咄嗟 快適生活応援企業
都築まきこです。
の続き
「私、まだまだここに枠があったんだなー」と
気づいたエピソードです
みんなでたくさん語ったあと、
夜の天神の街を歩き、
友人のしおんさんと「また明日ね〜」と別れて
その日に宿泊するホテルに入りました。
(しおんさんは翌日、
私の飛行機の時間までに
また会いに来てくれることになっていました)
いつもどおりチェックインの受付をして
お部屋に案内していただいたのですが、
「ん??なにかある??」
テーブルの上に
紙袋が置かれていました
ホテルからのサービスかな??
って思ったのですが、
(そのホテルは何度か利用させていただいている
リピーターなので)
あれ??なにか違う…
中に入っていたのは、
可愛い袋とDVD、
そしてお守りとお菓子とお手紙
もしや??
ドキドキしながら
お手紙をあけて読んでみたら、
「あーーー、しおんさん!!」
そう、さっき別れたばかりの
しおんさんからのプレゼントだったのです。
私をビックリさせようっていう遊び心で、
直接、渡さないで
前もってホテルに預けてくれていたみたいで…
こういう一つ一つに
毎回、驚かされ、喜ばせてもらっていて、
しおんさんに会うと
予想もしなかったことが起きるし、
サプライズがいっぱいで
どこに何が仕掛けられているかわからないので
ワクワク&ドキドキがいっぱいなのです
7月にお会いしたときも、
私がご馳走をする予定だったのに、
予約されていたのは別のレストランで(笑)
サプライズディナー&花火鑑賞を
楽しませてもらいました。
あーー、もう泣ける
でも、
こういうときに
こんなふうにも思ったりするのです。
「なんか、申し訳ないな…」って。
嬉しいのに。
すっごく嬉しいのに。
こんなにしてもらって
申し訳なかったなぁ…
わざわざ
手間をかけてしまって
ごめんねぇ…
そんなふうに
有難いのに申し訳ない!
という受け取り方をしてしまう自分がいて
でも、すごく嬉しかったので、
翌日会ったときに
たくさん「ありがとう♡」を伝えようって決めて、
その夜は寝落ちしたのです。
そして、翌日。
私が泊まっていたホテルまで
しおんさんが来てくれたので、
一緒に食事をすることにして
チェックアウトのときに、
フロントの方に
「追加の代金はございません」って言われて、
あれ??
宿泊代は事前決済でカード払いにしていたかな??
って思い、
そのまま楽しいランチタイムへ
そのときの会話で、
しおんさんが前日にこのホテルを訪れ、
「明日、チェックインする都築まきこさんの部屋に
これを置いてください。
私、友達なんです」
と、不審がられないように
一生懸命サプライズを説明した…
という話を聞き、
有難いやらおかしいやらで
二人して大笑いしている途中に…
ふと。
ふと、気づいたのです!!
『ねぇ!!!
もしかして、
私の宿泊代金も支払ってくれた??』
「うん、昨日プレゼントお願いするときに
それも払ったよ〜」
ビックリ仰天!!
まさか、まさか。
プレゼントを置いてくれただけではなく、
宿泊代まで払ってくれていたなんて…
『えーー、ありがとう!!
でも、そんなにしてもらうの悪いよーー。』
咄嗟に出た言葉。
でも、しおんさんはこう言うのです。
「あのね、
私はこれがしたかったの!!
こうやってお金をつかいたいの!!
だから、ここは喜ぶだけにしておいてよー。
こういうお金のつかいかたを教えてくれたのは
マキさんなんだから♡」
う、うん…
ありがとう
ありがとう…
なんですよ。
ありがとうしか出てこなくて。
なのに、
私ったら
『それなら、ここのレストランは
私に支払いさせてね!』
って、余計なことを言い…
「もう!!
私は、こういう
おもてなしがしたかったんだから、
マキさん、素直に受け取ってよ!」
と、しおんさんに軽く怒られました(笑)
こういうのって癖ですよね
私は昔から、
誰かにご馳走したりとか
ご招待するのが大好きで、
いいよ、いいよ♪って
わりと全部の支払いをしたがる人間です。
「私と一緒にいるときは
お財布いらないよー」
って、よく言っていたので、
妹は買い物に行くのに
本当にお財布持たずに来たりします
でも、
誰かにお金をつかうことが
すっごく好きなんです
ここまで、
奢られるよりも
奢るほうが圧倒的に多い人生だったので、
それはそれで大満足なのですが、、、
いざ、
今回のように
受け取る立場になったときに、
あわわって、
どうしていいのかわからなくなってしまいます。
有難いのに
申し訳ないな…とか。
ありがとうなのに
ごめんね…とか。
トンチンカンなことになってしまい、
本当にいいの?いいの?って
素直に受け取ることに抵抗があったりもして。
でも、今回のことで
気づいたのです。
幸せを増やしていくためには、
心地よく快く
受け取っていくことも、
やっぱり必要だって
バランスの問題ですね。
与えるだけでもおかしいし、
受け取るだけでもおかしい。
どちらも必要。
どちらも大切。
そのバランスがとれたときに、
もっともっと
いろいろな流れが良くなる気がしました
この福岡の時間で、
私はとことん
受け取らせてもらう立場になったわけですが、
(不慣れなこの立場に戸惑いましたが…)
実はそこから、
あれもこれも
どんどん好転しています
お金のことだけではなく
すべてにおいて…
素直に受け取るチカラがあれば、
もっともっと
「受け取れる有難い出来事」が
増えていくのだと思います。
自分でも知らないうちに、
遠慮という名の
受け取り拒否をしていることもあるので、
それはやっぱりもったいないな…と。
素直に受け取るチカラを磨く
って、大切ですね
みんな
もっともっと
受け取っていいのかも
ありがとう、
うれしい、
よかった!!って、
小さなことから大きなことまで
遠慮なく受け取っていった先で、
「幸せをたくさん受け取れる自分」に
きっとなっていると思います。
そして、
受け取るもあれば
与えるもある…
そのバランスを大切にしていくことで、
人生というのは
もっともっと豊かに楽しくなる気がします。
私もまだまだ
「受け取り下手」なところがあったし、
そこにも気づけたし。
感謝、大感謝
とても良い勉強になりました!
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韓国で咄嗟が流行っているらしいが
いつもブログを見て下さり
ありがとうございます。
ありがとうございます!
ノリで参加したら「えええええ!」でした。
かとは思いますが、興味のある方は是非
※思いついた3匹の動物とそれぞれの
印象を思い浮かべて下さい。
あと機械に対する印象を思い浮かべて下さい。
②動物とその印象
③動物とその印象
④機械に対する印象
①あなたが理想とする自分
②あなたが周りにどう見られているか
③現在のあなた自身
④あなたのセックスに対する印象
②猫(もふもふ)
③犬(もふもふ)
④強い
大好きなハイネックがどうしても似合いません
ないんですが、咄嗟に頭に浮かんだ動物が
首の長いキリンでした。
自分の思っている以上に根深いのかも
しれません、、
(②~④の答えに関してはスルー)
咄嗟をうまく使う、たったひとつの冴えたやりかた
〈 shige side 〉
もう梅雨が明けるだなんて
一体誰が言ったんだ?
週間天気予報は
ずらずらーっと雨マーク
週明けまで雨続きらしい
戻り梅雨…か。
こないだ漬けた梅達に
二つ乗せた重石を一つ減らしながら
…どうか、カビないで欲しい、
そう願う。
そして
やっと
まっすーの誕生日がもうすぐ終わる。
重石と梅干しと
想い人の誕生日… (笑)
って、どんな組み合わせ??
やっと長い一日が終わってくれる…
もう今日は数時間で終わるんだからと
胸をなで下ろしてもいいものか
それとも
まだ間に合うと
悪足掻きしてみるか…?
まだまだ諦めの悪い時間は
長引きそうだ
昨夜は深夜まで一緒に撮影していた。
あとワンカットで終わりだったが
チェック作業の待ち時間に入り
しばしの休息を、と
間に合わせのパイプ椅子に
まっすーと二人並んで座り
話をするでも
何をするでも無く
忙しなく動いているスタッフさんや
スタジオのセット移動などを
腕を組んでぼんやりと眺めていた
隣に座るまっすーも
ぼんやりと同じ方向を向いて
パンツのポケットに手を入れ
決して長くは無い足を前に投げ出して
座っていた(怒られるだろうな(笑))
不意に時計を見たら
12時を既に回っていて
「…あ。」と声が出た。
「ん?」と俺の声に反応し
唇を少し尖らせ
キョトンとした顔でこっちを見る
少し眠そうなまっすーの目
「おめでとう。」
とまっすーに言った
「…?」と 眉を少し上げて首を傾ける
「32才ですか。」と言ったら
一瞬の沈黙の後、何の事かと思い出し
「…ああ!俺、…」と目を輝かせた
「忘れてやーんの。」
「うるせー。忙しいから。俺。
誕生日どころじゃねーしっ。
シゲがさっさと靴くれないから
忘れてたわ。」
「…あ!それ!…ウェブで書くなよなー」
「備忘録としてね。
ファンのみんなにチクっといた!
シゲがくれないんだよーって。
…はい。」
と手のひらを俺に差し出す
「…何か?」
「…靴!もちろん今日持って来てくれてるんだろ??
はいっ、ちょーだいっ」
「…持って来てねーしっ」
…ああ…うっかりしてた…
「…っだよ〜何ミスってんだよ〜〜」
…おっしゃる通りですわ。
「だいたい今日誕生日って忘れてた人に言われたくないっす。」
「あーいつくれるのかな?今日かな?
今日は始まったばっかだし?
今日中のどっかのタイミングでくれるのかなっ?…ふふっ、待ってよーっと。」
…とかなんとか言いながら。
どうせいろんな人からお祝いされるんだよね、この人はさ。
あらゆる界隈で愛されてるからね。
天性のアイドルだよ、ホント。
だから、くれくれ言ってんのも
今だけ。
この現場から帰ったら
忘れちゃうんだよ。
俺にくれくれ言ってた事だって
…俺のことだって。
…知ってるし!!!
靴なんて
今日絶対やんないっ
全然カンケーない日に渡してやるんだっ
嗚呼、
『おめでとう』なんて
言うんじゃなかった!!
返せよ…俺の『おめでとう』をさ…
渡しそびれた
靴の入った紙袋
テーブルの上で
お嫁に行くのをシャンとして待ってる
別に
誕生日に合わせて買ったんじゃ無い物を
まるで準備してたかの様に
誕生日に渡すってのもちょっと
こっぱずかしいし
でも昨日二人での仕事だったのなら
サラリと持って行けば済んだ事
こんな時、出来る男なら
ちゃんとそのタイミングを逃す事なく
サラリと手渡せるのだろう
そんな器用に頭が回らないのが俺。
もうすぐ増田さんの誕生日も終わるなー
…くそぉ…
もういっそのこと
早く終わって欲しい!!
まだ若かりし頃
一人きりのクリスマスの夜に思った
恨み節と似てる
クリスマスなんて一体誰が始めたんだ!!
キリストの誕生日??
は?
みんな揃っていつからクリスチャンになったんだ!!
どいつもこいつも浮かれやがって!!
『あー早く今日が終わればいい!!』
と自分の意気地のなさを棚に上げ
今日一日、一体何度思っただろう
『今日はまっすーの誕生日』
引き揚げた重石の行き場を考えながら
キッチンをウロついていると
…♪…
携帯がLINEが届いたのを知らせた
重石を下ろすことなく
主人を呼びつけた携帯の元へ向かう
LINEを開くと
…まっすー??!
思わず
重石をソファに放り投げてしまった自分に先ず驚いたが
そんな事よりも
こんな時間に、
いや、
こんな日に
まっすーからLINEが届いた事が
もう事件だ
しかもグループLINEじゃなくて
俺個人に宛てたもの
呼吸を整えLINEを開くと
『飲んでました』
…知ってるし!!
どなたかに祝って貰ったんでしょうな!
翔くん?
薬丸さん?
…手越…
…とか…?
それとも別の?
いや、別に良いけど!!
誰だって!!
今ここに居る俺じゃあ無い事は
確かですからねっ
画面の文字を睨みつけていると
既読が付いたのに気付いたのか
俺の返信など待たずに
『一人で川沿いを歩いてます』
…川沿い??
どこ歩いてんだよ…
俺の住むマンションの近くにも川がある
もしかして
近くに居んのかな…
いやいやいや、…
まさかまさかまさか!
無い無い無いっ!
期待し過ぎっ
だいたい
…『一人で』って…何アピールだよ…
心を忙しく騒つかせながら
彼の心情を読み解いてる間にも
ポンポン軽快な着信音は鳴り続ける
『雨だね』
『結構降ってる』
『傘持ってて良かった』
『傘を持ったたかひさ(笑)』
…笑ってるよ、おい。
てか、酔ってんだろね。
『あじさい綺麗だよ』
…さいですか。
『あやめじゃないよ、あじさいだよ』
…何言ってんの、この人。
LINE内の空気も止めれるって
ある意味凄いよな。
これは返信しなくて良いやつかな、と思い
返信はせずに
しばらく送られてくるものに
目を通すだけにしよう
そう思った時
『シゲんちの近くのあじさいの森だよ』
は?
…こんな雨の夜に…??
シゲんちの近くぅ???
そういえばこないだ撮影したところが
あじさいが綺麗だった、って
俺の家の近くだ、って
話してくれたのを思い出した
…『あじさいの森だよ』、って…
…で??
俺にどうしろと??
家を飛び出して
会いに走りたい衝動が
沸々と胸の奥から湧き上がってくる
…あそこの緑地公園にまっすーが居る…
うちから歩いて5分程…
そして少し間を置いて
『会いたい』
と届いた…
…はぁ????…どういう…???
…その心はぁ???????
思わず携帯を握り潰してしまいそうだ
(そんな握力さらさら無いけど!)
呆然と画面に目を落としていると
『会いに来てよ』
机の上で嫁に行くのを粛々と待っていた
紙袋を持って俺は部屋を飛び出した
しかし
マンションのエントランスを抜け
愕然とする
…ああ、そうだった…
今日一日部屋に籠ってたから
雨降ってんな、とは思ったてし、
知ってたけど!
窓から見える雨の景色は
スクリーンの向こう側みたいで
どこか他所の話のことの様に思ってた…
あんなに鼻息荒く出てきたというのに
既に足止めを喰らっている
…雨…すげぇ降ってんじゃん
ああ…傘…乗ってくるの忘れた…
傘を持たないシゲアキは…
…んな事言ってる場合じゃねえ!
傘なんてもういい!
もう一度エレベーターで上に戻ってとか…
戻るとかって、
…無ぇしっ!!!
意を決して
俺は走り出した
まっすーの元へと…
等間隔に並ぶ街灯が照らす歩道
横を通り過ぎる車のヘッドライトが
傘を取りに戻らなかった事を
後悔する程の雨量だと
雨を照らして知らせる
手はもうぐっしょりと濡れてしまった
紙袋を頭に乗せて
雨の中を走る
もうすぐ31才蟹座のA型
まっすーは蟹座のO型
A型とは相性が良い
しかしO型は
B型とも好相性だと聞いた
手越はB型…
小山はO型。
恋のABO…か。
恋でもしなきゃ血液型なんて
全く気になんないものなのに
結構気にしちゃってるから俺、
恋
しちゃってるんだろなぁ…
んなこた
どうだっていいっつのっ!!
急げ…!!
まっすーの誕生日がもうすぐ終わる
どうでもいい なんてのは嘘だ
会いたいに決まってんじゃん!
どうか間に合ってくれ…!
雨粒のカーテンが身体を包むように
全身を濡らす
傘を持たない者には厳しい条件下の元
『来い』と言われたなら
従順なまでに
愛しい人の元へと
びしょ濡れ上等で向かう
シゲアキくんなのである
…なんていじらしいんだ…っ
服を余す事なく濡らす雨
気づけば雨は少し落ち着き
今やそうした事が無意味に思える
頭に乗せていた紙袋
少々の雨なら
耐えられる紙の素材の筈だが
思わず力が入り握りしめてしまい
皺になったところは水分を含んで
色を変えている
嫁入り前に
こんな無残な姿にしてしまった俺を
許してくれ…
ごめんね。
シゲはガサツだと言われても仕方ない…
こういうとこなんだろなぁ。
人に渡す物を、
こんな姿にしてしまうなんて
と 自分自身の普段の行動と併せて省みつつ
中身を確認する
…中身は…うん、大丈夫だ!
女は顔じゃない!中身だよ!
なんてな。
公園の入り口が見え
走る速度を落とし
息を整えながら歩く
ポツポツと街灯が照らす
紫陽花の待つ雨の公園
舗装された道を歩き
まっすーが待つであろう
『あじさいの森』を目指す
晴れた月の夜なら
カップルがデートしている姿を目にしたかもしれない
そして俺は
その景色の中
朽ちた紙袋を下げた
結構な不審者だったかもしれない
しかし今日は雨
しかも結構な土砂降りだったからね
案の定
誰も居ない
人の目を気にしなくちゃいけない俺達には
好都合だ
神様が与えてくれた
秘密の花園…
『あじさいの森』…
ここか…
様々な色や形の紫陽花が咲き誇る
雨が似合うね
雨粒が大きな葉に当たって落ちる音はまるで
紫陽花達がお喋りしてるみたいで
賑やかだ
道に沿って紫陽花の並ぶ道を行くと
透明のビニール傘が見えた
夜の公園に浮かぶ海月の様にそれは
美しい生物に見え
その傘に覆われた
紫陽花を見てるまっすーの横顔の造形美に
思わず足を止めてしまう
『好きだ』
言えない言葉が
テレパシーで届いたみたいに
まっすーがゆっくり
こっちに身体を向けた
「…シゲ…?!」
ずぶ濡れの俺に驚き
駆け寄る
「…まっすー…」
俺の手前で
ふわりと傘が宙に舞い
街灯に照らされた
透明な海月が
キラキラと光を発しながら弧を描き
その瞬間
まっすーが俺を抱き締めた
「…何やってんだよっ!?」
「…傘…忘れたんだよ。」
「『忘れた』って…
出た時、雨降ってるって気付いたら
取りに帰るとか…フツーしない??」
「直ぐに走り出しちゃったから…」
想いと共にまっすーの元へ、
とは言わない俺は
蟹座のA型…って
関係ねぇな。
…ははっ
「ホント、シゲって賢いんだかバカなのか分かんねぇ…」
そう呆れて言う
彼の腕の中は
広くて暖かくて…
傘を失った海月は何者か…?
ゆらゆらと
半透明のシフォンのリボンの様な
浮遊物になった俺達は
雨の海で共に流され
深く誰も居ない深海へと
沈んで横たわる
俺達は何者でもない
誰も知らない
雨も知らない
湿ったあなたの
胸の中に居た記憶だけ残すのか
瞬きの合間に夢を見るなんて…
ここ数日間に渡って
殺人的スケジュールに追われていた
俺の疲れた身体は
嘘をつけないでいた
紫陽花が雨粒と交わすの会話は
心地よく耳を撫で
びしょ濡れになった身体を包み込む
彼の体温は
緊張状態にあった筋肉を
スルスルと弛ませ
心地良い眠りを誘うのだ
「…眠い…」
「…え、おい!ウソだろっ??寝るなっ」
「…ふふっ…寝ないよ…寝てたまるかよ…」
手の力が抜け
ドサ、と地面に紙袋を落としてしまった
「…もしかして、それ…」
型が崩れてしまった紙袋の事を聞く
「…そ、靴。
でもごめん、濡れちゃったかも…」
「いいよもう…そんなの…ごめんな…
無理言って…ごめん…」
「…まっすー…」
「…ん?」
弛んだ筋肉は
口元も弛ませて
いつもなら口に出せない言葉を
スルスルと引き出していく
「会いたくて…俺…今日さ…ずっと…」
夢の中でも言えない様な言葉が
紫陽花と雨のお喋りに紛れて
溢れ落ちた
そして
「…シゲ…来てくれて…ありがとう…
酔って俺…わがまま言った。
こんな雨も降ってるっていうのに…
…ごめん。でも、マジで嬉しい…」
と、キュウ、っと胸を締め付ける様に
痛いくらいに抱き締める
まっすーのこと考えてた
今日一日が報われていく気がする…
目を閉じて
少し俺より背の低い
まっすーの項に顔を埋めた
すると
「…シゲ……好きだよ…」
耳元でシンバルでも鳴らされた様な
衝撃が走った
「…え??」
急に身体がシャキッとして
抱き締められる身体を離し
「…今…何て…?」と
まっすーの顔をまじまじと見る
雨に濡れた
切ったばかりのまっすーの前髪
瞬きする度に睫毛が水滴を弾く
真っ直ぐ見つめ返す瞳は
俺を捉えて離さない
目に入って来ようとする雨粒を
瞬きして避けようとしても追いつかない
ゆっくり顔が近づく
大きな雨粒が目に入り
キュっと瞼を閉じた時
唇を塞ぐ
柔らかなもの
「…!…」
それは
唇が優しく触れるだけのものだが
それだけでもう
唇の先から足の先まで蕩けてしまいそうだ
ゆっくり離れる唇
俺は
恥ずかしくて俯いてしまう
「…なんだろ…すんげぇ恥ずかしい…」
顔を上げて
まっすーの顔を見るのが
こんなに難しいなんて…
「…あれ?シゲ、初めてだった?」
なんてイタズラに聞く
「…んなワケねぇだろっ
30のおっさんが…した事無いって…」
「…あるんだ。」
態と驚いた様に言う
「あるよ!…あるだろ?!」
まっすーだって…あるだろ…?
手越と、…とかさ…
「…シゲは誰と?」
そんなストレートに聞くぅ??
「はぁ??言うワケねぇだろっ…そんな…」
…丸山君と、…なんて言える訳ない…
「…なんか嫉妬する」
…嫉妬ぉ…?
「…は?」
目をパチクリさせる俺を見て
クスっと笑い再び抱き寄せられ
「…やっと顔上げた…」
と言ってもう一度顔を近づけ
唇を塞ぐ
今度は合わせた唇の間を割って
入りこんでくる
あの舌
誘う様に舌先はツッと上顎をなぞる
それだけで膝から崩れ落ちそうになる
「…んぁ…」
と僅かに開いた隙間から声が漏れた
まっすーの舌先は
俺の舌の根元から絡め取る様な動きで
包み込み
舌からの刺激で脳内の自由を奪う
されるがままのマグロ状態の俺の舌
喉の奥から絞り出す様に喘ぐ声だけ
淫らに漏らし続ける
濡れて冷えた筈の身体が熱い…
こんなそぼ降る雨の公園で
濡れた身体で抱き合う男が二人
想いがまだ不確かなまま
濡れた唇を合わせて
何処に向かうのだろう
傘を無くした海月は
海の藻屑となるしかないのか
沈んで横たわる場所に
何があるというのだろう…
未来など
ここにあるのだろうか
火照る身体は
俺だけなのだろうか…
恍惚の海の中
惜しむ様に唇が離れ
「…どっか行こ…?」
「え?…これから?…どこに…?」
「二人っきりになれるとこ。」
「…え?…は??」
「…シゲんち。」
「お、俺んち?」
「うん。…だめ?」
口をそうやって尖らせて
結構大胆な事を
可愛く聞くんじゃないよっ
「…ダメ…じゃないけど…」
「あ、誰か居る?」
「居ないよ!居るわけ無いじゃん…」
ムキになる俺を
クスっと笑い
「泊まっていい?」
と唐突に聞く
「…えっ…?」
もちろん
いいに決まってるのに
突然過ぎて返事が直ぐできない
「やっぱダメかー」
と諦めようとする
そんな直ぐ引くなよ!
ダメなんかじゃない
ダメなワケない!
シゲちゃんは
まっすーが押せばどうにでもなるぜ!?
そう思っている間にも
寄せた波が引いていく様に
まっすーは諦めをつけ
その気になっている俺を
さっさと置いていこうとする
「急に言っても困るわな…」
「ダメじゃないよ!…」
と咄嗟に引き留めるのは
結局、俺。
まっすーは二ッと笑う
飛んで火に入る夏のシゲ…
そんな顔してる…
思惑通り、ってか?
まっすーが俺を落とすなんて
お茶の子さいさいだわな
だって俺
好きだもん…
なんか今日一日の
目一杯張りまくってた緊張が解け
脱力感でいっぱいの俺
雨は霧雨に変わった
月の代わりの背の高い街灯が
傘を被ってぼんやりと二人を照らす
フッと笑って
まっすーは俺の身体を引き寄せ
腰に手を回してふわりと抱く
首筋に唇を落とす
「…ぁ、…ん、…ちょ、外だよ…」
そこからまた燻っていた炎が
チリチリと燃えて肌を焦がす様に熱い
「…ずっとね、欲しかった…
…シゲを…俺にちょうだい…?」
カッと
全身が大きな炎に
まれ
中心部に一気に欲という熱が集まる
そして
ビッグサイズのTシャツで隠れている
まっすーの自身
ちょうど俺のと同じ様に
変化した自身に触れ
二人のものが
硬く形を変えているのが
互いに分かった
後で思い起こしたら
滑稽な程早足で
二人共無言で
遠く感じる家までの歩道を歩いた
相合傘が意味を為さない程の小さな霧雨が
二人の身体に纏わり付き
静かに濡らし続けた
エレベーターに乗り込んだ瞬間
まっすーが俺に触れようとした。
でもそれはマズイ。
俺は目で箱の天井の隅を視線で示す
「…カメラ…付いてるから…」
そう言うと
まっすーもちらっと上を向き
天井の隅に丸いカプセルが半分埋まっているみたいな透明のカプセル
中で紅いランプを小さく灯して
こっちを見張っている
防犯カメラの存在を確認する
ふう、と溜息を吐き
出しかけた手をだらんと下げた
出しかけた手の
指先がもう
これからの出来事を一瞬で想像させた
彼の手の甲に血管が浮き上がる
不意に
艶めかしく形を変えた
まっすーのそれが頭に浮かぶ
…何考えてんだ…俺は…
瞬時に火照ってしまった
身体の気を紛らせるために
まっすーに背を向け
階を上がっていくのを示す数字を見上げる
後ろに立つまっすーが
「…首、」
と言った
「えっ?何?」
何か虫でも付いてるのかと思い
手で首をパパッと拭うと
「…違う。…紅いよ、…って。」
…どうしてそういう事を…!言う??
と、首を手で覆って振り返ると
壁にもたれ
男の顔をしたまっすーが
余裕の笑みを浮かべる
その持つ傘の先から
ジワっと雨粒が集まって床を濡らす
更に顔から首、いや、全身が
熱を帯びた気がして
もう
眩暈がしそうだ…
そう思った時 扉が開いた
前に居た俺は
いつもなら背後にいるまっすーを
『開』ボタンを押して先に出てもらう
でも今日はそんな余裕なんてなくて
一刻も早く温度の上がったここから
飛び出したい
その一心で
扉が開ききる手前で外へ飛び出した
「…おい、シゲ、待てよ。」
そう背中で聞こえたが
足を止められない
スタスタと自分の部屋の前まで
ポケットから鍵を取り出しながら
早歩きで進み
ドアに着くと同時に鍵を差し込む
後ろから付いて来たまっすーが追い付き
「何急いでんの?」
と耳元で低い声で囁く
パーソナルスペース狭っ!!
…これはレベル4!
いわゆる『密接距離』!
と思ってたら
やっぱり酔ってるのか、
顎を肩に乗せて来た…
…もぉおおおお!!!
ホントやめてぇ??
『首、紅いな、って』
耳の奥で蘇る
艶めかしい低い声
もう焦って手がおぼつかない
ガチャガチャと音を立てて差し込むけど
こんなに鍵穴小さかったっけ??ええ??
やっとの思いで鍵を開け
ドアを勢いよく開く
自分の家の匂いで少し安堵したのも束の間
ドアがゆっくり閉まると
靴を脱いで上がるや否や
後ろから抱き締められる
「…ちょ、っと、待ってよ…」
濡れたTシャツがヒヤリと肌に触れ
傘がパタンと倒れた音がした
それは
俺達の特別な時間が始まる
合図になった…
※いつも来て頂き、本当にありがとうございます。これより続きはGTブログの方になりますが、まだアチラの内容はまだ準備中で更新はしておりません。近日中に更新させて頂く予定ですので、今暫くお待ちくださいますようお願い申し上げますm(_ _)m
図解でわかる「咄嗟」
びっくりすると
涙も出ないんだね。
涙が出なければ
感情も無な感じで
昨日のあの時から
今まで
時間がとまってるみたい
嘘って言ってほしい
でも、本当に
納得というか
妙に腑に落ちた自分もいる
インターネットで検索すると
当たり前だけど
ネガティブなことしか書いてない
それを見て
不安があふれてくるんだけど
だからって
やっぱり涙も出てこない
自分の中で
涙が出ないのは
やばい気がする
そんな風にも思う
でも、私は
その事実以外のところで
昨日までに至ったことも事実で
友達は
不誠実というけれど
昨日咄嗟に出た言葉は
話してくれてありがとうだし
今でも感謝してる
どうせ焦ってもないし
私だって
今までのなかなか壮絶な過去もあるし
誰にだって過去はあるし
なんかもういいかなって思う
事実を受けとめて
受け入れてもらえて
というか
何もない家庭なんてなくて
私の考えは甘いのかな
泣こうと思っても
泣けないや
でもね
感謝だけは伝えたい
せっかくだから咄嗟について語るぜ!
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