと来ない、

と言うのが正しい。

なんか感情のどっかに欠陥があんのかな?
なんて思ったり。

ま、好きでもない奴と付き合うくらいなら
フリーで上等!なんだけど。

え?負け惜しみ?

無い無い!それは無い!

負け惜しみゼロですけど、何か?

「まだまだ暑いなー」

まだ外を歩けばじっとりと汗がにじむ

アイスコーヒーはあっという間に飲み干し
小粒の氷だけがカップの底に残る

それを口に含んでガリガリと噛み砕きながら暑さをしのぐ

天音はこのクソ暑い中、猫舌のクセに
ホットティーをちびちびと飲む

その汗ばんだ横顔を見てるだけで
二度くらいこっちの気温が上がりそうだ

「お前、そんなのよく飲むな?暑くねぇの?」

「え?うん、暑い…間違えちゃった。ボタン。HOTとCOLD…あ、今日から新しい助手の人来るって。」

眼鏡曇ってんぞ。

マジで…コイツのどこに
そんなに惹かれるのだろうか?

「へー。ま、どーでもいーけど。あ、俺、タバコ吸ってくるわ。行く?」

「あ、いや、俺…やめたんだよね。」

「え、マジ?…あー、もしかして、女?」

冗談のつもりで言ったら

「…あ、まあ?…そんなモン。」

え、ビンゴ??

「はー、またぁ??こないだお前…別れたばっかじゃん!お盛んだなぁ??次から次へと…ま、すぐコッチ戻ってくるか。
今回はどれくらい持つかなー」

「いーや、もう俺一生吸わねぇ!彼女の為に!」

「アホくさっ!言ってろっ。じゃ、後でな」

「うん。お前もいい加減やめろよ?
こーこーせーじゃないんだし?
カラダに悪ぃぞ!
メンソールは勃たなくなるぞー」

「うるせぇ!」

お前に言われたくねぇっつの!!

だいたい、

女にやめろって言われてやめるとかって
無いわ〜

吸いたきゃ吸えばいいだろっ

俺は誰の指図も受けねぇ!

…ん?どっかの芸人が言ってたっけ?

んー誰だっけなー

ま、いっか。

喫煙者の風当たりが強い

そう感じずにはいられない

駅なんて全面禁煙だし。

電車を待つ時間に
一服するのも許されないなんて…

この学校でも喫煙所は3箇所。

学食のテラスと売店のあるホールの入り口
そしてちょうど俺の教室のある校舎の裏。

ま、3箇所あれば十分、
そう思う事にしようか。

まあ、このご時世。
吸う奴も減ったんだろう。

健康!健康!健康!

健康がオシャレみたいな世の中の流れ

嫌いだわ〜〜。

ポケットから
し型崩れしたタバコの箱と
オイルライターを取り出し
歩きながら火を点ける

オイルの少し甘めの匂いが鼻を掠めた後
口の中で広がるメンソールの薄荷の味

カラダに悪いって分かってるけど
やめらんないよなー

一息深く吸って
煙を吐き出す頃
いつもの校舎の裏の喫煙場所に着く

昔からある様な
薄汚れた円筒型の黒い灰皿が
ポツンと待ってくれてる

今日から天音はお休みです。暫くね。

校舎の裏は郊外電車の線路が走り
脇には大きな池が広がる
その向こうには結構有名な神社があるらしいが鬱蒼とした森に囲まれていて
こちらからは中の様子を伺う事は困難だ

多分、
何年経っても変わらない景色なんだろうな

この緑と青の景色を眺めながら一服する

逃避するにも丁度良い

俺はまだ19だが、
大学生になった途端
タバコを吸ってようが
注意するわけでも無いし
誰かが咎めることも無い

高校の時、屋上でこっそり吸っていたのがまだついこないだの事で
人の気配がすると、ついその時染み付いた習性が発動して「やべっ!」と咄嗟に隠してしまう時が未だにある

まだハタチになってない後ろめたさもあるのか。
でも誰も注意しないのだから
堂々としてれば良いのだが…

見た目だけエラソーなのに
心は全くもってチキンな俺

ペキ、と小枝が折れる音がして

今日もまた発動してしまった
チキンな俺

ビクっとして
咄嗟に口に当てていたタバコを
後ろに隠した

…あ、いいんだった。

…またやっちまったわ〜…

自分に呆れて口から煙を吐くと共に
ついでに溜息を吐いた

はぁあ…

「隠すなら吸わなきゃいい。」

聞いた事のない
掠れた特徴のある声で
カチンとくる言葉が飛んで来た

声のした方へ顔を向けると

黒髪、眼鏡、ボタンダウンのシャツに
制作の時に着る白衣を羽織る男が立っていた

誰だよ?

…あ、もしかしてコイツ…

さっき天音が言ってた…

そいつの白衣の両脇腹は
手の幅くらいの絵の具の汚れが
縦に2本並行してある

それは俺もよくやるヤツで
油絵の具が手や指に付いた時、
ティッシュやタオルなんて探す前に
そこで胸の下から下へ向かってスッと拭うのだ。
そうして出来る白衣の柄、まあ、汚れか。

木製のパレットを見れば
そいつの描く絵の色合いがよく分かるように、白衣やエプロンを見ればそれが分かる

こいつは緑系…いや、青系か…?

見た感じ、
きっと辛気臭い絵を描いてるに違いない

俺の白衣の柄(汚れ)と色がよく似てる

俺の場合は

『見た目と違って
繊細で生真面目な絵を描くんだね』、なんて言われたり。

繊細で真面目なんだよっ!俺は!

…なんてな。

全然説得力ないけど。

『君は派手な見た目と違って
君の描く絵は湿っぽくて物悲しい』

そして『君の絵は陰鬱だね、見た目と正反対だ』と。

どいつもコイツも
『見た目と違って』は余計なんだよっ

コイツもきっと
じっとり湿度の高い絵を描くんだろう

俺と違って

『見た目通り』に。

「…君は…ここの油絵科の学生ですか?」

そう聞いてくる
そいつの眼鏡が光で反省して
その奥が見えない

「…まあ。」

「そうですか。昼休みはいつもここに?」

「…ああ、まあ…」

「そうですか。」

とポケットに手を入れたまま
少し歩み寄る

…あ、もしかして、一本くれって感じ?

「…あ、吸います?」

と俺にしては珍しく気を効かせて
タバコの箱を差し出した

「あ、いや、私は…
お気遣いありがとうございます。
ちょっと日差しが…日陰に…」

…なんだよ、違ぇのかよっ

紛らわしい雰囲気
醸し出してんじゃねぇよっ

「…あそ。」

とポケットに戻す

こっちの日陰に入って来たそいつを避け
少し横に寄って
遅れをとってしまった蝉が
残る夏の暑さを絞り出す様に
激しく鳴きわめく中
落ちそうになった灰を
慌てて灰皿に落とす

朝来た時に吸った
自分のタバコがそのままある

他にここで吸う奴は居ない。

天音もやめたって言うし。
(ま、すぐ戻って来ると踏んでるけど)

「もうすぐ午後の授業始まりますよ。」

…はいはい。

このままサボってもいいけど
ケンコバは意外と欠席すると
後々面倒くさい

「なんかあったのか?」
「具合悪いのか?」
「ちゃんと飯食ってんのか?」
「夜バイト忙しいのか?」…云々。

親かよ!って。

短くなったタバコを親指と人差し指で摘んで最後の足掻きのようにひと吸いすると

目に煙が入った

…痛てて…

片目をギュッと閉じ
火を灰皿で揉み消しながら

「あんた、新しい助手?」と聞くと

「はい。今日から小林教授に就かせて頂きます。」

ケンコバの助手か…

「加藤です。」

ケンコバは体格もさながら強面の外見を持つ。でも喋ってみると気さくで面白くて気の良い親戚のおじさんの様だ。
心配症で少し面倒なトコもあるが
嫌いじゃない。

入学して直ぐの新入生歓迎会と称した飲み会でたまたま隣に座ってしまったのが運のツキで、それ以降割と気に掛けてくれているのを感じる。

「君は?」

何を聞かれているのか分からず

「へ?」

聞き返すと

「名前です。」

あ、そういやさっき『加藤』とかなんとか言ってたな…

俺も名乗ったんだ、お前も名を名乗れと?

「…ああ…間宮…だけど」

吸い殻で灰皿の表面に落とした灰を
中の水受けに落としていく

「間宮くん…ですか。よろしくお願いします。」

「はぁ、…よろしく…」

「では、初回から遅れる訳にいかないので、私はこれで。」

「はぁ。じゃ。」

一体何しに来たんだ?

タバコ吸う訳でも無く…

池でも見に来たか?
あ、電車?

ま、たまたまか。

なんか…調子狂うヤツだわぁ。

苦手!ああいう真面目でお堅いヤツ!
一気に肩凝ったわ!

首をぐるりと回して
肩を解す

携帯で時間を確かめると
まだ午後の授業まで5分ある。

…とりあえず、もう一本。

9月といえどまだまだ暑いなー

だりぃ。

「おーい、ちょっとこっち集まって下さーい」

デッサンの授業の教室は天井が高く音がよく響く
またケンコバの低くて太い声がまた
よく通るんだよなぁ

「産休に入ったハルちゃんの代わりにー、
今日からこちらの加藤君が助手をしてくれる事になりました。…じゃ、ちょっと加藤君、一言ええか?」

とさっき会ったアイツが紹介された

「…あ、はい。…えっと、…加藤です。
加藤成亮です。
今日からこちらの油絵科で、
えー、小林教授の助手をさせていただく事になりました。若輩者にて行き届かない点もあると思いますが、精一杯努めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。」

「はい、よろしくお願いします、えー、加藤君?」

「はい?」

「堅苦しい!」

とひと笑い誘い
場を和ませた後ケンコバは『加藤君』の紹介を続ける

「加藤君はここを卒業後、壁画の修復の勉強でイタリアに渡り、そのまま修復の仕事を、えー、されています。

今回ちょうど長期休暇で日本に戻られていると聞き、無理を言って3カ月だけではありますが、えー、12月までですかね?えーここでの助手を引き受けて下さいました。ありがとうございます。

えー、彼はかなりの実力者であります。
皆さん何でも加藤君に聞いてください。
俺に聞くよりもずっと、ちゃんとした答えや疑問に対する糸口をきちんと見つけて
皆さんの作品を良き方向へと導いてくださると思います。」

「…ちょっと…やめてください…!」

「まあええやん、ホンマの事やし」

眼鏡が曇りそうなぐらい
顔も耳までも真っ赤にして照れている

俯くと細い首が強調され
赤くなっていた

女みたいな首…

「ま、そういう事ですので!3ヶ月間、みっちり彼に頼ってくれ!
じゃ、みんなで声を合わせて言いましょう!
『よろしくお願いします!』」

とケンコバが声を張り上げ
みんなを促す

『よろしくお願いします』
とパラパラと返事をし
パラパラと拍手して
元の自分の場所へと戻って行く

そして

「えー、今度の土曜日ー、加藤君の歓迎会するぞー。参加不参加自由!俺の奢りー!最初の新歓やった居酒屋でしますんでー。
人数の関係あるんで、後から俺が聞いて回りますー、以上!」

…歓迎会か。奢りね…行ってもいいか。
タダ酒が飲めるし。

てかみんな大学生とはいえ
まだ未成年がほとんどですけど!

いつかケンコバ捕まんじゃねぇの?

…ま、いっか。知ったこっちゃねぇわ。

と、自分のイーゼルの場所へ戻る途中

デッサンする石膏像を囲む様にして
不規則に重なり合う
イーゼルに置かれたカルトンの間に
アイツの姿が見えた

ふとこっちを見たアイツと目が合い
俺に気付いて口の端と眉を上げて
微笑んだが、俺はぺこりと小さく会釈して
カルトンの壁に隠れる様にして
視界からアイツを消した

一次会が終わっても尚 上機嫌のケンコバは
二次会も奢ると言い出す始末で

店を出た通りで

「二次会くるヤツ付いて来ーい」

と言ってスタスタと歩き出す

「あ、お前行く?」

と天音に聞くと

「あー悪ぃ…俺、今日彼女ウチ来て待ってんだよねっ」

「わー出た!女出来た途端付き合い悪くなるヤツ!」

「仕方ないじゃ〜ん。今、大っ事な時なんだよ。付き合い始めって肝心じゃん?」

「何 最初っから尻に敷かれてんだよ」

「いや、そういうんじゃなくて…」

「そうじゃん。『待ってろ』って言えねんだろ?タバコやめろって言われてやめて、帰って来いっつったらホイホイ帰って来るのドコが…」

「あ、ヤバ!電話掛かってた!!」

時間を確かめようとして見た携帯の画面に
慌てふためく

急いでリダイヤルして携帯を耳に当て

「じゃなっ!またな!月曜日!…あ、もしもし?…ごめ〜〜ん…今から…」

手を振って、電話に出た彼女に必死になって謝りながら帰って行った

情け無ぇなあ。
俺はああはなりたくないし
ならねぇし!

俺も帰ろうかな、と
駅の方へ歩こうとした時

「間宮君も行きませんか?二次会」

加藤が正面に立っていた

「…え?…あー」

「行きましょうよ。せっかくですし。
タダ酒です。行きましょう?」

と静かに誘い俺の腕を組み
ケンコバの向かう方へと歩き出した

「え?あ、え?ちょっと、あれ?俺、…」

強引に連行された

男の腕組んで、掴んで、か?

ぐんぐん歩く

そういうタイプじゃないだろ??

酔ってる風には見えないけど

まあ、酔ってんだろな。

あれ?…コイツ、眼鏡…

眼鏡のイメージで止まっていた

丸い眼鏡を掛けてたせいで
そんなには思わなかったが

眼鏡を外した顔は
結構な美形だったことに気付き
驚く

睫毛なんてびっしり

その辺の
いじり倒した女なんかよりもずっと
綺麗…

…『綺麗』???

酔ってんのか?俺…

あー、なんか、頭がチカチカする。

体の右側が熱い…

何でこんなに心臓が早くなんだよ

酔いが回ってしまいそうだ

もう…離してくれっ!!

「…ちょっと!もういいだろっ!離せよ。」

と体を捩って振り解こうとしたら

「…え、ああ!すみません!つい。
…強引でしたね。」

と組んでいた腕を慌てて離し 俯く

落ち込んだのか?

ちょっと
初対面のヤツにはちょっと
キツかったかな…

少し反省しながら

「…行くから、…二次会。」

と バツが悪いがそう言うと

「そうですか。良かった。」

と顔を上げて
嬉しそうに微笑む。

…え、…『良かった』??

しかもその笑顔…

…なんだよ…??

目が合ったまま動けずに居たら

「どうかしましたか?」

と聞く。

「…ど、…どうもしねぇよっ」

そう返すしか出来なくて
先にケンコバの向かう方へ歩き出した

気を落ち着かせるために
デニムのバックポケットに手を入れて
タバコを出そうとすると

後ろからその手を掴んで制止する

「…ぁんだよっ」

とイラつき振り向くと
それは加藤で

「歩きタバコはダメだよ。」

とさっきまでの緩んだ顔とは違って
厳しい視線を向けている

握られた手から
カッと熱いものが全身に走った

バレてしまわない様に

その手を振り解き

チッ、と舌打ちをして

「…ぅるせ
んだよ…」と悪態をつき

加藤を置いて

足早に歩く

怒りで胸が騒ついているのじゃない

甘酸っぱい感情で
全身が溶けてしまいそうなのだ

胸の鼓動が早く熱く身体を打ち付ける

感じた事の無い情動で

足元がふらつく

…なんなんだよ…!

と、前から来た見るからに酔っ払った
サラリーマンと肩がぶつかる

「オイ!コラァ…どこ見て歩いてんだよ!!」

「…ぁんだと…??コラ…」

一触即発の状態だ

俺も行き場の無いこの身体の火照りを
どうにか発散させたくて
チャンスとばかりにやる気が漲る

目を爛々と輝かせたサラリーマンとの距離をジリジリと詰める

すると横から邪魔が入った

「ちょ、ちょっと待った!すみません!」

加藤が間を割って入ってくる

「ぁんだよ、お前…やんのか??」

酔っ払いの矛先が加藤に移る

ヤバイ…

このサラリーマンの目を見れば分かる

完全にイっちゃてる…

「ああ、違います違います!彼、酔ってますので…あなたも…ねぇ?かなり飲まれている様ですしね、ここはどうか穏便に…」

俺を庇う様に前に立ちはだかり
サラリーマンを宥めるが

「うるせぇ!!!」

話など通じる筈が無い野蛮人と化した男は
否応無しに拳を振り上げ
ガツ、と硬い物に打ち付ける様な鈍い音と共に目の前の加藤がゆっくりスローモーションで倒れていく

「…おい!!…」

地面に倒れ込む寸前で
加藤を抱き抱えた

…痛ぇ…と呟く加藤の唇の端が切れて
血が滲んでいる

「間宮くん…大丈夫…?」と
こんな状態になりながらも
俺の心配をする。

いやいや、『大丈夫?』なのはお前だろ??

お人好しかっ!!

「…コイツは関係ねぇだろっ!!」

憎きサラリーマンを見上げて睨み付ける

「お、やんのか?…」

と余裕の笑みで俺を煽って来る

加藤を座らせて立ち上がり

憎たらしくニヤつくそいつに向かって
拳を振り上げた

その時

「お巡りさーーん!こっちですーー!」

と路地の角からケンコバが姿を現した

警官を呼んだのか
路地に向かってこっちこっち、と
手を招いている

「ヤベェ…逃げろ!」とサラリーマンの二人組は走って逃げた

ケンコバは

「大丈夫かー?」

と駆け寄るが、警察も誰も来ない

「…あれ?警察呼んだんじゃ…」

素朴な疑問を投げかけると
はははっ、と笑い

「呼ぶ訳ないだろ?警察なんか呼んだら余計面倒な事になるだけや。名演技やったやろ?俺の一声でアイツら蹴散らしたったわ!

加藤君、大丈夫か?立てるか?
ほんまにー、喧嘩なんかした事ないクセにそんなええとこ見せようとするからや。」

「いてて…すみません。つい、間宮君を庇うつもりが…やられちゃいましたね。」

と力なく笑った

「アホやなぁ。間宮なんか放っといたってアイツらボコボコにしとるがな。」

「そうですか。ああ、でも間宮君に怪我が無くて良かったです。」

とゆっくり立ち上がり
服に付いた汚れをパンパンと払い
笑顔を見せる

…何でそこまでして…

「庇って貰わなくたって全然イケたしっ」

「間宮君の綺麗な顔に傷が出来ると困ります。」

「はぁ??」

「私は美しいものが好きなので。
それを傷付けるものは許せません。」

コイツ…マジな顔して…

自分が何言ってんのか
分かってんのか??

「加藤君、二次会やめとくか?口切れてんで。そんなんで飲まれへんやろ?」

「…そうですね、すみません。せっかくの機会を…」

「ええねんええねん、またいつでも行くがな。気いつけて帰り?タクシー拾うか?」

「いえ、まだ終電に間に合いますので、電車で…じゃ、私はこれで…みなさんにもよろしくお伝えください。
間宮君も、…すみません。」

「別に俺は…」

ありがとう、と言えない自分が情けない

「じゃあ、また。月曜日。お先に失礼します。今日はありがとうございました。楽しかったです。」

「おう、ありがとな。ほな、気ぃつけて帰れよ。おつかれ!」

「おやすみなさい。では。」

と、頭を下げ、俺にも

「じゃあ、間宮君。おやすみなさい。」

「…あ、俺、駅まで送ってくわ。」

咄嗟に言葉が出た

「え?…でも…」

「アイツらまだこの辺ウロついてるかもだし、また絡まれたら…アレだから。
じゃ、センセ、おつかれ!サンキュー!また月曜日!」

「…大丈夫です…間宮君…」

「え、おい、気をつけろよ、大丈夫か?じゃあ俺が行くわ!生徒にそんな…」

「大丈夫っすよ。さっきセンセも言ってたじゃないですか。『放っておいてもボコボコボコにしとるがな』!って。その通りなんで、大丈夫っす!じゃ、おつかれっす!」

何故か放っておけなくて

気になる、っていうか…

何だろ…?

この感覚。

見慣れた賑やかな繁華街は
いつもよりも鮮やかで眩しい

清々しい気持ちすら覚える

「すみません、なんか…」

「いや、だいたい、俺のせいだし。
…口、血、大丈夫っすか?」

「はい、あ、付いてます?まだ、血。」

「…うん、ちょっと…」

と、思わず指で触れてしまった

「…ぃたっ!」
「あ!悪ぃ!」
「…なんてね。もう大丈夫です」

といたずらに笑う

ネオンの灯りが反射して加藤の顔を照らし
煌びやかな物の様に目に飛び込んでくる

急いで視線を前に向けた

「…ぁんだよ…」

触れた唇の端が柔らかくて

胸が軋んだ

こういう感覚なのかな…

みんなが言う
合コンで気に入ったコと
どうにか二人きりになりたくて

帰る方向が一緒だから…みたいな

口実作って連れ出して…みたいな??

そんな

駅までの道のりは
いつもより明るく鮮やかに映る

隣を歩くコイツが
気になって仕方ない…

友達になりたいのか?

いや、そんなのとは全然違う

なぜなら

ドキドキしてるから

みんなの言う

なんとか仲間を巻いて
二人っきりに持ち込めた、っていう…?

そんなドキドキワクワクして
少し浮かれて
足取りが軽い

隣を見れば

白く細い首が
ライトに照らされて艶めかしく映る

背中も
俺なんかより細くて頼りなげで

横顔のラインの滑らかで美しい稜線を辿る

視線の筆でなぞってしまう

描いてみたい、なんて思ったの

初めてだよ…

「あ、間宮君はどっちに乗りますか?」

気付けば駅の階段を登り切る手前

「えっ?あ、ああ、俺?…コッチ。」と

じっくりその横顔を見ていたのを
気付かれてやしないかと
焦って視線を外し
慌てて右を指して答えた

「あ、そうですか。じゃあ私はこっちなので、反対ですね。」

と加藤は左へと階段を斜めに進む

色鮮やかな時間はこの駅で終わるのか

名残惜しい気持ちで
胸が落ち着かないまま
無機質な駅のホームで
最終電車を少し離れて待つ。

こんな時、ここでタバコが吸えたなら
少し気が紛れるのに。

何も言葉を交わせないまま
無情にも
加藤を連れ去る電車の到着を告げる
音楽が構内に流れる

「あ、コッチが先ですね。今日はすみませんでした。」

「…ああ、いや…」

加藤の乗る電車がホームに入って来た
生温かい風を起こしながら

いくつかのドアが通り過ぎ

「せっかくのタダ酒 無駄にしてしまいましたね。」

風で髪が舞って乱れる

「いや、いいよ、そんなの」

週末とあって乗客も多い

乗り込む客がゾロゾロと白線の前に集まり

俺と加藤を引き離す様に

俺は後ろへと押し出される

「じゃあ、また月曜日。」

人の波から顔を出して別れを告げる

「…おう。」

電車がゆっくり速度を落とし
油圧気から勢い良く空気を吐き出す音を立てて止まった

「…じゃあ、おやすみなさい!」

「……」

『おやすみ』と言えば

今日が終わってしまう

俺を連れて帰る列車も

反対側に到着した

「…電車、来ましたよ!じゃ。」

と手を振り、
加藤は列車に吸い込まれていった

奥のドアの脇に立ち

小さく手を振る

なかなかその場から動かない俺を
少し不思議そうな顔で見る

加藤を乗せた電車の
発車のベルが鳴り響き

『駆け込み乗車は大変危険ですのでおやめください』

と抑揚の無いアナウンスが流れ

急いで走って来た客と肩がぶつかり

よろけて一歩足が前に出た

「…間宮君?!」

まるで
見えない何かに引き寄せられたみたいに
身体が勝手に動いた

全てがスローモーションの様に感じ

プシューと音を立ててドアが閉まり始めた

…俺は加藤を乗せた電車に飛び乗った

加藤は目を丸くして俺を見つめる

週末の最終電車

人を搔き分けて前に進み

加藤の正面に立った

人に押されて

より近くでその顔を間近で見る

お互いに視線を逸らせず

じっと見つめたままでいる

加藤の目が少し潤んでいる様に感じる

酒の入った乗客の多い車内は騒がしい

何も言わず視線だけが熱く繋いでいた

暫く経ち

加藤は困った様な顔をしてフッと笑い

「…冗談キツイよ。…どうするつもり?もう電車無いんだよ?」

「分かんねぇ…」

このまま帰りたくなかった、なんて
言える筈もない

「…酔ってる?」

「かも。」

照れ隠しでつっけんどんに答えてしまう

子供のワガママに困り切った様な顔で
溜息を吐き

「…次で降りて?タクシー代出すから。まだバスもあるかもです。」

「…無理。」

「…どうしてそんなワガママを…」

「まだ一緒に居たいって言ったら引く?」

帰らせようなんて思われてるのが悔しくて

思わず言ってしまった。

「…えっ?」

…そりゃ引くわな。

勢いに任せて言ったのを後悔して

加藤の言う通り
次の駅で降りようと思った時

「僕はゲイです。」

乗客の会話に紛れて
サラリと告げる

「は?」

「引いたなら次の駅で降りて帰るんだ。」

次の駅に到着するアナウンスが知らせる

「あ、タクシー代…」

と何事も無かったかの様に
ポケットから財布を取り出し
札を出そうとする手を
握って止めた

「要らねえって!」

え?と驚きと疑問の混ざった顔で俺を見る

「しっくりきたんだよ。」

今まで、
恋愛は女が相手だって決めつけてた

でも、いつだって誰だってピンと来ない、

女に何も感じない俺は

生まれつきそういう感情が薄い

恋愛が出来ないヤツなんだって思ってた

でも、コイツに出会ってから俺は

いつだってコイツの事が頭から離れない

自然と目で追ってしまう

あの校舎の角の喫煙スペースでは

いつも待っていた

来ないと寂しく思った

胸が軋んだり熱くなったり

出会ってから今日まで

こんなに心が忙しいのはきっと…

「…今日…泊めて欲しい…」

「え?」

「…あんたと一緒に居たいんだ…」

「間宮君、今 君は自分が何を言ってるのか分かってる?」

電車がカーブを曲がり
大きく横に揺れ
バランスを崩した身体が近付き
もう少しで唇が触れそうな距離で

「…好きかもしれない…」

人生で初めての告白が
こんな形で訪れるとは…

でも、

加藤は周りに聞こえない様に小声で

「…そんな簡単に…。…次で降りるんだ。
…いや、降りてくれ。」

「嫌だよ!」

声は少し大きくなる

「君が降りないなら僕が降ります。」

「…何でだよ!?」

と、つい声を張り上げてしまう

「大きな声を出さないでください。」

加藤は耳を真っ赤にして
俯いた

俺も流石に周りの視線を感じ

ふう、と一度息を吐いて心を落ち着かせ
小声で答える

「あんたが降りるなら俺も降りる。今日は一緒に居るって決めた。」

「勝手に決めないでください!」

と加藤はらしからぬ大きな声で言った

「『大きな声を出さないでください!』

…だろ?」

「…はぁ…」

「…誰かと一緒に住んでんの?」

「…いえ。」

と答えるが

もうこっちを見てくれない

電車は速度を落として
『次の駅』のホームへと滑り込んで行く

進行方向へ くい、と身体が揺れ
電車は停車した

加藤の前のドアが開く

降りると言ったのに動かない

「…降りないのかよ?」

と少し意地悪く言ったら

「…部屋が散らかって
す。」

とボソッと言った。

それは

今夜一緒に居ても良いと
許して貰えたのだと察知した

たった一言で
こんなに世界が明るくなるなんて

俺って単純だな…

「…いいよ、そんなの別に。俺、潔癖とかそういうの無いから。」

顔がにやけてしまいそうなのを
必死で堪えて言ったら

「…前の彼は、凄く綺麗好きで…
いつもよく叱られてましたから。」

『前の彼』

その短い言葉に

怒りとは違った熱い感情が全身を巡る

明るい未来がそこまで来ていたのに
突然幕を下され
真っ暗闇に放り出された様な

胸ぐらを掴まれて引き摺り回される様な

居ても立っても居られない焦燥感

初めて嫉妬という感情が
身体を煮えたぎらせていく

今すぐ

強く抱き締めて
滅茶苦茶にしてしまいたい衝動が走る

そいつから今夜

全てを奪ってしまいたい…

「…なぁ、どこの駅で降りんの?」

少しイラつきながら聞くと
発車のベルが鳴り響き

「…降りますよ。」

と不意に俺の手首を掴み

「はぁ??」

ドアが閉まる寸前で手を引かれて

ホームに降り立った

※『ゼロ 一獲千金ゲーム』でのあの問題(?)シーンが衝撃的過ぎて思わず書いてしまいました…( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )
すみません(笑)
少し我慢してたのですが、書き始めたらもう止まりませんでした(笑)

他のお話も溜まってるのにぃ!!_(:3 」∠)_

あと、お知らせです…

この度ずっとお世話になっていた『GTブログ』が12月にサービス終了とのお知らせを受け、アチラのお話を他へ移動させて頂きました。

移動先は『はてなブログ』様になります。
(GTにもまだそのまま置かせて頂いております。)

leoryu-emma.hatenablog.com

上記のアドレスで検索して頂けたら『NEWSで妄想 vol.2+』と出ると思いますので…
お時間がある時にでも寄って頂けたら嬉しいです。
これからはコチラがアチラになりますので…(笑)
結局あちこちさせてすみません。
いつもお付き合い頂き、ありがとうございます。

本当に申し訳ない程
更新が遅い遅いブログですが…

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます!!!

レオとリュウ

必読、女性に咄嗟の話をしてはいけない理由

洗脳され続け、心ない言葉や暴力

それでもまだ、自分に対してだけはなんとか耐えられた
私はのことをすごく後悔していた
私の両親は厳しかったけれど、手をあげるような人ではなかった
だから、私自身が無知でサンタが子供に手をあげるということが想像つかず、咄嗟に動けなかったことをとても悔やんでいた
でもその時それと同時にを思い出した
忘れたかったのか、忘れてたのか…
あの時の自分の記憶と目の前の我が子の姿が重ね合わさって
なんとも辛い気持ちになった
あの時、母すらにも守ってもらえなくて寂しくて悲しくて辛かった私
私は、母のようにはならない
そう思って、娘達にサンタの手があがりそうな時は必死に庇った
夕方、外でお友達と遊んで帰ってくるとき
約束の帰宅時間に1秒でも遅れるとグーパンチが炸裂する
でも
一緒に住んでいるうちに
サンタのなんとなくの雰囲気、苛立ち具合、体や手の動きなどを先読みして、私の体が咄嗟に反応できるようになってきた
子供を必死に庇うが、私の隙間、空いているところから見えてる子供の足や頭を狙って、なんとか叩こうとするサンタ
そして、一人庇ってるともう一人がおろそかになってしまい、やられてしまう
なので、二人同時に守る
それでも収まらない時は、壁のあちらこちらに穴をあける
もう、いっぱいいっぱいだった
サンタの顔色見ながら、ヤバいと思ったら、ご飯作ってる手を止め、掃除機の手を止め、洗濯の手を止め、子供に駆け寄る
いつしか、そんな毎日が当たり前になってて
その場を収める、その場をやり過ごす日々に追われてた
そんなある日の夜
いつものように、子供達に添い寝をしていた時
ふと見ると
次女が目にいっぱい涙を溜めていた
(私)
どーしたの?
と聞くと
今にも、泣きそうな顔で
「私、生まれてこなきゃよかったね」
と言った……
…..えっ?….
(私)
なんで?
(次女)
だって、いつも怒られてばかりなんだもん
溜まってた涙が、ポロポロ落ちた
…..私はなんと返していいのかわからなくなり、ただただ次女を抱きしめた
そして
「そんなことないよ。ママは次女が生まれてきてくれてよかったと思ってるよ。」
と、声を震わせながら伝えた….
次女は、頷いてくれた。
洗脳され続ける私に、時折なんの汚れのない純粋な気持ちを話してくれる子供達
こんなに、追い詰めてしまってたのか….
言われるまで、気づかなかった….
子供が小さい胸を痛めてることがわからなかった…
もしかしたら、わかっていても気づかないふりしてたのかもしれない….
私、何してんだろ??
こんなちっちゃい子にそんな事言わせて
私、何やっちゃってんだろ?
子供を守りきれてなかった
ホント母親失格だ
と、同時に
隣でイビキかいて寝てるサンタに
殺意が芽生えた
このままじゃいけない….
この子達のこと悲しませちゃいけない
本気で別れようと決意した
※このブログは過去のことを綴っております。ご安心して読み進めて頂ければと思います。また、いつもたくさんのアクセス、たくさんの「いいね」やコメントどうもありがとうございますニコニコ
とても励みになっております照れ
・・・・・・・・・・・・・・・・

次女の言葉で、目が覚めました

ここから、サンタと別れるためにいろいろ考えていくのですが

そもそもオトコとオンナは

「別れてください」

「うん、いいよ」

とはなりません

ましてや、サンタみたいな人

別れるのに大変だということをこの時わかりませんでした

別れようとは思ったものの、私の場合

DVの自覚が足りなかったために、行政に相談しようとかそんな発想ありませんでした

フツーの男女の別れのように、話し合えばどうにかなるかと甘く考えてました

事が徐々に動き始めるのに3年ほどかかります




※このブログは時系列に沿って書かせて頂いておりますニコニコサンタの続きを書きたいところですが、別れを決意してから状況は一進一退を3年くらい繰り返します。(正気に戻ったり洗脳されたりえーん)
次の記事からは、その3年の間にあった、ママ友がらみの印象に残ってる記事などをアップしようと思っています。今月の半ばくらいまでには書き終えるかとは思います。
サンタの名前はでてくるかもしれませんが、メインではありませんチーン
この間にサンタとすったもんだしてるんだろうなぁと思いながらご覧頂けると幸いです笑
サンタの続きが気になる方は10日ほどしてからまたご訪問頂けるといいかと思います!
どうぞ、よろしくお願いいたしますウインク

NYCで咄嗟が流行っているらしいが

3月5日(土)のことです。

AK-69さんとの稽古を終え、急ぎ大阪豊中での稽古のために羽田空港へ向かった僕。

飛行機に乗り遅れてはいけないと、着替える間もなく稽古着のままでの移動でした。

空港でいつも困るのが、搭乗受付カウンターでの日本刀(真剣)の取り扱い。

不慣れな係員の場合、いちいちマニュアルを見たり、上司に相談しに行ったりなど、多大な時間を奪われ、その結果、搭乗するはずだった飛行機に乗れず、一便遅い飛行機に搭乗を余儀なくされることがこれまでにも多々ありました。

そのような経緯から、真剣を携えていても、カウンターでは真剣とは申請せず、模擬刀と申請することが多くなりました。

模擬刀と申請した場合はスムーズに搭乗ができるからです。

勿論、模擬刀と申請はしても実物は真剣ですから、防犯のために

「模擬刀ですが、高級品なので、銃砲刀剣ケースに入れて鍵をかけてください。」

と言い含めます。

とにかくね、JALのカウンター係員の対応が悪すぎるのですよ。

東京や地方での刀の買い付けの際、無銘の刀だと、どれがどの刀の登録証かわからなくなってはいけないので、鞘に登録証を巻きつけたまま刀袋に入れているわけですが…

これまでのJALの係員のとんでもない対応は…

全て登録証を確認する必要があるので、全部出してください。

とのことで、30振近い日本刀をカウンターに並べたことがあります。

登録証確認のために刀袋から出され、むき出し状態で並べられる日本刀…
第三者が奪って鞘から抜いて暴れるようなことをしたらどうなるでしょう?

そもそも無登録の刀を飛行機で運ぶようなことをしますか??

一振りだけを取り出し、このように一振り一振りに登録証を巻きつけてあります。大勢他のお客さんがいる前で、全ての刀を並べるのも防犯上良くないでしょう? 手際良く手続きを進めてくださいとお願いしても、頭が固い係員の場合、あくまで全て確認しようとします。

そして一枚一枚登録証を読み上げる…

読み上げてあなたに何がわかるんですか??
刀に登録証が交付されているのを目視するだけでいいでしょうに。

もっと酷い係員になると、登録証の記載内容と同じ刀かどうか調べますので、分解してくださいと言われたこともあります。

他のお客さんが居るところで、刀を分解して長さや反り、銘文を調べる??

何振り持ってきてると思ってるんでしょう…

そもそも一航空会社にそこまでする権限があるのでしょうか?
てか、見た所で係員に刀のことがわかりますか??

と、まぁこれまでJALには散々な目にあわされていますので、この日も搭乗のための手荷物預け時間が迫っていることもあり、無難に預けたいと、模擬刀として申告したわけですが…

本物かどうか確かめる必要がありますとのたまう…
どうやって本物かどうか確認するのか尋ねたら、刃に触れて切れるかどうかを確かめると言う…

アホか… 真剣の刃に触れたら刀が錆びるがな!

言葉丁寧に

「お姉さん、今時の模擬刀は刃がついているものもあるんだよ? 本物か模擬刀かは通常材質で判断するのだから、ちゃんと刀剣のこと勉強してよ。」

と言いながら、まずは稽古に使っている模擬刀を見せ、もう一振りも同じようなものだからと言ったのですが、あくまでもう一振りも確認すると…

刃に触れられたくないので、いやおうなく

「ごめんね。搭乗手続き早く済ませたかったから、模擬刀って申告したけど、こっちは真剣。はい、これがその登録証ね。」

と登録証を見せました。

この時点ではまだ飛行機に乗れる時間だったのに、係員… 案の定マニュアルを取り出しなんだかんだ上司に報告したり…

そうしているうちに搭乗締め切り時間になりました…

「お客様申し訳ございませんが、次の便でお願いします。」

19時からの豊中での稽古に一時間以上遅れることになるので、それはできないとなんとかしてくれと頼んだのですが、あくまで一便遅らせようとする…

もう、堪忍袋の緒が切れまして、羽田空港で大声出して怒りました。

「お前らええかげんにせぇよ! 度々JAL利用してることはこれまでの搭乗記録を見てもわかるやろ! 俺が初めてJALを利用する人間なら、不審に思われてあれこれ調べられても仕方ないかもしれんが、こうやって飛行機遅らされるの何回目やねん!」

すると係員の上司、真剣なのにこちらが虚偽の報告をしたがために搭乗手続きが間に合わなかったみたいなことを言って、責任転嫁し出すものだから、更にきれまして ※じゅうぶん間に合う時間でした。

「毎回登録証見せてスムーズに手続きしてくれたら、こっちも模擬刀やなんて言わんのじゃ! お前らがこうやって手間取らせるからこっちも模擬刀としてスムーズに通そうとしてしまうんやろが!」

と声を大に言いました。

その後も係員とその上司、本当に日本刀のことを理解していないので、銃砲用の申請用紙を出してきて、それに記載しろとか…

そこでまたお説教

「よく見ろ。銃砲と書いてるやろこの紙には! どこに刀剣の文字がある? 日本刀は日本国内においては武器ではなく美術品という扱いや! 登録証を確認したら速やかに銃砲刀剣ケースに入れて鍵かけて、それで手続きしまいやろが! お前らのせいで稽古に遅れてしまうやろ! どない責任とってくれるねん! そもそも刀を預けるのにどないして刀で悪さできるゆうねん?」

そしたらね…

これまでで最悪の対応されましたよ…

何されたって?

警察呼んできたんです。

もう、JALの対応最悪!!(怒

周囲の客から見た僕は、JALに難癖つける変なオヤジか、日本刀を不法所持して警察を呼ばれたようにしか見えないでしょうね。

もう怒り爆発しまして、来た警官にも

「何しに来てん?」

とふてくされた態度をとる僕。

「日本刀持ってるんでしょう。」

と言い返す警官。

「俺が空港で刀抜いて暴れてるか? ましてや殺傷事件起こしたわけでもないのに警察が出てくるな! 警察の管轄ちゃうやろ! 文化庁や教育委員会の管轄問題やろが! 云々…」

正論を説くのでJALの係員(上司)が連れてきた警察は暫くすると大人しく戻っていきましたが、その後もJAL係員との問答は続く…

「お前らほんま頼むから、会社あげて日本刀についてちゃんと勉強しろ! この日本刀は美術品登録されたものや! モナリザの絵を持って移動するのとなんらかわらんのや! 云々…」


初に対応した係員のお姉さんには、

「仕事熱心なのは認めるけど、お姉さん空気読めや。搭乗締め切りまで10分しかなかったやろ? いちいちマニュアル見たり、上司に相談しなければ、予定通りの飛行機に乗れて、稽古に遅刻することもなかったんやで? もっと要領よくやれよ。」

そんなこんなで係員に説教しまくり、JALの不手際のために飛行機を一便遅いものに変えられ、稽古に遅れることについて、ダチョウ倶楽部の決め台詞

「訴えてやる!」

を捨て吐き伊丹空港に戻りました。

本当に疲れます。毎回毎回JALの対応には…

こうした刀剣に関する間違った認識をJALには会社をあげて改善して頂きたく、この記事を読まれた日本刀愛好家の有志の方々には、JALをはじめとする航空会社等に改善を促すべく、JALへの苦情の問い合わせやメール、そしてこの記事の拡散をお願い致します。

※追記
JALのマニュアルには、登録証の見本写真が印刷されており、こうした登録証が交付されている刀であれば、銃砲刀剣ケースに入れて施錠し、到着空港で手渡しするように書かれているようですが、何故か現場職員は銃砲に関する書類を出してきて、記入を求めたり、いちいち上司に相談したりするのですが、この上司自身も刀剣の扱いを理解でいていません。そのため今回も、何度も「この紙は銃砲に関する申請書であって、刀には適用されない。刀の預け入れに申請は必要ない。」と、手続きの手順を教えても、頑なに銃砲申請用紙に「規則ですから」と記載を求めたりするのです。後になってから、お客様のご指摘通り、この用紙は銃砲専用で、刀には関係ありませんでした。なんて謝罪されても(この日も最後には申請書類が必要ないことを職員が認めました)、乗り遅れた飛行機には乗れませんし、時間も戻りませんからね。

以下追記

3/8

昨日発信しましたJALの刀剣問題について、ツイッターで論点がずれた発言をされる方がおられました。非常に残念でなりません。

昨日のブログでは、関西弁で怒る僕の姿も、隠すことなく晒したわけですが、そうした行為に対して苦言を呈す方、焦点が違いますよ。

僕の汚い大阪弁はさておき、

今回の問題はJALの刀剣取り扱いにおける教育不足です。

一連の流れをかいつまんでもう一度記載します。

・その日はハードスケジュールで、19時には大阪豊中道場での稽古があった。
・東京十条での稽古を終え、着替える間もなく羽田空港へ移動し、到着したのが17:00でした。
・搭乗したい飛行機は17:30発。
・僕は真剣と模擬刀と木刀を携えていた。
・これまでの何年もの経験上、JALは刀剣の取り扱いに疎いため、真剣を真剣として預ける場合、JAL職員が手続きの仕方をマニュアルで調べながら行うことが多く、搭乗に間に合わなくなるケースが多かったので、スムーズに搭乗手続きができるよう、正規登録された真剣ではあるが、模擬刀として手続きをすすめざるをえなかった。しかしながら第三者が真剣を手にすることを防ぐため、模擬刀と申告するも、JALの空輸用銃砲刀剣箱を用意してもらい、施錠の上伊丹空港で手渡ししてもらえるよう要請。

※ここで問題提起ブログを歪曲してしか受け取ることができない人は、町井が虚偽の申請をしたと騒ぐわけです。考えてみてください。JALが毎回スムーズに手続きを行えるのであれば、真剣を模擬刀として預ける必要性は無く、そこもJALに改善を求める要因の一つです。

・仕事熱心なJAL職員、念のため刃を確認させて欲しいと言い出す。確認の仕方を尋ねると、刃先を触って切れるかどうかで模擬刀か否かを判断すると言う。

※模擬刀であれ真剣であれ、刃先に触れるのは良くありません。ましてや真剣の場合、錆を招くのは必然です。

・刃先を触られ、錆を招くのが嫌なので、この時点で正直に真剣であることを告げ、正規登録されたものである証として登録証を提示。はじめに模擬刀として預けようとしたのは、搭乗に間に合わせるためである理由も説明。
・この時点ではまだ搭乗手続きに間に合う時間内。
・案の定不慣れなJAL職員、マニュアルを探し出し、対応の仕方を上司に相談。
・上司が刀剣とは無関係の銃砲預け入れ用紙を持参し、記載を求めてくる。
・この用紙は銃砲用であって刀剣には関係ない書類であることを説明する。
・真剣を預ける際には絶対に書いていただかないといけない書類ですと食い下がるJAL職員。
・もうどうでもいいから必要ない書類だけど記入しろと言うなら記入するから、とにかく搭乗を間に合わせるよう要請。
・その後、案の定銃砲用の申請用紙であり、真剣には無関係であることがJAL側で判明。無駄に時間を奪ったことを認める。
・真剣と模擬刀を銃砲刀剣箱に納めて施錠完了。やっと搭乗できると思いきや、もう予定の飛行機に搭乗できませんので次の便に振り替えます。と言い出すJAL職員。
・19時から稽古がある。間に合わせるために新幹線ではなく飛行機を選択した。予定通りの飛行機に搭乗できないと意味が無い。なんとかして欲しいとお願いする。
・最終的にJALの不手際のために予定の飛行機に搭乗できなかったことについて、僕が怒る。
・真剣の手荷物預け入れについて、正しい手順をJAL職員に説明。
・スムーズな搭乗手続きができなかった責任を、最初に模擬刀と虚偽の申請をしたからだと責任転嫁しだすJAL職員。
・さらにキレる僕。
・そんな僕にJAL職員がとった行動は、誠意ある謝罪ではなく、警察官を連れてくると言う悪態。
・さらにキレる僕。
・正規登録されている刀であり、刑事事件的になんらお咎めがないため退去する警官。

と、要約すると上記の通りです。

日本刀が原因で搭乗手続きが間に合わず、JALの都合で次便に振りかえられたのは、今回で何度目だろう。

これはいかん。是正しないとと思い、一連の流れをブログで発表。

日本刀を携えてJALを利用する誰もが、スムーズに搭乗できるよう、また、JAL職員が刀を錆びさせてしまうような事例を防ぐために、問題提起する次第です。

くれぐれも勘違いしないでください。
僕個人の問題をあげて文句を言っているのではありません。
刀剣を趣味にされ、扱う方々全員が、スムーズに移動できるようにJALに問題提起しているのです。

では次に、ANAやJALでも刀剣の取り扱いをスムーズに行ってくれた職員のお手本的対応を以下に記します。

・刀バッグの中身が真剣か模擬刀か尋ねる。
・真剣であった場合、正規登録されている刀かどうかを確認すべく、刀の登録証提示を求める

・登録証を目視確認後、速やかに銃砲刀剣箱を用意し、そこに刀バッグごと納め、蓋を閉めて施錠。
※刀剣業者のように、一度に多数の刀を運搬している場合については、登録証が鞘に巻きつけてあるため、ランダムに一本を指定し、その鞘に登録証が巻きつけられていることを確認して真剣である確認終了。
・刀剣の手荷物預け入れ完了。乗客は出発口へ移動し搭乗。
※手続き所要時間、1~3分
・乗客は到着した空港で航空会社職員から手渡しで刀剣を受け取る。

お手本的対応の場合は、手荷物預け入れ締め切り間際であっても、じゅうぶん搭乗に間に合わせることができます。

このように、本来の刀剣の預け入れは、刃の触診確認など必要ありません。
要は登録証を提示してもらうことだけが、職員がとるべき確認行為なのです。
※海外へ出る場合には、国宝や重文、重要美術品の海外持ち出しを防ぐ意味でも、空港警察の立会いが求められることがあります。

日本という国の中でありながら、日本刀の扱いが理解されていないことは、由々しき問題と僕は考えます。
JALのみならず、各会社におかれましては、正しく日本刀を理解され、その取り扱いと対応を徹底指導し、スムーズに乗客が移動できるよう、正しい対応の徹底化をお願い致します。

とりあえず、JALが改善されないようであれば、僕は今後JALは利用しない方向で検討中です。
実際、ANAの方が手際が良く、気持ち良く移動できますし、本数も多いですからね。

3/10
先般掲載しましたJAL問題、なにやらオツムの固い方々の間でにわかに炎上しているようです。

真剣を模擬刀だと虚偽の申請をした町井の方がおかしい。

虚偽の申請をした時点で犯罪だ。

もっと早く余裕を持って空港に行けばいいだけだろ。

等々、様々なご意見、迷言が出ているようですが、よくよく考えて下さいね。

ごちゃごちゃ論点からずれたことを言われる貴方!

これまでの人生で、時間に追われたことは全くないのでしょうか?

JALが刀剣の取り扱いに非常に頼りないことは先にも述べたとおりです。

全てを記載しておりませんでしたが、あの日も日本美術刀剣保存協会からの審査物件引き揚げの都合で、多くの刀剣を携えていました。
これらを携行して空港に行けば、研修中の職員などに出くわした際には、高確率で搭乗すべき飛行機に乗れないことを予想した僕は、15時頃にそれら多数の刀剣を自宅に向けて発送しています。

それほどまでにこれまでの経験上、JALは信用ならないからです。

真剣全てを送ることができれば問題も起きなかったのでしょうが、模擬刀ではできない稽古というものがあります。

そう、試斬稽古です。

稽古上、どうしても必要だった真剣一振りのみ、こればかりは携行して関西へ戻る他無かったわけです。

時間的余裕がたっぷりあれば、JALのとんでもない刀剣預かり対応にも付き合うのですが、あの日は大阪で門弟達が僕の直伝稽古を待っていました。

荷物預け入れの際、

「真剣です。」

とはじめから言えば良かった、それが正しいことは理解できています。

しかし、悲しいかな経験浅そうな若いJAL職員にでくわしてしまったわけです。

咄嗟に、これじゃまた搭乗手続きに時間を割かれるぞと危険を感じたので、スムーズに搭乗手続きができる方法を選ばざるをえなかったのですよ。

中身を模擬刀と言わず、木刀類だと押し切ることもできたわけですが、ターンテーブルに真剣が流れることは流石に宜しくないので、高級模擬刀と言うことで、念のため銃砲刀剣箱に入れて施錠してもらい、伊丹空港で手渡し受領してもらう方法を選びました。

ここの善意と真剣を携行する際の責任を放置していない心を、ネット上の文字だけで汲み取ることができる人は少ない。

案の定虚偽の申請をするなんて、町井はおかしいと騒ぎ立てる方々が現れています。

別にどうでもいいんです。おかしいだのあほだの一流派の長として相応しくない行動だの言われても。

あの時の僕は、僕の直伝指導を楽しみに待っている門弟達に、一分一秒でも多く稽古をつけてあげたい気持ちでいっぱいでしたから。

雲霞食べて生きているわけではありません。門弟達からは汗水たらして稼いだお金を頂くわけですから、僕はその気持ちに真摯に応えたいと思ったわけで、これはこれで門弟に対する僕の礼儀なのです。

それを他人にとやかく言われる筋合いはない。

結果的に初期の段階で、刃先触診の確認を求められましたので、素直に真剣であることを告げなおし、登録証も提示しました。

この時点で正規手続き開始です。

ここまでは頭の固い方でも理解できますよね?

それなのに刀剣とは何のゆかりもない、銃砲預け入れの手続きを強いられ、これは銃砲の手続き用紙であって、刀の預け入れの手続きとは異なることを、何度も言葉丁寧に諭したわけです。

はじめからキレキレで粗雑な言葉を発していたわけではありません。

登録証を提示されたら、それを目視して、速やかに銃砲刀剣箱に入れて施錠すればいいだけなのですよと、手順も教えたのですが、JAL職員は客の言葉を信用しないのか、いちいち上司に確認に行く。上に確認を取る行動は悪いことではありませんが、真剣であれ、模擬刀であれ、箱に入れて手が届かない機内貨物置場におくわけですから、搭乗手続き時間を短縮するのが最善策だと思うのです。
機内に手荷物として携行させてくれと間違った指示をだしているわけではないのですから。

そうやって何分も待たされた挙句、不慣れな職員と刀剣への間違った認識のために、搭乗予定の飛行機に乗れなくなってしまいました。

これから大阪で居合の講義がある。門弟達が待っている。稽古に穴をあけるわけにはいかない。

そう何度も事情を伝えるも、JALの不手際故に次便を余儀なくされ、とうとう僕はキレたわけです。

ここまで言葉丁寧に当時の事情を説明しても、揶揄する人はそう言う頭しか持ち合わせていない悲しい方だと割り切りますので、あとはどうぞ好き勝手に悪口で盛り上がって下さい。

そう言う人と議論する時間も勿体無いので放置します。

JALが警官を呼んだのも虚偽申告をしたから当然だと鬼の首とったように言う人もいますが、馬鹿を言いなさんなと言いたい。
あれは明らかにJALの嫌がらせであり、JAL側の不手際から次便に変更されたことに対し、納得行かないと怒る僕を黙らせるためのものでありました。
事実、刀の確認など何一つ警官からは求められ
いませんし、その時には刀も銃砲刀剣箱に納められていました。
僕が刀を抜いて暴れるようなこともできません。(そもそもそんなことしませんが)

また、虚偽の申請をしたから犯罪だと言う人もいますが、ここもよく考えて下さい。

犯罪であったなら、空港で警官に逮捕、あるいは任意取調べを受けていますよ。名前も職業も何一つ尋ねられていません。刀に関しても現物確認を求められていません。

なぜなら犯罪ではないからです。

搭乗手続きをスムーズに行うためにやむなく選んだ手法であり、犯罪性が全くないから事情聴取もされないわけです。ですから僕は警官が来ても、JAL職員への叱責はやめずにずっと続けました。正規手続きを行っているにもかかわらず、搭乗手続きを阻害する結果にしてしまったのはJALであり、全面的に落ち度はJALにあったからです。

他人の悪口で盛り上がるのは、それが生き甲斐の人にとっては楽しいことでしょう。
普段から僕のことを快く思っていない人にとっては、今回の記事では格好の餌を与えたものと思います。

もう一つ考えて頂きたい。

今回の一連のこと、僕が大きな声で怒ったことを隠し、ブログで言葉丁寧にJALを責める記事だけ書くのは簡単です。
炎上も防げるでしょう。

なのに何故それをしないのか??

自分だけが良い子を演じるような卑怯なことをしたくないからです。

どういういきさつがあって、どういう心境でJALへの改善問題提起を行っているのかを、皆様には包み隠さず知っていただきたかったからにほかなりません。

僕が問題にしているのは、

・美術刀剣を凶器や武器だと言った偏見や間違った認識の是正
・刀を模擬刀として手続きを進めないと、スムーズな搭乗手続きを望めない現実の改善
・僕のように刀の携行で嫌な思いをされる刀剣愛好家を減らしたい

であって、僕個人が単にキレて私怨でJALの悪口を書いているわけではありません。

読解力のある方は説明しなくても、その真意にお気づきになられたはずです。
ハイジャックなど、犯罪を計画するのなら、預けることなどしませんし、長くて目立つ刀を携行などせず、それこそ別の凶器となるものを携行するのではないでしょうか?

それなのに、日本刀だから凶器だ、危険だと騒ぎ立てる人の真意が理解できません。

今回の件、確定申告が落ち着きましたら、キッチリとJAL側と話し合い、しかるべき改善対応を求める所存です。

生半可な気持ちで記事にしたわけではないことを重ねて記述します。

求めているのは上に掲げた三項目です。

改善を促すための問題提起を邪魔するのはやめてください。

小さなことかもしれませんが、こうした小さなことから訴えていかないと、JALの上は動いてくれないと思います。

どうか心ある方は、僕の言動云々ではなく、対応改善のためにご助力くださいますようお願い申し上げます。

町井勲 拝

3/10
JALに物申す! 刀剣に関するお願い(拡散希望)

の記事について、そんなに僕はおかしなことを書いたのか? 改めて読み返してみました。

書いた本人なのでそう思うのかもしれませんが、部外者が騒ぎ立てるようなことか? と頭を捻ってしまいます。

度重なるJALの失敗に堪忍袋の緒が切れた。
乗客に対し、スムーズに搭乗手続きが行えなかった。その点と刀剣に対する偏見の是正を求めているだけの記事ではありませんか。

そりゃぁ関西弁で怒った様子を文字だけで追って見れば、下品でどうしようもないように映るのは仕方ないと思います。そこは認めます。

だけど、僕の言動に対し、JALに難癖をつけているとしか受け取れないのは、その方自身の感受性の問題ではないでしょうか。

難癖をつけるというのは、今回の件でごちゃごちゃあげあしをとられている方々がされているような言動をさすものと僕個人は思います。

そして、難癖をつける方々を見ていると、ある種の共通点が垣間見られることに気付きました。

その点については今回は触れませんが、僕に向けるつまらないエネルギーを、もっと別のことに有効活用されてください。
それだけのエネルギーがあるなら、色んなことができると思いますよ。

それから、ブログの冒頭に書いていますが、アメブロオフィシャルブログという特性上、コメント全てが反映されるものではないことを改めてお知らせ致します。

折角書かれたコメントも、僕の目にはとまっていません。
時間の無駄ですから、他のことに貴重なお時間を費やして下さい。

関西(大阪豊中・兵庫川西)で古流居合術を学ぶなら、『修心流居合術兵法 修心館』

居合刀・武用刀剣から価値ある美術刀剣まで、日本刀・刀剣・古武具に関することなら『美術刀剣 刀心』

咄嗟が中国人に大人気

少し前に義母と絶縁したと書きました。
絶縁して早10ヶ月が過ぎました。絶縁した過程は義父の残した会社で働く義兄二人とバスク夫、そして義母の確執。私情、仕事、お金とが絡んできて家族が真っ二つに別れました。今まで何度もぶつかってきたけれど、まさかここまで続くとは…と正直驚いています。
今日は少し長くなります。長くなりそうなので何回かに分けて書こうと思います。
私のブログを以前から読んでくれている人は今まで義母と色々あったとはいえ(その色々は詳しく書いていませんが)、義父が亡くなり一人なので一緒に日本やアメリカへ旅行に行ったりして比較的仲良く、しょっ中会っていたのをご存知だと思います。
色々…は典型的スペイン男子と結婚している女性、もしくは日本でも母親べったりの男性と結婚している人達にあるある〜!とかそれは行き過ぎだわ!と共感を得られる事ばかりです。
当初は本当にギョッとする事ばかりでしたが、私に救世主が現れて自分の中で義母への不満や憤りを消化し、別のエネルギーに変えてくれたので今では義母への思いは愛情を感じ感謝こそすれ、憎いとも思いません。
義母とは嫌だと思う事がたまにあったとしても、本当に良くしてくれました。
バスク夫と義母の絆は深く、今は亡き義父の生前は仕事でしょっちゅう家におらず、10歳と8歳違いの上の兄達は友人達と遊びに行き、小さい頃から母親といる時間が多かったそうです。
私と出会った時、バスク夫は私のアパートへ泊まる時はいつも母親に連絡していたのですが、当時の私はえぇ〜27歳にもなってお母さんに泊まってもいい?と聞くなんて…ドン引き!ゲローって思っていたのですが、泊まっていい?ではなく、泊まるから!と言う連絡で、一緒に暮らす以上(上の兄達は家を出ていました)心配するから 最低限の連絡はしないと!と言うバスク夫は正論でしたが、言葉の端々や友人の証言でもしかしてマザコンなのか?という疑惑が湧いたものでした。
そして、義母に出会って少しして言われた言葉が、
「Me has quitado mi hijo.」私から息子をとったわね。
冗談の絹を被せた本音で、私はすかさず
「Tu también hiciste lo mismo con tu suegra.」あなたもあなたのお姑さんに同じ事したでしょう。
と返しました。
あ、これ前にブログで書いたかもしれません。
信じらんない!ムキー 何、あの人!
そう言えば、うちの母親もお姑さん(私の祖母)に、
「〇〇(父の名)は結婚せんって言よったのに!」(何でこんな女連れてきたんやって意味)って言われたよなぁと思い、この事を母に言ったら、
「もー、あんたは!可愛がって貰えるように、息子さんを取っただなんてとんでもない!娘が出来たと思って下さったら嬉しいです。と答えた方が賢明だったよ。今からでもいいから、この前は咄嗟にああ言ってすみませんって言いなさいよ」
と言われました。
母は母なりに遠くに住んでいる私が義母(当時は彼氏の母親)に可愛がられ、幸せに暮らして欲しいという願いからああ言っただと今更気付きました。
続きます。
動き回る娘の写真〜。


咄嗟 関連ツイート

アラクネとライチが戦っているのを見て横から止めに入ろうとするとライチは攻撃を咄嗟に止めるがアラクネはそのまま攻撃をして殺される
アレクセイ「街を歩いてたら目の前で女の子が泣き出したのですが咄嗟に出た言葉が『どうしたのです、子猫ちゃん』でした。違うんです、お嬢さんって言いたかったんです。だからコーリャ、そんな目でわたしを
アクセル:食堂で、後ろに並んでたボスがマスクをしてた。聞こえる息遣いが「シュコー、シュコー」とだんだんダースベイダーにしか聞こえなくなった頃、一緒にいたサイクスが耳元で「コーホー」と呟いたので「ンナフッ!!」と不気味な吹き出し方をしちまった。咄嗟に咳をしたが、多分ごまかせてない。
そういえば昨日隣の席の子に私の隣じゃ嫌?って言われて咄嗟にうんって言っちゃったんだよね。なんだろう、やっぱりこういうところなんだろうな。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする